純歪電子ネットワーク
黒の住むY市には、地域専用のコミュニティーサイトのようなものが存在する。基本的には、近所のスーパーマーケットのセールの宣伝や、犯罪防止のネットワーク形成、子供会やボランティアの告知などが、行われている。
『わいわいねっと』と呼ばれるそのサイトの一番右下-freelainとかかれた項目を、クリックする。
すぐに『Login』という文字が表示される。
さらにクリックして進めると、すでにSNS上では、電子を媒体とした会話が展開だれていた。
冥冥【やっぱりあれですよ、あれ! 正体不明の亡国の暗殺者とかですよ!】
クドー【えっー!? オレは違うなぁ、もっとさ、非現実的な感じでさ、】
冥冥【普通に非現実的ですって!】
クドー【そうでもないですよ! UFOとかの方が、近くありません?】
いちか【普通に非現実的っていうのは、違う気がします。】
クドー【流岩ぁ!】
黒もすぐに文字を打ち込んでいく。
96【今入りました!】
冥冥【どうもっす!】
クドー【やっほー、遅かったですね~】
96【しゃーせん】
いちか【今晩は。あと、クドーさん、さすがの漢字が違います。】
クドー【あれ、そうだっけ?】
冥冥【それ、今打とうと思ってましたです!!】
96【流石←ですよね笑】
冥冥【そうそう】
クドー【ほんとにわかってたんスカ、冥冥さんよぉ】
冥冥【常識かと思います。】
96【何の話してたんですかー】
クドー【うわ。うぜえ】
いちか【超常現象とからしいです。】
冥冥【違いますよぉ、都会のミステリーヒステリーなのです!】
クドー【そういうの定番っすよねw】
96【そうなの?】
いちか【どういう定番ですか?】
冥冥【真面目に考えては駄目なのです!】
クドー【テレビでやってたんですよー、わいわいねっとでも、たまにありますよ?】
96【あー、何か怪しげな写真がアップされてたり、、】
いちか【合成です。】
冥冥【ちょっとちょっとぉ、二人ともファンタジーを夢見る心とかないんですかあ?】
96【まあ、否定はしない】
クドー【俺は信じますよ、でもどうせなら、絶対に有り得ないっていう、そういうのがイインダヨねー】
いちか【宇宙人とかですか。ゴジラとか?】
クドー【それそれ!】
96【それはもはや、ヒステリーではないと思うんですが】
冥冥【そうですそうです! 亡国の暗殺者の方が有り得ますよ!】
いちか【でも、亡国っていうと、昔すぎる話になってしまいますよ。】
96【アトランティスとかね】
冥冥【むぅ】
96【何故膨れる笑】
冥冥【デモデモ! 暗殺者といえば、男子トイレの殺人じけん!】
クドー【ああ、結構広まってますよねー】
96【それ、今朝も誰かさんが言ってましたねw】
冥冥【えー、何のことですかぁ?】
いちか【そんなに有名ですか?】
クドー【けっこー、えぐい殺され方してたらしいよ】
いちか【恐いです。】
冥冥【ねえ、何のことですかああああああ!】
96【すみません、何でもありません】
その時、スマートフォンの方にメールが来た。
黒は、一旦SNSを離れて、メールを確認する。セナからだった。