第31話 村
夜が明け一行は新たにペトゥラを加え魔法国を目指し、出発した。
温泉に宿での休憩は一行の旅の疲れを取るには十分だった。
レヴィルの町を離れて数時間、一行は道中にある次の町、もしくは村を目指して進んでいた。
空は青く澄み渡っており、旅をするにはちょうど心地よい天気であった。
そして獣車に揺られながら進んでいると前方に村が見えた。
だが様子がおかしい。狼煙があがっている。
『おい、みんな!前に見える村、何か様子がおかしいぞ!』
アルフはそう言った。
『む!こりゃいかん!もしや魔物や山賊に襲われているかもしれん!急がねば!』
バレットが叫んだ。
一行が村にたどり着くとそこは酷い悪臭がしていた。
魔物や人の死体の焦げる臭い。血の臭い。家々が燃える臭い。
魔物の仕業とわかった一行は戦闘態勢を取り、村の中を進む。
しかしいくら探しても生存者はいない。明らかに異常であった。
『おーい!だれかいないのかー!』
アルフは大きな声で呼びかけた。
そのとき
ガシャシャッ!
と金属の擦れる音がしたかと思いきや荒い造りをした鎧を着た集団が現れた。
身なりからして山賊だろう。数は10人ほど。
『なんだこいつらは…ペトゥラ俺たちの後ろに』
緊張した空気が流れる。一触即発の状態だ。
数は相手が圧倒的に有利だ。
戦闘になれば苦戦は免れないだろう。
『へへ、いい女がいるじゃねぇか。おい、降伏するなら女は生かしておいてやるぞ』
中央に立つリーダー格の男がそう言った。
『ふざけるな!だれがそんな要求を呑むか!』
『同感である!貴様らに負けるほどやわな鍛え方はしておらぬわ!』
アルフとバレットが怒鳴る。
『野郎ども!男は殺して女は生け捕りだ!そのあとはお愉しみの時間だぜえええええ!!!!』
山賊たちが一斉に襲い掛かってきた。アルフたちは応戦しようとするが
そのとき巨大な炎の塊が山賊たちを包み込んだ。
『『『ぎゃあああああああああああっ』』』
山賊たちの悲鳴が轟く。
アルフたちは何が起こったのかと炎の出所を見る。
そこには赤を基調としたローブを着た集団がいた
彼らが山賊を焼き尽くしたのだろう
『そこの人たち大丈夫ですか?我々が来たからにはもう大丈夫ですよ』
ローブを着た女性がそう語りかけてきた。
『あ!その声はジーナ!ジーナじゃないか!』
ペトゥラがそう叫んだ。
『お、お嬢様!?よくぞご無事で!!!』
ペトゥラはジーナと呼ばれた人物にアルフたちを紹介する。
『そうでしたか。それはお嬢様がお世話になりました。
私たちはイングリード魔法国の魔法騎士団。お嬢様の捜索をしていたところ
狼煙のあがっているこの村を発見し、かけつけました。』
『しかし、手遅れだったようですね……。』
周囲の村人らしき人々の遺体を見て、そう残念そうに呟くジーナ
『せめて我々の手で弔って差し上げましょう。あなた方も手伝っていただけますか?』
『あぁ、もちろん…』
『何はともあれお嬢様が見つかってよかったです。御父上がご心配されてましたよ
弔い終わったら我々とまいりましょう。』
『うっ……父上か……』
気まずそうな表情をするペトゥラ。
『王国の方々もどうぞ。依頼の件は我々にも伝わっております。ご安心を』
その後アルフたちは魔法騎士団の案内と共に魔法国へと赴いた。




