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天照の心

ーーー翌日


やはりハヤトは元気を取り戻さない。

昨日の事がきっかけでベリアルとハヤトの間にヒビが入ってしまったようだ。

仲直りしたいと言う気持ちはある。

しかしどう言えば良いか今のベリアルにはわからなかった。

結局会話の糸口すらも見つからないまま1日が過ぎてしまう。


ハヤトは戦闘に参加出来る状態では無いのでベリアル一人でヤマタノオロチと戦いに行った。

一人でいると胸の奥がチクチクと痛み、如何にハヤトの存在が大きかったのかに気づくベリアル。

しかし勇者に立ち止まる事は許されない。


(今の俺にできることは、ヤマタノオロチを倒してジパングに平和を取り戻す事だけだ)

ベリアルはそう胸に言い聞かせた。


ーーー一方ハヤトは暗がりの部屋で自分不信に陥り泣き崩れていた。


(ベリアルにも愛想を尽かされた…僕はひとりぼっちだ…)

ハヤトはめいみの言葉を思い出す。


(貴方はひとりぼっちじゃないよ♪)


ーーー2年前


霊媒師としてモンスターと戦っていたハヤト。

そこで一人の黒い和風の踊り子衣装を羽織った少女が助けに入る。


その少女こそめいみである。

めいみもまた、勇者として街を守っていた。


「あ、貴方はハヤト君ね?」

「…」(何でこいつがここにいるんだよ?)

ハヤトはその少女に無視を決め込んでいた。


当時はプライドが高く、霊媒師の後継ぎとしての自負もあったので相手とはライバル以外の何者でも無かった。


「ハヤト君、この敵は一人じゃ倒せない、私も手伝うよ!」

「余計なお世話だ!」


ハヤトはスタンドプレーに決め込んだ。

モンスターは倒すが最終的にはめいみが助けに入りようやくモンスターを倒す事になる。


「余計なことすんじゃねえ…」

「でも一人じゃ倒せなかったよ?」

「こんな奴、俺一人で充分だった」


そのままハヤトは去っていく。

めいみの後ろにいためいみの友達は言った。

「何あいつ感じわるーい」

めいみは何も言わず哀しげな表情でハヤトを見送っていた。


ハヤト自身不器用な性格で、めいみとは仲良くなりたいと思っていたが会う度にどうしても突き放した態度になってしまう。


ハヤトはしばしば自分不信になるがめいみと仲良くなる方法が彼には見出せなかった。

ハヤトは元々クラスで浮いていた。


それだけに、バトルパートナーになるべきめいみにも、ぶっきらぼうな態度になってしまうのだった。


それがやがて、大きな悲劇が起こるきっかけになるとは、ハヤト自身知る由も無かった。


ーーー

ある日学校にひと際強大なモンスターが襲ってくる。

(こんな奴、俺だけでも倒してやる!)

自信家のハヤトはそう息巻き、バトルに臨んだ。


強大なモンスターの前に瀕死の状態となる 。

(ここまでか!)

と思った時めいみが現れハヤトを庇う。


めいみはハヤトの代わりに大ダメージを受けた。

「めいみ!!くそうっ!」

ハヤトは怒りに任せてモンスターを倒す。

「めいみ…なんで俺なんかのために…」

「ハヤト君、やっと名前呼んでくれたね、それだけでも嬉しい…」

めいみは瀕死の状態になるも笑顔で答える。


「ハヤト君、君はひとりぼっちじゃない、本当はとても優しい男の子だって事、私は知ってるよ…」

「めいみ…これ以上喋るな、傷に触るぞ…」

ハヤトは嗚咽を上げる。

「ハヤト君、君なら大丈夫、だって君は…」

そう言うとめいみは息を引き取った。

ハヤトはめいみと最後まで仲良くなれなかった事に激しく後悔した。


亡くなっためいみに皆は悲しむがその恨みの矛先は亡くなっためいみの側にいたハヤトに向けられ、ハヤトに対するいじめは苛烈になる。


集団リンチは勿論、上履きが隠され、カピカピになったティッシュが机の中に詰められ、そしてその上には花が置かれていたり。


人殺しなど恨みを書かれた落書きもしょっちゅうだった。


教師もそれを見て見ぬフリで、時にはいじめっ子に加担するようにハヤトに冷たく当たったりもよくするようになった。


しかしハヤトはそれに抗う術など無かった。

それは自分自身事実だと思っていたから。


その数日後、めいみの知り合いだったらしい勇者と鉢合わせになる。


「めいみをよくも殺してくれたな…めいみを返せ…」

そう言うとその勇者の体に異変が起こる。


「これは…」

「ひひひ、勇者の体は闇に飲まれし時モンスターになるのだ、怖いか?お前もやがてはモンスターに…ぐげっ!」


するとその少年はモンスター化した。

(俺もやがてはモンスターに…)

そしてハヤトは身投げしようとした。


ーーー


「はぁ、はぁ…」

ハヤトは悪夢から飛び上がるように目を覚ます。

汗がハヤトの額に塗れている。


「またあの夢だ…」

ジパングに戻ってから、このような夢ばかり見る。

ふとその時の事だった。

ブラックホールのようなものがハヤトの前に現れる。



『ふふふ、勇者よ、貴様は悩んでおろう?悪夢から解放されたければその中に入るが良い…』


「誰かいるの!?誰だ!!」

ハヤトはキョロキョロ見渡し、叫ぶ。


『怖がる事は無い…私はお前の味方だ…ブラックホールの中心をじっと見つめるが良い、さすれば貴様は苦しみから解放されよう…』


ハヤトは催眠にかかったようにブラックホールの中心を見た。

するとハヤトは身体ごとブラックホールの中心に吸い込まれて行った。


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