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最弱騎士はそれでも最強を目指す  作者: 多摩樹悠一
第一章
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第9話 宿と揉め事


なんとか今日を終えたアルフは街の宿へと赴いていた。

時刻は日暮れ時、夕飯の買い出しや冒険や任務帰りの人で賑わっていた。


『はー、散々な一日だった』

最弱の認定をされ、なぜか気絶して(直前の記憶がない)目が覚めたと思ったら美少女がいたり、

冒険者になって初めての依頼を受けたら、先ほどの少女が依頼主でペットが聖獣でおもちゃにされるなど

波乱万丈な一日を過ごしたのだからそんな言葉が出るのも無理はない。


そんなことを考えていると目的地の宿屋に到着した。


宿屋へ入るとふくよかな女性が受付をしていた。

おそらく彼女がここの女将だろう。

『いらっしゃい。一泊銅15枚。食事付きなら20枚だよ』


『食事付きで』

アルフは懐から銅20枚を取り出し支払う。


『それじゃ部屋は311号室。3階の西側、突き当りの部屋だよ。』

311と書かれたプレートの付いた鉄製の鍵と朝、夕と書かれた2枚の木の札を渡された。


それらを受け取り、部屋へ行き。そしてベッドに横たわるとすぐに眠りについた。


そうして夜が明けた。


ーーーーー翌日ーーーーーー


アルフは目を覚ますと欠伸をし、まだ眠い目をこすりながら起き上がった。

するとお腹がぐぅとなった。


『そういや腹減ったな』


部屋を出て食堂へ向かうと食堂のほうから何やら騒がしい声が聞こえてきた。


『あぁん!?んなもん知るかっ!!』


食堂には10名ほど居り、その中央でがさつな大男と一人の少女が口論をしていた。

男のほうは坊主頭に肩と肘、そして膝にプレートが施された格好をしており、腰には小ぶりのメイスを装備していた。

一方、少女のほうは腰ほどまで伸びた髪を二つに結んでおり、チェインメイルにロングスカートを履いており、背には一本の槍を背負っていた。


『貴方は命を粗末にした。それは神への冒涜も同義。今すぐに悔い改めなさい。』


『なぁにが神への冒涜だぁ?金は払ってんだ!どうしようが俺の勝手だろうがっ!』


『……クズが』


『あぁ!?こっちが大人しくしてたら調子に乗りやがって!このガキャァ!』


男は激昂すると少女のスカートに手をかけ

あろうことか思いっきりめくりあげた。


バサッと広がるスカート

そして少女の下着があらわになる。

人々がどよめく中、見てられなかったアルフは間に入ろうとした。


『なっ!?』


『ギャハハハハ、恥ずかしいか?恥ずかしいか?ざまぁみ・・・』


それが開戦の合図だった。


少女はその場に屈むと背にしていた槍を手に取りギュルルッと凄まじい速度で回し

そして男の顎を槍の石突で殴りあげた。


男は宙を舞い尻から落ち、倒れる。


少女はさらに追撃をしようと穂先を男の喉に向け突こうとする


『ちょちょちょ、それはやりすぎだって!』

アルフは間に入った。

確かに男が全面的に悪いがさすがに殺してしまえば少女が罪に問われる可能性が高い。


突然の乱入者に驚いた少女は立ち止まり、

『貴方は何?その男の仲間?』と問うた。


『俺は……』『このアマァァァァッ!!!』


男は間に入ったアルフの背を少女目掛けて蹴飛ばした。


アルフは少女とぶつかるのをなんとか避けようと抗うがぶつかってしまった。


顔と顔が


さらに言えば口と口が、であった。


『『ッ!?』』

驚愕するアルフと少女。


そこへ衛兵たちが到着した。おそらく女将が呼んだのであろう。

『『『『通報を受けてきた衛兵だ!そこを動くな!!!』』』』


アルフと少女はとんでもない状況でファーストキスをしたのであった。

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