始まりの厄介事
遅くなりましたが楽しんでください。
扉の向こうは見たことのない世界だった。そう、決して元いた世界では味わうことのできない感動があった。そして、扉は僕に言った。
「この世界は汝が欲する物有り。されど、元の居場所へは帰れぬ……これ、汝の運命なり。」
とっくに覚悟なんて決まってる。
「分かってるさ……だから、一人にさせてくれ」
扉はそれからしばらく姿を見せなかった。
ーー逃走終了から数分後
「何で私を助けたの?」
誤解を解くというのは大変なものだ。しかも、彼女に壁ドン状態で聞かれているのだ。とまあ、先程追跡者を一蹴した後からこの調子で聞いてきている。だが、こちらも「偶然助けた」体なので男のプライドとして、口が裂けても本当のことは言えない。ということで、彼女の質問に対して曖昧に答えるしかないのだ。そしてそれは、彼女の求める答えとは違うので、また質問され……と、この会話をループし続けているのだ。
20回ほどループしたところで質問攻めが終わった。僕もさすがに飽きてきた頃だった。やった! と叫びたかった。
異変に気付くまでは
「な、なんだ? こいつらは……」
先程までは何も無かったはずの道路の先が黒くなっていた。なら良いのだが、どう見ても道路の先が動いている。そして、それはこちらへ向かってきた。見ただけで十体はいる。その一体一体の姿は2メートルはあり、マッチョに似ていなくもないフォルム、色は夜をイメージさせる黒色で統一されていた。そして、一番の異質な点は
「こいつら、ロボットか……いや、裸の男!?」
よく見るとそいつらは胸の筋肉を動かしている。テレビならともかく、こういう状態で見ることになると……気持ち悪い。ある男が話しかけてきた。
「掛石あすかと……倉本愛華だな?」
僕は肯定した。すると、
「……目標確認、と同時に先程の戦闘データも確認。ーーよって、総帥の権限の下、crycrycry作戦を発動させる。」
このときの僕には面倒事に巻き込まれたということしか分からなかった。
何か色々と崩れてる気がしています。……作品がですよ?