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最弱騎士はそれでも最強を目指す  作者: 多摩樹悠一
第四章
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第65話 緑竜の集落


緑竜たちの集落へと急ぐアルフたち。


場所はゴルカの地図とシーデルのおかげでわかっているため、後はただ急ぐだけだ。


『でも、相手が軍で来ているなら私たちが行っても何も変わらないんじゃ!?』

ネルは走りながらアルフに問うた


『だからと言って放っておくわけにもいかないだろ!

 もしかしたら相手のスキをついて一人でも助けられるかもしれない!』

走ることで息が上がり始めているアルフは少し荒くなりながらも答えた


アルフたちはロクに休む暇もなく移動と戦闘を繰り返している。

その疲労が一行に出始めていた。


『我!一人でも同族を救いたい!それは他の竜人族でも同じ!』


『そっすね。お嬢、けど無理は無しっすよ!お嬢に何かあったら族長に合わせる顔がないっすから!』


『そう…ですね……例え微力でも目の前で危機にさらされている人がいるなら助ける。それが騎士ですね』


『しっ…見えてきたっすよ!』

オルガルドが注意を促す。

まだ距離はあるが前方上空に複数の狼煙が見えた。

おそらく緑竜の集落であろう。


一行は息をひそめながら近づく。


すると森の切れ目は崖になっており、その下には大勢の兵と狼煙のあがっている集落が見えた。


アルフたちは姿を気取られないよう、茂みに身を潜めながらも様子をうかがう。


集落を守っていたであろう門は無残に破壊され、橋の上を多くの兵が拘束した緑竜たちを連行していた。


緑竜たちは精一杯抵抗したのであろう。倒れている帝国の兵と緑竜たちも多くいた。


『酷い…』

アルフは思わず呟いた。


竜人族が何をしたというのか。なぜこのような侵略行為を受けなければならないのか、アルフにはわからなかった。



『これはやばいっす…。特にあの中央で指揮している指揮官らしき男。只者じゃねぇっす……。』

アルフの視力では距離があるため個人の顔まで認識できなかったが、竜人であるオルガルドには見えるのかそう話しかけてきた。

オルガルドの様子を見ると引きつった顔をし、冷や汗をかいていた。


『我、わかる。あの男危険…』

ラディアも同じように感じたのか肩を震わせている。


戦闘能力の高い竜人族であるオルガルドとラディア。

ラディアは火を吹くぐらいしかできないが、オルガルドの戦闘能力は確かだ。


そのオルガルドたちが危険と判断した男とは何者なのか。

アルフは気になり思わず身を少し前に出してしまった。


そのとき、アルフは小石を蹴ってしまい、その小石がカラカラと小さな音を立てながら崖から落ちた。



ギュルッ



そんな擬音が聞こえた気がした。

指揮官らしき男の顔が勢いよく、こちらを向いたのだ。


アルフは身を隠し、気配を必死に消す。


『…』


オルガルドとラディアの目には映った。

その男の口が開き声を発したのを。



「ネズミが見ているな」



『まずい!ばれたっす!逃げるっすよ!』

オルガルドが小声で叫ぶ。


アルフたちは身を翻し走りだす。


だが


後方からドッ!…ガッ!ガッ!…ダンッ!と音が聞こえたかと思いきや

前方に人影が飛んできた。


その男は人間離れした身体能力であの場から崖を登り、走るアルフたちに追いつき、更には回り込んだのだ。


『赤い角、赤竜か…。それにそっちは人間か?』


その人物はそう問いかけてくる。


『『…』』


アルフたちは何も返せない。


『奇妙な組み合わせだな。竜人は人間を嫌っていると聞いていたが…』

そう顎に手をあて、首を傾げる男。


『偵察にしてはお粗末なもの…だが、かといって情報をもって帰るのをみすみす見逃すわけにはいかないな。』

男は言葉を続ける。


『私はリヴァイチェア帝国の将、ラゼル。女子供を手にかけるのは気が引ける。だからどうだろうか?大人しく降伏してもらいたいのだが。

 そうすれば身の安全は保障しよう。』



『笑止っす!』

オルガルドは竜化し、ラゼル目掛け火炎の息吹を吐いた。

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