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ラビリンスエイジ ー賢者と歩く迷宮(ラビリンス)ー  作者: BAMBOOK
1章 ー迷宮と母の影ー
6/10

第5階「創造と脱出」

「愛のプレゼント?」

「そうなのぉ」

「何で迷宮主何かが俺に愛のある贈り物をしなきゃいけないんだよ」

「それは君が直接主様に聞くべきだよぉ」

「どういう事だ?」

「質問タイムは終わりなのぉ。そろそろ戻らないとダメなのぉ」

「うっ、そうだった。いいか、今度は必ず教えてもらうからな。」

「フッフフ~ンなのぉ。」


全く、乱すだけ乱していきやがって。まだ何も分かっちゃいないのに…

まぁ、とりあえず今はココから脱出する事から始めるか。


☆★☆ ☆★☆


さっきまで光り輝いていた迷宮コアは今は淡く光っているだけで特にこれといった変化は見られない。まずは何が出来るかを確認だな。


透かしてみる。

特別何かが入っている訳では無さそうだ。淡く光っていて綺麗だ。


撫で回してみる。

別にスイッチの様なものは無さそうだ。スベスベしている。


地面に置いてみる。

暫く眺めていたが別段変化があるあるわけではなさそうだ。


コアが置けそうな場所が無いか歩き回ってみる。

見た目は広大なのに歩いてみると100m×100m程の広さしかなかった。壁にぶつかった時はめちゃくちゃ痛かった。


「ダメだ。分からん。」

「まだやってない事があるのだぁ。」

「ん?なんだ?」

「起動する時に宣言をしたんだから使用する時も宣言したらいいのかもなのだぁ」

「なるほど、やってみるか。」


「起動」

「もう起動してるのだぁ。君は馬鹿なのかぁ?」


くっ、次だ


「メニュー」

「何か注文するのかぁ?ミーはプリンがいいのだぁ。」


うぜぇ、ダメなの分かっててクスクス笑ってやがる。使用できたらコイツだけ置いていってやる。ん?使用か…


『システム表示』


ヴォン


「おぉ!何も無いところから急にタブレットみたいなのが出てきた!」

「えー、つまんないのぉ」

「知るか。んで?これで何が出来るんだ?」


▽▼▽ ▽▼▽


1.管理

2.創造

3.足跡


△▲△ △▲△


『管理』


とりあえず1番上の物から指定してみる。すると、迷宮の全体図と共に侵略者、配下、ファミリアと何か色々出てきたが白文字と灰色の文字の二種類ある。とりあえず白文字の中から何故か 1 と表示されている配下を指定してみる。


『配下』


▽▼▽ ▽▼▽


配下リスト

1.セーゾール 1匹

2.なし


△▲△ △▲△


「おい、お前配下認定されてるぞ。」

「当たり前なのぉ。じゃなきゃ侵略者認定されて今頃魔力不足でグッタリなのぉ」

「いいのかよ。主様の所にはもう戻らないのか?」

「いいのぉ。プリン食べただけで怒るようなおこりんぼスラスラは知らないのぉ。」

「そうか。居ないよりはマシだからコッチとしては有難いが…」

「大いに有難がるのぉ。ミーは君の1番配下なのぉ。」

「そういえばミーはミーって名前で登録されてないがいいのか?」

「名前というのはその生物の力なの。力は与えられるだけならウェルカムなのだけど、その分義務もあるのぉ。」

「義務?」

「代表的ななのは[守護者]なの。」

「あぁ、それを倒さないとコアを破壊できないという」

「そうなのぉ。後は[大将]とか[近衛]とか色々あるのぉ。ミーは大将だったのぉ。」

「大将ってどんな事するんだ?」

「普段は迷宮内の限られた場所でしか飛べないんだけど“迷宮戦争”の時だけ自由に飛び回れるの!」

「ん?迷宮戦争?なんか不穏な響きだな。」

「そうでもないのぉ。迷宮はある程度の大きさになって他の迷宮の陣地とぶつかるとその陣地から戦争を申し込まれるのぉ。そしてそれぞれの迷宮の入口から突撃するのぉ」

「全然そうでもなくないな。まんま戦争じゃないか。」

「戦うのは楽しいのぉ。相手の首を何連続で飛ばせるかとか競ってたのぉ。」

「思ってたセーゾールのイメージと全然違うな極端に一撃特化型だと思ってたわ。」

「他の奴らはそうなのぉ。ミー達は主様にミーって名前を貰って大将やってたから他のセーゾールより断然強いのぉ!」

「…なぁ、何か今凄いこと思いついたんだがぁ?」

「何なの?何なの?君悪い顔なのぉ。気になるのぉ」

「名前を貰って強化されたモンスターにまた名前を付けたらどうなるのか」

「!?」


まぁこれ位誰でも思いつくだろうが、これから予想される結果は3種類ある。

1つ、前の迷宮主に付けられた名前から今の迷宮主である俺がつけた名前に変わるだけ。つまり上書きだ。これなら名前を付けただけでミーの力は変わらないことになる。

2つ、力が倍増する。名前を付けて強化された状態から更に強化される。今のミーの実力が分からないが仮に2倍だとしたら単純戦闘力4倍だ。セーゾールが4体同時に攻撃したら鋼鉄の首輪をしてても首に致命傷与えられると思う。強い。

3つ、力に耐えきれず何かしらのデメリット、最悪死ぬかもしれない。強大な力には大きな代償がいると思う。1回で人生を迷宮に縛られるんだ2回目だと人生を奪われても不思議じゃない。


「まぁ、今はやらないけどな」

「何でなの!?ミーはもっと首チョンパしたいのぉ」


俺は今考えたことをミーに伝えるとミーは目を大きく広げ


「嫌なの!死ぬのは嫌なの!」

「うん、俺も今ミーを亡くすのは愚策だと思う。」

「愚策とか良策とかいう問題じゃないの!」

「えーっと次はっと」

「無視するななのぉ!」


『創造』


▽▼▽ ▽▼▽


所持LPポイント:1000


1.配下

2.建築

3.スキル

4.アイテム


△▲△ △▲△


「何か色々作れる見たいだな。何かポイントを消費して、レシピとか分布マップとかで探すとこから始める感じか?」

「多分違うと思うの、試しに作ってみるのぉ。」

「作るにしてもこのLPってのを使って色々するみたいだからな色々節約しないと。」

「ミーとお友達に成れるヤツがいいのぉ。」

「そうだな。やっぱり配下が欲しいよな。さてさて、どんなのがいるのかなぁ…。お、コイツなんかいいんじゃないか?」


『シャドゥ』


▽▼▽ ▽▼▽


シャドゥ

非実体型影属性モンスター

生体反応が乏しく標的に気付かれず近づき全身に覆い被さり捕食する。移動速度が遅く、日陰になっている場所でしか生存できない。


△▲△ △▲△


「上からセーゾール、下からシャドゥみたいな。結構良くない?」

「うーんこの草原地帯のままだと生存圏は木の木陰くらいしか無くて大変そうなのぉ」

「それもそうか、木を増やすのにもLP使うだろうし一旦却下だな」

「これはどうなのぉ?」

「コボルトかぁ。これは逆に正面切って戦う感じのヤツが来たな。一応見ておくか」


『コボルト』


▽▼▽ ▽▼▽


コボルト

実体型土属性モンスター

嗅覚が鋭く風向きによっては半径1km先のニオイも嗅ぎ分ける。仲間意識が強く群れで行動する個体が多い。犬型だが足が短く移動速度が遅い。


△▲△ △▲△


「移動速度遅いのばかりだな。コイツも視界の悪い森地形で実力を発揮するタイプだな。」

「見た目がフワフワで丸くてカワイイのぉ」

「お前も丸くてフワフワだからな」

「それとコレは全く別物なのぉ。」

「他には猿とか狼とか何か森地形でよく見かける感じのモンスターが多いいなぁ。コレも迷宮主の影響とかあるのか?」

「多分違うと思うのぉ。単なる並び順の問題だと思うのぉ。」


なるほど、下の方にスクロールしていったらマーメイドやオクトパスといった海洋系のモンスターとか出てきた。コレは相当数があるな。


「まずはこの地形にあったモンスターに当たりをつけてから探した方がいいな」

「その方が良さそうなのぉ。」

「じゃあ、そろそろ外に出る為の方法を本格的に探さなくちゃな」


『創造』『アイテム』


これも数が多いな何か脱出アイテムみたいなのは無いのか?

お、これは?


▽▼▽ ▽▼▽


転移磁針

簡易的な方位磁針。側面にあるスイッチを押した場所にマーキングがされ、内部の赤い針が常にその場所を示す。


△▲△ △▲△


何だよ、ただ方向が分かるだけかよ。転移って聞いたからてっきり任意の場所に行けるのかと思ってたのに。


「これで外に飛べると思ってたのぉ?」

「あぁ。転移磁針なんてあからさまな名前だったからもしかしてと思ったんだかな。」

「別に転移の名前に間違えは無いのぉ。転移は自分のいる場所と特定の場所を入れ替える物だから方向と距離があらかじめ分かってないと出来ないものなのぉ」

「へぇ、そうか。全く何から何まで表チャンネルの常識が通じねぇ場所だな。」

「外に出る直接的な方法はやっぱり迷宮の入口を作る以外ないと思うのぉ」

「迷宮の入口は表チャンネルに繋がっているか。迷宮から出るために入口を作るって逆転の発想が思いつかなかったな。」

「でも、1つ問題があるのぉ」

「コアが剥き出しって事か?」

「そうなのぉ。このままだと迷宮主の命は勿論配下のミーまで死んでしまうのぉ」

「死ぬのはまだ困るなぁ…」

「ミーも死ぬのはゴメンなのぉ」


辺りは何の遮蔽物もない大草原。しかも100m×100mなんていうめちゃくちゃ狭い初期迷宮の状態だ。こんな状態で迷宮コアをその辺に置いておいたら探索者に……


「なぁ。」

「何なのぉ?」

「この迷宮ってどこにあるんだ?」

「さぁ、どこって…。」


そうだ、思い返してみたら俺らは俺の部屋で迷宮に入ったんだよなとなるとこの迷宮は俺の部屋に繋がっていると考えて良い訳だ。

という事は、つまり…


「侵略者なんて気にしなくていいんじゃね?」

「そうなのぉ!リョーマは頭がいいのぉ。」

「お、初めて俺の事名前で呼んだな。」

「えへへぇ。呼んじゃったのぉ。ちょっと恥ずかしいのぉ。」

「よし!そうなったらさっさと迷宮解放して帰るか!」



リョーマが意気揚々とシステムを操作しているのを観てミーがまるで子供を優しく見守る母親の様な温かな笑みを浮かべていた。

その笑みの意味をリョーマはまだ知らない。


BAMBOOKです。

あぁ、日曜日が終わっていく。

次話更新は21時になります。

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