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最弱騎士はそれでも最強を目指す  作者: 多摩樹悠一
第三章
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第44話 竜人族


『離せ!人間!』

そう言ってネルに噛みつこうとする竜人族の子供


しかし力はネルのほうが上らしくネルの拘束から逃れることができずにいる


『なぁ、とりあえず事情を話してみろって。俺たちこの国の騎士なんだ。力になれるかもしれないぞ?』


『黙れ!誇り高き我らは決して人族を頼ったりしない!』


『誇り高いのに盗みを働こうとするのはどうなんでしょうねー』

と正論を言うネル


『うっ……』


そして ぐぎゅるるるるる とお腹が鳴った

もちろん音源は竜人族の子だ


『うぅ……』

ぽろぽろと涙をこぼし始めた

周囲を通る人たちから冷ややかな視線を感じる


『あー、そのなんだ。とりあえず飯奢ってやるよ』

アルフはさっきの屋台まで急いで戻り牛串を数本買ってきて手渡した


するとよほどお腹が空いていたのかガツガツと食べ始めた。


そして牛串を食べ終わると

『……感謝する』

と礼を言った。


『ねぇあなた名前は?私はネル。こっちのお兄ちゃんはアルフ。』


『……ラディア……ラディア・リル・フォード…』


『『王族っ!?』』

二人は驚愕した。


『なんで竜人族の王族が王都でそんな恰好をしているんだ?』


『それは……うぅ……』

また涙をこぼし泣き始めるラディア


『お姉さんたちに話してごらん?絶対に悪いようにはしないから』

ネルはラディアの涙を拭いてあげながらそう優しく説いた


『里が……魔人を名乗る奴らに襲われたんだ……

 もちろん大人たちは戦った……でも負けた……それで私たちは散り散りになって逃げたんだ……』


竜人族は他種族との交流を好まない。閉鎖的な集落だ。

そこを付け狙われたのだろう


『その魔人たちは何か言ってた?それに外見の特徴とかは?』

ネルが問う


『山羊の頭をしていて吾輩がどうのこうの叫んでた』


二人はピンときた

バレットだ。


確かやつは去り際にまだ仕事が残っていると言っていた。

それが竜人族の里の襲撃なのだろう


『あのやろう…』

アルフの心に怒りの炎が宿る


『アルフさん、私たちの手に負える案件ではありません。団長たちに急ぎ連絡を』


『あ、あぁ!』


そして二人はラディアを連れ騎士団の詰め所へと急いだのであった。


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