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最弱騎士はそれでも最強を目指す  作者: 多摩樹悠一
第三章
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第60話 出発


『竜人族一同揃っての会議を開きたいと思うんじゃ』


青竜の族長コーデルがそう宣言したとき、アルフは好奇心に駆られていた


初めて竜化した竜人を見たときアルフはかっこいいと思った。


幼い頃聞いた御伽噺(おとぎばなし)では竜は聖なる存在であり、

まだ人族が未開拓の大陸や大海、大樹林などに生息し、人の前に現れるのは極々稀である

そんな伝説の存在であると言い伝えられていた。


その伝説の存在の血を継ぐ人族である竜人族にアルフが持つ少年の心は躍った


そしてまだ見ぬ緑竜と黄竜たちも揃う会議とはどんな光景なのかと考えるだけで

アルフはウキウキし、顔はにやけていた


アルフの表情の変化に気づいたネルはアルフの意図を察したのか話しかけてきた

『アルフさん。も、もしかして自分も参加したいと思ってます?』

ネルがそう小声で言う


『あぁ!超見たい!だって竜人族かっこいいじゃん!特にあの竜の姿!憧れるわ!』


『そう言われると照れるな』

赤竜の族長ガルディアはポリポリと頭を掻きながら答えた


『カカッ。そちらの少年はワシらに興味深々なようじゃの。ならばどうじゃ?

 緑竜と黄竜の元に使いを出そうと思うのじゃが良ければ同行するかの?』

青竜の族長コーデルはそうアルフに提案した。


『いいのか!?行きたい!』


『アアアア、アルフさん!?』

ネルが素っ頓狂な声を出す


『決まりじゃの。では青竜からは…ワシの(せがれ)のシーデル。お主が行くとよかろ』


『ハッ!』

シーデルと呼ばれた青竜は最初にアルフたちに飛びかかってきた青竜だ。

彼は族長の命に素直に同意した。


『なら、うちからはラディア。それにオルガルドを出そう』


『我!?』

驚くラディア。まさか自分が指名されるとは思っていなかったのだろう


『お前は義理とは言え俺の娘だ。胸を張って行ってこい』

ガルディアは微笑みながらラディアの背をドンッと叩いた


『そんなわけでお嬢。行きましょっか』


『うんむ、ワイは里の復旧に尽力するべ。オルガルド、代わりにお嬢を頼むべ』

ガルヴォルドはにんまりとした穏やかな顔でオルガルドを送り出した。



『えっと…アルフさん。ラディアちゃんを仲間のところに帰してあげるっていう目的は達成したわけですし…私たちは…』

ネルがそう言って止めようとするがアルフは完全に行く気満々だ


『もぉ…わかりましたよ、私も付き合います!』




こうしてアルフ、ネル、青竜のシーデル、赤竜のラディア、オルガルドの5人は緑竜と黄竜の集落を目指し青竜の集落を後にしたのであった。


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