第2階「リョーマとおしゃべりフクロウ」
よし、気を取り直してシミュレーションの続きやろうか。
「6人パーティーで構成は前衛2人、遊撃・斥候・後衛・支援それぞれ1人ずつ、現在第4階層次の安全階層は6階、斥候が戦闘不能なため高度な罠の見極めは困難、治癒師の治癒回数は残り後僅か。さて、この状況どうしようか。」
シミュレーションに取り掛かろうとしたその時、フィギュアに手を伸ばしていた俺の前を何かが通る。
ドシャッ
飛んで来たものは…手のひらサイズほどの梟だった。
「何だこいつ?なんかヌルヌルだし大分弱ってやがる。とりあえず手当てしなきゃ死んじまうな。」
持ってきていた荷物の中から洗面器とタオルを持って水を汲もうと立ち上がろうとした時
(ち、力が抜けるぅぅう)
「喋った!?」
いや違うな、もっとこう、何かで直接鼓膜を揺らされてる様なそんな変な感覚だった。
(し、死ぬぅ。死んじゃうぅぅ)
なんだこいつ。って、この声の考察をしてる場合じゃ無いな早く手当てやらないとな。
☆★☆ ☆★☆
「おーい、大丈夫かー?」
(魔力が抜けるぅ。た、助けてなのだぁ)
助けてって言われても迷宮じゃあるまいし魔力なんて扱える訳無いだろ。どうすっか、そうだ確か、俺がヤマトさんに拾われた時一緒にあったって言うペンダント。あれは一応迷宮で見つかった奴だから魔力あるかも。
「という事で見つけたけど何年前の奴だよ。とっくに魔力保有期間過ぎてるだろ。って、おわっ!?」
ペンダントを梟に近づけた途端ペンダントが扉が開く様に開き眩い光が辺りを包んだ。
☆★☆ ☆★☆
目を開けると360度全部が白く、まるで空中浮遊でもしてるかのようで方向感覚が狂わされているようだ。
「何だここは、なんも見えん。」
「暖かいのだぁ。ミーは助かったのかぁ?」
足元にはあの梟が羽を広げ欠伸をする様に大きく開く。
「お、声が普通に聞こえる。おい、お前は何なんだ?」
「へっ……?」
「……。」
「おわわああああわあニンゲン!?」
「何だうるさいな」
「ニンゲンが何でいるんだぁ?!」
「お前が窓から飛んで来たんだろうが、覚えてないのか?」
「覚えるのだぁ。ミーがスラスラのオヤツを食べちゃったらぁスラスラの奴、体表の色が変わる程激怒しちゃってぇ殴り飛ばちゃったのだぁ」
「それは、お前の自業自得だな。」
「違うのだぁ。アイツがマーキングして無かったのが悪いのだぁ。ミーは悪くないのだぁ。」
「それは知ったこっちゃ無いが。おい、お前はココが」
「お前じゃないのだぁ。ミーはミーなのだぁ。」
「じゃあ、ミーはココがどこか知ってるのか?」
「知ってるのだぁ。ここは迷宮の中なのだぁ」
「はぁ!?迷宮の中!?」
BAMBOOKです。
初投稿SP第2弾です。次の投稿は22時になります。
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