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In the virtual  作者: 瑠華
3/4

優しい人

3話目です。

晴輝が向かった場所は草原のど真ん中だった。

そこにはなにもなかった。

「このへんかな?」

晴輝は開いたままの地図を見ながらそう言った。

「えっと・・・確か・・・」

シャッシャッ

晴輝は何もない草原の上で手を動かした。

すると、静かに扉が現れた。

「よし!」

晴輝はうれしそうに笑うと次の行動をはじめた。

「えっと・・・目的地は・・・」

次はメニューの『行き先指定』というところを指でタッチした。

その中の『大広場』というところをタッチ。

完了を押すと、晴輝は扉に向かってそれをかざす。

扉は光った。

その中に迷わず晴輝入って行った。



出てきたところはただただ広い広場だった。

そこはシーンと静まり返っていた。

「あ、あれ?」

晴輝はそう言いながらメニューの上に小さく表示されているデジタル時計を見た。

時刻は昼の2時48分。

今日は日曜日。

「だいたいこんな日ってみんなやってるよね・・・」

なんで誰もいないんだろう?という疑問を抱えたまま晴輝はメニューをいじった。

「うーん・・・」

その疑問がなくなるのにそう時間はかからなかった。

メニューの現在地。

よく見てみるとそこには、

「ん?あぁ!!!」

『オフライン大広場』と書いてあった。

「オ、オフライン!?なんでもっと早くきづかなっかったんだろう・・・」

疑問が解消されたことと同時にその疑問の原因が自分にあったことを知った晴輝はなんとも複雑な気持ちだった。

うれしさと悲しさが入り混じったような・・・

「じゃあ、次はちゃんと行くよ!」

気合いを入れなおしていざ出発。

今度はメニューの『行き先指定』を何度も確認した。

今度はちゃんと『オンライン大広場』になっている。

晴輝はそれから先ほどと同じようにした。

そしてまたためらうことなく扉に飛び込んで行った。



今度出たところはまたまた広い広場だった。

さっきと違うのは人がたくさんいるところだろうか。

それ以外はまったく同じだった。

晴輝はなんか不思議だなぁと思いながらその光景を見ていた。

少しの間ぼーっとしていたが、目が覚めたように首をぶんぶん振った。

「何ぼーっとしてんだ、僕!

 ここに来た目的を忘れかけてたよ。」

晴輝がここに来た理由はただ一つ。

帰るための手がかり探しだ。

「まぁこれだけ人がいればなんとか・・・なるかな?」

最後にクエスチョンマークがついたのは、自分がもしゲームをやってるとしたどうだろうと思ったからだ。

多分自分ならゲームの世界に入っちゃいましたとか言われても、何こいつ?ゲームしすぎで頭おかしくなっちゃったんじゃないの?とか思って無視すると思ったからだ。

「聞き方も考えないといけないよね・・・」

改めて考えてみると何も浮かばない。

一人で唸っていると、騎士の格好をした青年(ゲーム内で)が声を掛けてくれた。

「どうかしたんですか?」

優しく声をを掛けてくれたものだから、晴輝は泣きそうになってしまった。

「いや、ちょっと・・・」

つい、ポロっと言ってしまった。

ゲームの世界に入ってしまったと。

言った後やってしまった感しか残らなかった。

(絶対バカにされる。)

もういいや、と思いかけたときだった。

その青年は想像とは全く違う優しい言葉を掛けてくれた。

「それは大変だな。

 話聞くよ?」

晴輝は泣いた。

その後話してわかったことがあった。

その青年の名前ハンドルネームは優で

晴輝よりは少し年上の大学生だということが。

そして最後に優しい人だということが。

「協力するよ!」

って言ってくれた。

晴輝にとってそれがどれほどうれしかったか。

「ありがとう!」

って何度も言った。

それだけじゃ感謝しきれないほどだと晴輝は思った。






今回は結構書きました。

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