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8-8 思い出


「またあっちの世界に行ったりしてね」


 ゆーまはそう言った。戻れるならいいのだが、その保証がない状態は辛い。


「まあ、気楽にね」


 自分はそう言った。話したいことも大体話せたし、ゆーまもバイトの場所までに早めについておきたいようだ。自分は、ゆーまにじゃあね、と伝えて、家まで帰ることにした。


 今思い返すと、自分が記憶にある「ゆーま」と似ているような気がしなくもない。2年半以上あっていないのであまり覚えていなかったこともある。その一方で、あまり似ていない気もする。


 もう1回転移できるのであれば1回女子になってみたい。ゆーまは体に違和感はなかったと言っていたので、自分も違和感がなかったとするとなんとかなるのだろうとも思う。


 僕はそんなことを考えながら家へとついた。そして、DMで「ありがとうございました」と伝えた。向こうからは、こちらこそありがとうございました、と帰ってきた。


 僕は今日あったことをメモに書いた。ゆーまの実在も確認できたし、引き出しの中にしまっておいた7章の文章ももう必要ないだろう。


 結局宮城県の同姓同名の人は本当に同姓同名だったようだ。自分は、引き出しの中を再び整理することにした。


 昔、自分は「すぐに忘れてしまう気がしていた」と言っていた。当時の自分が何を思ってそれを書いたのかはわからない。僕は今でもはっきりと覚えている。決して忘れることはできないだろう。


 僕はそう思ったが、あえて文章は破棄しないことにした。


 ゆーまの話し方が記憶と変わっていなかったことに対して、自分は本当に同一人物なんだろうなと信頼できている。こちらの外見は変わっていなかったので、向こうはこっちを同一人物だと確信できていただろう。幼稚園に関しては本当に覚えていないものだなと思う。


 自分は昔書いた文章を読み返しながら、あの日々を思い出していた。四国の男性については気になるところだ。いつかコンタクトを取りたい。自分はそう思っていた。

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