第十話「早朝」
「―――――む、朝になったか。」
森の向こう側から徐々に日が昇り始め、窓から光が入って来た。
アランは起き上がり、部屋を出て庭へ向かう。
すると、リビングでゲルマ―が眠そうな顔でお茶をすすっている。
「おぉ……アランか、早いな。」
「ちょっと庭で鍛錬をと思いまして。」
「鍛錬? ちょっと見てみたいな、付いて行ってもいいか?」
「はい、いいですよ。」
そうして二人が庭に出ると、気持ちのいい風が肌を撫で、朝日が非常にまぶしかった。
そこでアランはいつも通りに魔法の鍛錬を始めた。
「まずは、土魔法で石からナイフを作り、こうします……!」
アランは手に持っているナイフで腕を切り付け、当たり前のことながら、その傷口からは血がドクドクと溢れ出してくる。
すると、その光景を見ていたゲルマ―が、目を丸くして叫んだ。
「な、何をしているんだッ!! 早く救急箱を持っ「まって下さい、まあ見ていてください。」
オロオロと慌てるゲルマ―に制止を呼びかけると、すぐさま、アランは治癒魔法を行使した。
傷は完全に無くなり、腕を伝っていた血も、見えなくなった。
その光景に、ゲルマ―はあんぐりと口を開き、アランの顔と、腕の傷があった所とを交互に見た。
「これは治癒魔法です。兵士をやっているのであれば、見たことぐらいあるのでは?」
治癒魔法は、上位のものになれば四肢の欠損も癒すことができる。なので、この世界では医学が発展しておらず、風邪薬や毒などの薬学が発展しているだけなのだそうだ。
「治癒魔法は分かるが、お前今……無詠唱で使ってたよな?」
ああ成程、そういうことか。まだ誰にも言っていなかったな、無詠唱の件は。
「その通りです。その証拠に…………ほら、胸や腕に模様があるでしょう?」
アランが服を捲って紋章を見せると、瞬間、ゲルマ―は目を見開いた。
「おおおおおっ! 素晴らしいっ! 凄いぞアラン!!」
少しばかり大仰な気もするが、ゲルマ―は自分の子供が素晴らしい才能を秘めていたことに大層驚いたようで、まだ早朝だというのに馬鹿みたいな大声をだした。
おい! まだ日の出から少ししか経っていないんだぞ!? 近所迷惑だろうが。
こんな奴にかける失神の魔法があったな。かけてやりたい。
「ちょっとぉ~何やってるのよ、こんな朝早くから……」
ゲルマ―の馬鹿声で起きてしまったエルダが、玄関横の窓からひょっこりと顔を出す。
まだ眠そうな顔をしているので、起こしてしまって可哀想だ。
「いえ、なんでもないです。あと、今日は少し森にいってこようと思っています。」
そうして、私は両親に森に行く事を伝えたが、反対された。
だが、そこは私の粘り強さと強さ(魔法)で、なんとか押しきって見せた。
更新遅くなってすいません・・・というか、もう半年くらいたっているのではないでしょうか?
まあ、それはないと思いますが、本当に申し訳ありません。
実は、家のPCが過労でぶっ壊れまして、家人にそろそろ買い換えろといっても聞かないものでして・・・・・・現在はなんと、PS4で書いているのです。
というわけで、更新が遅くなるやも知れませんが、何卒、よろしくお願いいたします。