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「…………」
「…………」
僕は後輩が動かなくなるまで、ずっと力を込めた。そうすることが後輩のためだとそう思ったからだ。
後輩の身体に埋め込まれた機械が停止したのが分かってから、僕はそっと後輩の体を労るように横にして寝かせた。
後輩を人殺しにはさせたくなかった。
こんな辛い想いをさせるくらいなら、僕がいくらでも罪悪感をもっていく。
僕は亡骸になった後輩を抱き締めた。身体に埋め込まれた機械同士がぶつかって金属の音をたてた。
後輩には黙っていたがすでに僕も兵器にされていた。今回の僕の任務は『失敗作を破壊し回収すること』だった。
後輩は全て知っていたのだろうか。全て見透かした上で「殺してくれ」と僕に言ったのだろうか。
真実はもう分からないけれど、ただ一つ分かったことは、僕たちは両想いだった。
人間だったときからずっと。
僕は後輩を愛していた。