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第2話

薄いボードを触ると、神様が言っていたステータスが現れた。そこには、


――――――――――――――――――――――――

国枝心波 男 剣士


レベル1


攻撃力 E


防御力 G


魔力 F


知力 E


体力 E


状態:なし

装備:なし

魔法:氷魔法 Lv1


固有スキル:革命家 Lv1


アイテムボックス



↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

ゲームについての説明はこちら

――――――――――――――――――――――――


(うおおおおかっけえええ!!!)


思わず興奮してしまう。いつも憧れていたゲームの世界が目の前に起きているのだ無理もない。てか下の方になんかある。ウェブサイトみたいな作り方だな…

俺は無駄に強調されている場所を押した。するとボードの表示が変わった。


そこにはステータスについて説明が書いてあった。性別の横にあるのがジョブ。剣士は名の通り剣の使い方や近接系武器に対して恩恵がある。レベルは敵を倒して得た経験値によって上がる。上限はない。その時にTPを貰える。他のパラメーターの内容はよくあるゲームと同じでTPというポイントを使えば能力が上がるらしい。最低がGでそこからE F D C B Aの順で上がっていくらしい。


状態は自分の身体の状態のことで何も無い時はなし、毒などにかかればその効果が表示される。装備は身につけているアイテムが表示されるらしい。


そして固有スキル。これは個人が持っている秘めた才能を昇華させ、能力として獲得したものらしい。俺の固有スキル、革命家の効果は獲得経験値3倍、自分よりレベルの高い敵に対して能力が1.5倍。え、めっちゃ強いんですけど…俺は興奮を抑えてさらにこのゲームについての説明を読んでいった。


このゲームの名は人類ゲーム。安直だ…

世界にいる72の使徒を倒せば人類の勝利。使徒は時間が経つごとにレベルが上がっていく。また、魔物、スライムとかゴブリンがスポーンする範囲も広がっていくらしい。ある程度範囲が広がると魔王が出現し、広がる範囲が2倍になる。魔物、魔王、使徒を倒すとアイテムが出現する。それらは全てアイテムボックスに送られる。また、彼らはアイテム以外の効果は受けない。例えばキッチンにある包丁で滅多刺しにしても死なないらしい。そして神様がアイテムボックスにプレゼントを用意してくれている。



まぁ大体こんなもんか…外に出られないでスポーンの範囲が広がるって俺らのとこ厳しすぎない?まぁいいや…他にもいっぱい説明が書いてあるが俺はトリセツとか読まない派だし実際にやった方が早いだろう。俺はプレゼントが入ってるというアイテムボックスをタップして開いた。


木の剣 F


え…

あんな大層にプレゼントやらなんやら言っとってこれ…俺はショックのあまりそっとボードを閉じた。


「あきらー!説明読み終わった?」


「だいたいわかったよ!ほんとにゲームだね…てか兄ちゃんジョブと武器なんだった?」


「俺は剣士だな!武器は木の剣だったよ。秋羅は?」


「俺は魔法使いだった!武器はDランクのシルバーロッドだったよ!多分当たりだね。」


(オーマイガー…これは武器ガチャハズレですわ…ランダムかよ…木の剣はさすがにないわー…)


「そういやお前固有スキルあったか?俺めっちゃ強いのあったよ」


「んやーなかったよ!てか俺の武器より絶対兄ちゃんのが将来的にも強くなるじゃん!せこ!」


この時2人は知らなかったが固有スキル持ちとシルバーシリーズの武器はどちらもとてもレアで後に他プレイヤーと差をつける圧倒的な要因であった。


「よし!秋羅。あの塔の近く行くぞ。多分魔物がいるからそいつらでレベリングだ!まずは1階層のボスをレベル差でボコボコにするぜ!」


「おっけー!楽しみだね!魔物って怖い感じなのかなー?ちょっとポップ調の感じだとめっちゃやる気でるんだけどなー」


「俺の予想めっちゃリアル。もうゴブリンとか見たらビビるくらい怖い系だと思う。あのゴブリンが強い系の話みたいな」


俺たちは準備を終え、塔のある街の中心へと向かった。向かっていく途中でたくさんの人とすれ違った。みんな塔から逃げるように走っていた。


「おいお前ら!なんでそっち向かってんだ!」


急に知らないおじさんから声をかけられた。


「なんでって魔物を倒しに…おじさんたちはレベル上げしなくていいの?」


「何を言ってんだお前たちは!あっちにはな、やばい化け物たちがわんさかいるんだぞ!警察が来てたが銃が効かねえんだ。もうこの街はおしまいだ。お前たちもさっさ逃げろよ!」


「あ、ちょっと…!」


おじさん達は現代兵器が効かないのを知らないらしい。これは結構まずいんじゃないか?さすがに素手じゃ魔物には勝てないよなぁ…


「兄ちゃん!急ご!俺たちの他に何人がステータスを見たのかわかんないけど多分ほとんどの人がステータスを見てないよ!」


「そうだな…てか俺たちも倒せるかわかんねーけどな!倒せたら一躍街のヒーローだぜ!」


5分ほど走り、塔まで残り1kmぐらいまで近づいたとき、急に周りの空気が変わった。夏だと言うのに寒気が走る。自然と心臓がドクドク脈打っているのが分かるくらい緊張している。


「秋羅…おいらオシッコちびりそう…」


「何言ってんの兄ちゃんしっかりしてよ…そう言えば近くにトイレあるっけ?急に尿意が…」


「弟よ。それは俺が言ったことをうまい具合に変えただけじゃないか。緊張するなよ、俺がついてる。」


どの口が抜かしてやがる…と秋羅が言っいるが俺はお兄ちゃんなのだ。仕方ない。しかし結構緊張しているのだ。ゲームだと思っていても負けたら死ぬ。それで緊張しない方がおかしい。


俺たちはゆっくりと街の中を歩いている。さっきから人を1人も見ていない。そのせいで周りの音がよく聞こえる。何かが叫んだり物を壊したりするのが時々聞こえてくる。しかもだんだん近づいているのだ。


「秋羅!止まれ。前見ろ前。」


「うわぁぁ!あれ絶対ゴブリンじゃん!めちゃくちゃいかついんだけど!こわ!」


俺たちは急いで物陰に身を潜めた。幸い相手はまだ気づいていない。


「わかったから静かに!いいかこれは初陣だ。ゴブリンと言っても子供くらいの身長はあるんだ。俺たちはアニメやマンガの主人公じゃない。あくまで生きのびないとこの楽しいゲームもおしまいだ。慎重に倒すぞ…」


「わかった。僕は魔法を使って兄ちゃんをアシストするよ。兄ちゃんがレベル上がれば僕も安全にレベリングできるだろうし。」


わかったと返事をして俺たちはゴブリンの前に立った。ゴブリンもこちらに気づきブサイクな顔面をこちらに向ける。

凄まじい緊張感が辺りを支配する。今俺たちの初陣が始まろうとしていた。


やっと戦えるぜ

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