上
長く更新ができなかったので、リハビリをかねて。
元々短編にしようと思っていたので、全く長くないです。
なかなかまとまらなかったので、取り敢えずわけてみました。
えー……あらすじのはっちゃけ具合は影も形もありません。
タグ通り、はっちゃけレベル低、でお送りしております。
あるところに、とても美しいお姫様がいましたーーー
こんな風に始まる物語なんて、つまらないと思わない?
だって、彼女たちは幸せになるのだから。
その過程には確かに多くの困難があるけれど、彼女たちは幸せになれる。
そしてね、彼女たちが幸せになれるのは、誰のおかげかって考えたこと、ある?
え、何が言いたいのかって?
だからね、こんな話があっても良いと思うのよ。
お姫様たちを幸せした、魔女の話。
棘に刺されて死ぬという呪いをかけたり。
蛙になる呪いをかけたり。
7人の兄弟を水仙に変えたり。
姿を野獣に変えたり。
聞いたこと、あるでしょう?
あの、呪い好きと噂される魔女の、真実の話。
哀れな、魔女の話。
――――――――――――――――――――
魔女はね、生まれたときから、とても強い魔力を持っていたの。
そのために生まれてすぐに、とても力のある魔女ーーややこしいから、師匠と呼ぶことにしましょうかーーの所に連れていかれ、そこで魔法の勉強をしながら育てられたの。
育ての親である師匠の名誉の為に言っておくけれど、別に魔女は連れ去られたわけではないのよ。
強すぎる力を持つがゆえに、力を持たぬ人間として生きられない魔女を、師匠が引き取ったの。
強い魔力を持つものは、人間よりも遥かに永い時を生きることになるから。
師匠は、先程も言ったけれど、とても力が強く、大いなる力を持っていたの。
彼女はあらゆる魔法を使いこなし、色々な問題を解決し、多くの人を救っていたわ。
………まあ、それと同時に色々な問題を引き起こしてもいたようだけれど。
話を戻しましょうか。
魔女は、そんな師匠に強い憧れを抱いていたの。
いつか師匠のようになりたいと、そう思い、願い、そして努力をした。
けれど、魔女の努力は実らなかった。
魔女は、どうあがいても師匠のようになることは出来なかったの。
なぜなら。
彼女の力は、呪いをかけることに、特化していたから。
それは、魔女にとって絶望でしかなかったわ。
師匠のように、人々の助けになりたいと、そう思っていたのに。
魔女に出来ることは、人々を苦しめることだったのだから。