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11-1 Mとの接触

 2031年7月19日。Mは3連休のうちの1日を空けてくれたとのことで、Mと実際にコンタクトを取ることに成功した(駅前のスターバックスで待ち合わせ)。待ち合わせ場所に向かうと、Mが立っていた。比較的フォーマルではあるがスーツではない服装だった。175cmくらいの身長で、首にかけるタイプのカバンを背負っている男性だった。


 僕の現在のTwitterのアイコンは自撮りの無加工な写真なので、向こうは僕を特に難なく見つけることができたようだ。僕たちは店舗の中へと入っていった。僕はアイスコーヒーのトールサイズを頼んだ。彼も同じコーヒーが飲みたいようだった。僕は、彼の分も含めてコーヒー代を出した。


「ありがとうございます」


 Mはそう言ってコーヒーを受け取ってくれた。端の方のテーブル席に座る。


「最近蒸し暑くなってきましたね」


 僕は話す。Mも昔から暑いのが苦手なようで、最近大変だと話してくれた。


 たわいもない話をした後、いくつか気になっていたことを1つずつ聞いていく。スマートフォンでメモを取りながら彼の話を聞いた。


「まず最初の質問ですが、どうして高校のクラスメイトはあの記事を読んで、実際にMだと判断できたのでしょうか?」


 彼は答える。


「実は元同じ部活だった友人には城平の町に行った話をLINEでしていたんですよね、それで覚えてくれてたらしくて。スレッドを建てたって話もしたので、それを覚えてくれていたんだと思っています。よく覚えてるなとは思いましたけどね」


 自分はメモをとった。その友人は関東の大学院を卒業後、地元に戻ったとのことだった。10年近く前のスレを覚えていると聞くとリアルに感じてしまう。


「当時のLINEって残ってます?」

「残ってるかな、少し確認させてください」


 そう言って彼はスマートフォンを操作した。


「ありました!」


 個人情報のため詳細は伏せるが、確かに2022年10月にLINEの仲良い友人グループでそう言った内容について会話していた。友人グループは5名で、2019年から存在しているらしい。もう12年以上になるがいまだに仲がいいとのことだ。


「これがこの時の事故した時のやつだ」


 そう言って彼はトークを見せてくれた。確かに、2022年に交通事故があって意識不明という記述が残されていた。1週間後無事意識を取り戻したという内容も記されていた。自分は彼をほぼ確実にあのスレッドを建てた人であると確信していた。


「なるほど、ありがとうございます」


 自分はメモを取った。彼はコーヒーを飲みながら、自分がメモを取り終わるのを待ってくれた。


「次の質問よろしいでしょうか」


 彼は、わかりました、と答えた。質問リストを参照し、気になることから順番に聞いていくことにした。


「私とあなた以外の第三者の経験談についてどう思いますか? 単に創作だと思うか、他の人も同じ体験をしていると思うか、という意図です」


 彼は間を開けて答える。


「そうですね。いくつか話読みましたが、明らかにおかしいこと書いてるな、ってのは創作だと思いますが、実際に体験してそうだなってのもありますね」

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