表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕のふざけた思い出  作者: めっちゃええ感じ
第一章「炎による、征服!?なんて暑いんだよ〜こんなの暑くて干物も干からびそ〜!全てはここから始まり終わったのだ!」
8/30

第八話「洞窟で迷子わぁ大変! 前編」

朝──。


朝日が眩しい。

そして五分の目の前には、いつも通りのメンツ。


…なのに、なぜか旅館の朝食がなかったことに全員が荒れていた。


「旅館の朝食って、世界遺産じゃなかったんですか!?」



そう叫ぶクリチーは、顔を真っ赤にしておにぎりを頬張っている。なぜか外で。


「旅館関係ないよね?!」



さくらが冷静にツッコミながらも、コンビニおにぎりを持ってるのがもう悲しい。


「てか、五分。なんで女湯ののれん持ってんの?」


「えっ、あっ、これは、あの、テヘ」


「テヘじゃねえわ!!」



昨日の“事件”の名残を引きずりながら、三人は出発していた。



そして、数時間後。



「…あれ? これ、道あってる?」



広大な山道を抜けた先に、巨大な洞窟の入り口が口を開けていた。



「ちょっと待って!この道、地図じゃ“Bルート:めちゃくちゃ暗い、たまに落とし穴あり”って書いてるんだけど!?」 


「選びたくなさランキング堂々の1位やん!」



「でも他のルート、“Cルート:通ったら死ぬ”って書いてるよ…」



「Cルートどうなってんだよ!!!」


ボケとツッコミの応酬の中で、地図には小さく『※Aルートは現在工事中』と記されていた。どこに工事が入ってんだよ。


「よーし!じゃあ私が“クリチー探検隊”の隊長として突撃しまーす!」


「勝手に隊結成すな」



「え、五分は“クリチー探検隊”の副隊長でさくらは馬係な!」



「なんで私だけ職種ちがうの!?」


クリチーが先陣を切って洞窟に突撃していく。仕方なく、五分とさくらもその後を追った。



──1時間後。


 


「……はい、完全に迷子です!!」



「これフラグ回収の速度ギネス乗るぞ!!」



「僕、今なら“右手を壁に当て続ければ迷わない”って言った人に正座させて説教できる…!」


道はどこまでも同じような岩肌。

電波もない。

頼れるのは己の直感と、ギャグ補正だけ。


「誰かGPSついてないの?さくらとかGPS内蔵されてそうじゃん」


「私は機械生命体じゃねぇ!!」


そのとき、突如前方から「ヌメェ…」という不気味な音。


「スライムだああああ!!」



「なんでこんなRPG的敵が実在すんの!?この物語世界観どうなってるの?!」



スライムの大群が洞窟内をうねうねと迫ってくる。

逃げ走りながらさくらが叫ぶ


「五分、どうする!?」


「とりあえず叫んでおこう!!」


「戦えやーっ!!」


何とか岩陰に隠れてやり過ごす三人。が、今度は天井からコウモリの群れが── 


「今度は吸血コウモリ!?ステージ変わるの早すぎじゃない!?」


「展開がサ●エさん家くらい急!」



「しかもあいつら、五分の髪に群がってる!」


「うわあああ!やめろ、僕の髪があーっ!!」



パニックの中、三人はさらに奥へと逃げる。


そしてついに、疲れ果てて座り込む。



「ねぇ……なんで旅してるだけで、精神的ダメージがこんなに…」



「五分が女湯で犯罪起こしたバチが当たったんだよ」



「だから誤解だって?!」



そのとき、うっすらと奥の方に光が差していた。

三人に希望の灯火が照らされた。


「……あれ、なんか明るくない?」



「やったー出られる!もうコウモリも岩もみたくない!」


三人は光に向かって走り出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ