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ラビリンスエイジ ー賢者と歩く迷宮(ラビリンス)ー  作者: BAMBOOK
1章 ー迷宮と母の影ー
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第3階「宣言と閃光」

「どういう事だ!?いつの間に俺の部屋が迷宮に繋がったんだ?」

「ミーは知らないけどこの広さなら多分、今さっき出来たばっかの赤ちゃん迷宮なのだぁ」

「なのだぁ。ってお前なぁ。第一迷宮ならコアが無いじゃないか?」


そう迷宮にはそれぞれ大小様々の迷宮コアが存在し、それを確保または破壊をしないとセルに天災が起こると言われている。


「コアならほらニンゲンの後ろにあるのだぁ」

「後ろ?本当だあった。あったけど、小さいなぁ」

「赤ちゃんだから当たり前なのだぁ。ニンゲンはそんな事も知らないのかぁ?それよりも主様はどこなのだぁ?」

「主様?そうだ!?ここが迷宮なら迷宮主がいるはずだ。どこだ?!」


慌てて辺りを見渡すがそれらしい影は全く見えない。ここにいるのは俺とこのよく喋るフクロウ、あと迷宮コアだけだ。


「いないみたいなのだぁ。それじゃあミーかニンゲン、どっちかが迷宮主になるのだぁ」

「俺が迷宮主になるのかよ!?何だその杜撰な管理」

「杜撰なとか知ったこっちゃないのだぁ。そういうものなのだからしょうがないのだぁ」

「しょうがないのだぁとかそんな軽い問題じゃないだろ。このコアが起動したらコアを破壊しない限り天災が俺の寮を襲う事になるんだぞ?…よし、破壊しよう。」

「止めるのだぁ。折角ミーの隠れ家が出来たのに勿体無いのだぁ。」

「でも、俺は俺の寮が毎日雷雨や地震に襲われるなんてまっぴらゴメンだぞ?」

「そこは多分設定次第だと思うのだぁ」

「そんな迷宮主の操作一つで出来るものなのか!?」

「さっきからうるさいのだぁ。男は寡黙な方がメスにモテるってスラスラが言ってたぞぉ」

「…。」


そうだな、ギャアギャア騒いでも状況は変わらん。よし、現状を整理しよう。俺は大きく深呼吸し、1度指を鳴らしいつもシミュレーションする時のような集中状態に入る。


場所は迷宮内、階層は不明。現在、迷宮主・モンスター・罠の類いは感知出来ない。脱出経路も不明。このフクロウも現在正体不明。鳥が喋る原理も不明。足元には3cm程の正八面体の迷宮コアが転がっている。コアは起動した者が迷宮主になる。コア起動による天災発動はおそらく調整可能。後は…


「なぁ、迷宮主になったらココから脱出出来るのか?」

「ミーは知らないけど地形から罠まで何でも作れる迷宮主様ならヨユーだと思うのだぁ」

「確定では無いがまぁ自分の迷宮から出られない迷宮主ってのもいないだろうしな。」


しかし、現在表チャンネルに迷宮主が現れたという自体は聞いたことが無いし、もしかしたら気軽には来れないのかもな。


「ま、ビビっててもしゃーねぇとりあえずやってみるか。」

「やっと決断したのだぁ。優柔不断なオスはメスに嫌われるってスラスラが言ってたのだぁ。」

「スラスラってヤツは相当経験積んでるんだろうな。今度からスラ先輩って呼ぶことにしよう。」


くだらない事を言ってるのも恐らく人間で初めての迷宮主という肩書きに対する恐怖の裏返しだろう。

意を決したリョーマは自らの足元にあるコアを指先で触れ何も起こらないのを確認すると慎重にコアを拾う。


「とりあえず何も起こらないな」

「自分が迷宮主だと宣言してみればどうなのぉ?」

「宣言ってなんだよ。えー、俺が迷宮主だ。」


しーん


「『俺が』の部分がダメなのぉ。しっかり名乗らなきゃ正式な儀式として認められないのぉ」

「よく知ってるな。もう、ミーが迷宮主やればいいんじゃねーの?」

「ミーはミーなのぉ。他の何ものでもないのぉ」

「妙に哲学的な梟だな。まぁそんなにやりたくなきゃ俺がやるしかないか。」


俺はまた集中するため大きく深呼吸し、右手で1度指を鳴らす。


『この俺、ヴォルト・リョーマがこの迷宮の迷宮主であると此処に宣言する。』



リョーマの最後の文言と共に激しい紫電を撒き散らしながら高速に震え始めたコア、妖しく光る閃光は謎に塗れた白き空間を塗り替えるように広がっていった


BAMBOOKです。

初投稿SPこれにて終了です。次の投稿は明日になります。

時間は21時になると思うので皆さん読んでみてください。

皆さんの評価、感想お待ちしてます。

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