表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エイトの幾何学  作者: 洩
2/5

三人

 彼女は一瞬、耳を疑った感じで、は? と、一言吐き出した。

「だからさ、鑑七瀬っていうんだけどさ」

「かがみ、ななせ・・・?」

 確かに、少女の名前は鑑イチカといった。

 鑑、七瀬。

「ははっ、まさか知り合いとかっ?」

 ホントにまさかねえ。

 黙りこくった少女に、セナがねちねちとした言葉を紡ぐ。

「やめなよセナ。不謹慎だ」

 その時、顔を引き攣らせて一人の少年が、二人の間にわってはいる。

「黒かよ」

 セナはばつが悪そうな顔で黙り込み、変わりに黒という少年は微笑を浮かべた。彼は、セナとほぼ同じ体格か、それより更に痩身の少年で、温和な顔立ちが印象的だった。

「イチカも、セナの言うことをいちいち真に受けなくて大丈夫だよ」

「フフ。平気だよ、真に受けてなんかないから」

 イチカの言葉に、セナが口を尖らせる。 

「お前ら、ひでえ。最低だぜ」

「最低なのはセナでしょ」

 黒が言い返し、セナと黒の二人はじゃれあうように、昨晩のドラマの話を始めた。

 イチカはそれを、黙って眺めている。

 昔は、彼女その輪の中に入って行けたのだが、今はそう簡単にはいかない。

 男女の壁って、くだらないけど酷く分厚い。二人といると、立ち止まって、その壁を乗り越えられないことを再確認している気分になる。

 イチカは自虐的な笑みを浮かべた。

 あたしって、なんて、何でもない存在なんだろう。

どうでもいいですが、個人的には推理小説と冒険ものが好きです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ