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僕のふざけた思い出  作者: めっちゃええ感じ
第一章「始まりの物語編」
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第五話「果てしなき物語へ」

桜の木の影が心地よく揺れる朝、さくらの家のリビングで、五分はブランケットにくるまっていた。

全身ボロボロ、傷はなんとか手当てされたが、心のダメージはまだ癒えていない。


「……無理。絶対無理!炎王の本拠地に乗り込むとか、人生で一番やっちゃいけないやつだよ」


包帯ぐるぐる巻きのまま、五分はソファに沈んでいた。

その隣でさくらとクリチーが、少し呆れた顔で見つめてくる。


「何言ってるの、五分も行くのよ」


「うんうん、ここで逃げたらヒーロー失格だよ?」


「いや、そもそも僕ヒーローじゃないし!“ちょっと可愛い高校生(自称)”だし!」


五分がジタバタすると、ブランケットが床にずるりと落ちた。


「ていうか本拠地の場所知らないでしょ?もうこの作戦は最初から破綻してるんだって!!勢いとノリで行く系主人公じゃないからね?」



「そういえば……確かに場所わかんないね……」


さくらが少し考え込む。


「うーん、とりあえず外に行ってみよう」


「そのノリで旅に出て世界救ったやつ、実在すんの!?!?」




──ということで、なぜか三人は広場に集まっていた。


朝の光がまぶしく、通りには人影もまばらだ。

が、しかし──



「あれ……?」


五分が目をこすって二度見する。


広場の端、ベンチの前に立っていたのは……

少女Aちゃん。そして──


「犬……じゃない!?え、少女Aが連れてる、あれは……まさか……!」


一同は叫ぶ


『TA NA KA さん?!』


そう、少女Aちゃんは田中さんを“お散歩”中だったのだ。


「なにこの絵面!?田中さん、通報される前にやめて!!」


「ふむ、確実にそういう"プレイ"ですな」


「誤解招くからやめて?!」


クリチーとさくらが言い合っていると少女Aちゃんが挨拶をする。

 

「ふふふ、おはようございます!皆さん」


少女Aちゃんが無邪気に笑うと、胸ポケットからなにかを取り出した。


「さっきね、これ落ちてたの。田中さんが、さくらさん達に必要だって言ってたから渡そうと思って」


何やら地図らしきパンフレット(?)を渡す。


「これって……」


クリチーが少女Aの手から受け取る。


それは、『★炎王の本拠地MAPへ行こう!楽しいしおり 1975年12月21日★』と書かれた年代物の地図だった。しかも本格的、封筒入り。


 

「いつの時代だよ?!てかセンス悪!!」


さくらが思わずツッコミ魂を解放してしまう。



閑話休題。


「……こんな異物、どこで拾ったの?」


「ゴミ捨て場の近くで。ふわ~って飛んできたのを田中さんが、拾ってくれて……」


「そんな重要アイテム、そんな軽率に流れてくるなよ!!!てか田中さんご都合すぎでしょ!?」


さくらが盛大にズッコケた。


「なんだよこれ、物語への乱入が雑すぎるよ…」


「まあまあ、結果オーライってやつだね」


田中さんが爽やかに笑って、少女Aちゃんとそのまま去っていく。

──五分が呟く。

 

「さくら、なんであの人いつもこうやって絶妙に関わってくんの?」


「うーん……ちょうどいい駒だったんじゃない?」


そんなこんなで、なんやかんやと地図を手に入れた三人は、ついに決意を固める。


「じゃあ……行こうか。炎王の本拠地へ!」


 

『うん!』



「まって、まだ僕の心の準備が──」



「いっけー!」



「ひどい、置いてかれたぁぁぁ!」



──こうして、ゆかいな三人組は、炎王の本拠地への冒険へと出発する!


「俺たちの冒険はここからだーッ!」


もうそのネタええわ!!

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