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第十一話「森」


 アランは今、鬱蒼としている森で一心不乱に歩いている。

 地図などない。ただ、頭の片隅で何かが『こっちへ行け』といっているのだ。十中八九、〈アイツ〉によるものだろう。


 「うーん……全然何も見えてこないではないか。まあ、奴が指示を誤った事などないが」


 それにしても、先ほどから何か聞こえる。叫び声だろうか?

 それが気になったアランは、その叫び声のする方向に向かう。




 

 ・・・・・・早足で、尚且つあまり音をたてないように、そろりそろりと例の方角に進んで行くと、何かが見えてくる。

 汚い鎧を着用した奴と・・・・・・子供のような小さい影。

 叫び声の主はどう考えてもその子供の方だろう。


 (何をしている? いや、そう考えるまでもないか。あれは恐らく賊かなにかだろう)


 アランの考えは大当たりで、要は子供が賊に襲われているから助けてやれということらしい。


 「や、やだぁっ! お父さん、お母さん・・・・・・」


 声を聞く限りでは、どうやら女の子のようだ。

 子供に優しいおじさんだったアランは、これを見逃さない。


 「おい、そこの男。何をしている」


 「あぁ? おっ、ガキもう一匹居るじゃん。どっから沸いたんだ? まあいいや。そこの嬢ちゃんと一緒に楽にしてやるぜ」


 男はアランの声に振り向くと、いかにもな台詞を吐いてみせた。

 だが、その言葉はアランを更に憤らせた。

 よって、アランの中でこの賊は死刑が確定した。


 「ふざけるなよ、このゴミが! 貴様のような奴にはこの岩がお似合いだ!」


 岩、それを聞いた賊は前方からの投擲を予想し、サッと身構える。

 だが、この光景を第三者が見ていたとしたら、その誰もが賊に言いたくなるだろう。

 

 残念、と。


 「ぐおっ!?」


 賊は前方からの攻撃を警戒しすぎ、後ろからソフトボール大の岩が飛んでくるとは思っていなかったようだ。


 頭に高速で岩がぶつかってきた賊は、当たる直前にやっとそれに気づいたが、もう遅い。

 一発目で脳震盪を起こして意識を失った賊に、そのまま何度も何度も岩をぶつける。


 「ふぅ、こんなものか。お嬢さん、怪我はないかね?」


 脳味噌までぐちゃぐちゃに破壊し尽くし、一応装備品などを取ってから賊の遺体を燃やすと、即座にアランは近くにへたり込んでいた少女になるべく優しく話しかける。


 すると、いくら賊でも殺し方が残酷すぎたか、少女は「ひっ!?」という声と共に後ずさる。

 それでも、数秒後にはアランを命の恩人と認識し、泣きながら事件の経緯を話してくれた。


 曰く、この森の向こうに彼女の村があり、そこが盗賊に襲われたようだ。それで、一目散に森の方へ女子供を逃がそうとしたらしいが、大体捕まり、森にいるのは恐らくこの少女だけなのかもしれない。

 そして更にその盗賊の特徴は、皆が同じ格好をしているという点だそうだ。


 (同じ格好・・・・・・? たかが盗賊がそんなに統一感を出すものか? 物好きな奴も居るということか)


 その特徴については些か疑念を抱いたが、そんなことを気にしている場合ではない。

 この愛らしくも健気な少女のふるさとが現在進行形で襲われているのだ。 


 何としてでも助けねば!

いやあ毎度どうもありがとうございます。受験勉強の気晴らしに書いてみました。

次回は恐らくアラン君が大活躍します。

乞うご期待!

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