第23話 王都出発
ネルが部屋を去ってからアルフは立ち上がった。
『あら、もう大丈夫なの?もう少し寝てても誰も怒らないわよ』
『あぁ、もう大丈夫だ。今回のことでもっと強くならないといけないと思ったしな
寝てる時間も惜しいんだよ』
『そ、でもあんまり無茶して体壊すんじゃないわよ。』
『そのときはまたフィルに治してもらうさ』
たははと笑うアルフ。
『もう!魔法でも治せない怪我だってあるんだからね!』
ちょっと怒り気に言うフィル。
『そういえば俺、どのくらいの間寝てたんだ?』
『1週間ぐらいよ』
『げっ。そんなに寝てたのか』
『そうよ。だから無茶はしたらダメ。自分を大切にしなさい。』
『……はい』
『それとたまにはコハクとも遊んでやってね。遊び相手がいなくて退屈そうにしてるから』
『あぁ覚えとくよ。それじゃ俺行くわ』
そう言ってアルフは医務室を後に騎士団の詰め所へと向かった。
詰め所にはネイル副団長が忙しそうに書類にサインをしていた。
『あぁ、アルフくん久しぶりだね。傷の具合はどうだい?』
『えぇ、おかげさまでこの通り元気になりました。』
アルフは力こぶを作って見せた。
『そうか、それはよかった。まさか結界石が破壊されていてそのせいで
中級の魔物が首都周辺に現れるなんてね』
君がいなかったらやばかったよと付け加えるネイル。
『それと君に嬉しい知らせだ。君を正式な騎士として迎えるために僕らの寄宿舎の利用許可が下りた。』
『本当ですか!?』
アルフは喜んだ。これで宿屋の心配をせずに済む。
『はは、本当さ。君の部屋も用意されているから後で行ってみるといい』
『はい、そうします!』
『で、ここからが本題なんだけど……』
『今は騎士団や冒険者の人たちに周辺の警戒をしてもらっているから大丈夫だけど
結界をこのままにしておくわけにはいかない。結界石を直さないといけないんだ』
『…どうやって直すんですか?』
『調べたところ破損が酷くうちの国じゃ無理らしい。
だから魔法大国であるイングリード魔法国に依頼して直してもらうのさ。』
『魔法国……』
聞いたことのない国だった。
アルフはこの大陸にはバルバロッサ王国以外にもいくつかの国があることは知っていたが名前までは知らなかった。
『その件で任務があるんだが、上からの直々の指名でね。アルフくん君に参加してもらう。』
『内容を聞いても?』
『あぁ、任務の内容は魔法国への使者の護衛。君以外にも何人か護衛を頼むつもりさ。』
『でも何で俺なんですか?俺弱いですよ』
『中級の魔物を倒してるのだから十分さ。それと何で君が指名されているのかは僕にもわからないんだ』
ごめんねと付け足すネイル。
『ともかく君が動けるならすぐにでも出発したいとのことだ。
伝達は僕のほうからしておくから君は支度をして正門で待機しててくれるかい?』
『はい、わかりました』
アルフは詰め所を出て寄宿舎へと赴いた。
自室を見て感動した後、荷物を置き出掛ける支度をし正門へと向かった。
正門では見知った顔ぶれが揃っていた。
神官のフィル。
騎士のネル。
騎士の名の知らないおっさん。
そして戦乙女であり第三王女のアレリアが待っていた。
『久しぶりだな、アルフ。それでは行こうではないか』
そう、アルフを指名したのは他ならぬアレリアだったのだ。
魔法国編始まります。




