第22話 医務室
アルフが目を覚ますとそこは王都の医務室のベッドの上だった。
ズキッと痛みを感じ右胸を触る。だがそこにあった傷は消えていた。
ベッドの横にはネルがすやすやと寝息を立てながら眠っていた。
アルフは状況がさっぱり飲み込めなかった。
結局あの悪魔はどうなったのか思い出せない。
とりあえず寝ているネルの頬をぷにぷにっとつついてみる。
意外と良い感触だった。癖になるかもしれない。
すると
『ふぇっ!?』と間抜けな声を出しネルは目を覚ました。
『アルフさんやややややっと起きられたんですね!良かったぁ……』
安堵の声を出すネル。
『あー、状況がよくわからないんだけど説明してくれないか?』
アルフは話を切り出す。
『はい!アルフさんが白い光に包まれてゴオオオッってなってあの悪魔を一撃で葬り去った後、
私が救援を呼びに行ってアルフさんをここまで運んでもらって治療してもらいました!』
そう言ってえへんと胸を張るネル。
『その後、ほかの騎士さんたちで私たちが調べるはずだった祠を調査してもらったんですけど
何者かに破壊されていたらしいです。それであの悪魔が寄ってきたんだろうって見解です。』
『でも、もしあそこでアルフさんがあの悪魔を倒してなかったら王都に入り込んでいただろうし、
そうなるとかなりの被害が出てただろうって副団長が言ってました。アルフさん超見直されてましたよ!』
まるで自分のことのように嬉しそうに話すネル。
アルフはネルが元気そうで何よりだと思った。
『そっか、俺悪魔に勝ったんだな……もうヤケクソだったけど何とかなってよかったぁ……』
今になってあの恐ろしさがよみがえる。アルフは背筋がぞわわっとした。
それにしても白い光って何だろうか
『あら、アルフ。目が覚めたの?今回はお手柄だったらしいじゃない。』
フィルがやってきた。おそらく傷を治してくれたのは彼女なのだろう。
『あぁ、今回はさすがに死ぬかと思ったよ。けどなんとかなった。』
『あまり無茶するんじゃないわよ。あんたが死んだらコハクが悲しむんだから』
そこは自分が悲しいというところでは、と思ったが口には出さなかった。
『そうだ。多分、コハクに助けられたんだ。』
『コハクが?何で?あの子なら家にいるわよ?』
『聖獣の加護ってスキルをもらってたみたいで多分それのおかげで勝てたんだ。』
そう言って結論付ける。それ以外に考えられないからだ。
『へー、あの子そんなことできたんだー。私にはくれないのになー。』
そう言ってぶーと頬を膨らませるフィルであった。
『あ!そうそう!アルフさん!副団長が詰め所に顔出すようにって言ってましたよ!』
『わ、私は先に行ってますね!では!』
そう言って席を立つネル。そしてドアの前まで行くと立ち止まり
『それと、助けてくれた時のアルフさん……すごいかっこよかったですよ?……』
ひゃーっと赤面しながら出ていくネル。
『あらあら~。こーれはアレリア様に報告が必要そうね~。』
にやにやしながら言い出すフィル。
『それは勘弁してくれ……』
アルフは傷の痛みが増しそうであった。




