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僕のふざけた思い出  作者: めっちゃええ感じ
第一章「始まりの物語編」
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第四話「干物とプリンと決意」

──五分が目を覚ましたのは、ふわりと優しい布団の中だった。


 


「……うう……この枕……いい匂い……グヘヘ」


 


「──私のだけど?」


 


「……やっぱ前言撤回で」


目の前にはエプロン姿のさくらが、立っていた。 意外と似合う。

五分の横では、湯気を立てるおかゆとお茶。完璧な看病セット。


「本当に心配したわ、あなた倒れてたのよ、猫に囲こまれて。」



「うん、確かにそれは別の意味で心配」


さくらが一言呟く。


「あんな所で何してたのよ?」


「うぅ、なんだか黒の組織と戦ってた気がする……」


「“気がする”ってなによ……また妄想バトル?最近のラノベ読みすぎじゃない?」


「妄想じゃなくてリアル修羅場だったんだって!!」


五分がバタバタと布団をめくって起き上がると、同時にインターホンが鳴る。


ピンポーン!


 


「こんにちはー!ボロボロの五分が収穫されたって聞いて来ましたー!」


「“収穫”って何!?」


登場したのは、陽気なクリチー。手にはお見舞いのプリンと謎の干物♪


「え、どっちが本命?」


 


「干物だね。プリンはついで」


 


「……そっちかよ」


閑話休題。



三人がちゃぶ台を囲むと、さくらが改まって口を開いた。


「それで……本当に何があったの?どうしてあんなにボロボロで倒れてたの?」


クリチーも神妙な顔で頷く。


「もしかして……新種のナメクジと戦ってたとか……」


「僕を何だと思ってるの!?」



少しの沈黙のあと、五分は淡々と炎王の計画やこの目で見たことを全て話した。 


────クリチーが深刻そうに話す。


「うわ……それ絶対プリンの賞味期限も飛ぶやつじゃん……」


「いや、まずそこ!?疑ったりしないの?!」


さくらは華麗にツッコミを入れとクリチーが優しく微笑みながら話す。


「うん、だって五分が今更嘘をつくと思わないからね」


五分が疑問する。


「?」


「なんでもないよー♪」


二人をチラチラ見ながら、さくらは言う。


「とりあえず警察に通報して、大人の人たちに任せましょう」 


スマホを取り、電話する。


──通報後──


「……全く相手にされなかった……“また、五分くんか”って言われた……」


「まるで常連じゃないの」


「通報マニアだからね!」



しん……と静まる部屋。

だが次の瞬間、クリチーが手を叩いて立ち上がった!


「じゃあ、私たちでその炎王とやらの計画を阻止しよう!」


 

「えっ!?ちょっと待って、いきなり行動派すぎない!?」


「まぁどーせ干物になるなら、行動してから干物になろう!」


「いや、干物前提かよ………」


桜が渋々苦笑する。

そんなこんなで、3人の前には、運命の選択肢が現れる。

戦うか、逃げるか。未来か、干物か!


「えっ?僕の意見は……?!」



「よーし!じゃあ明日、出撃準備だね!」


「え、明日なの!?心の準備って概念どこいった!?」



「あと五分、干物持ってく?」


「いらへんわ!!」



こうして、炎王の陰謀を阻止すべく、

存在否定される五分、やたらノリノリなクリチー、そして頼れる幼なじみさくらこの3人は──


運命の炎に、一歩足を踏み出した。


「俺達の冒険はここからだーッ!」

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