暈(カサ)
単発投稿です、だいぶ自由詩になっちゃってます。
子供の頃私が見ていた風景は
そんなに明るくはありませんでした
朝登校する時や上級生と一緒に下校する際も
絶えずあのどんよりとした暗雲を
私は見つめていました
最初は熱があるのだと思い
自然になくなるものだと考え
しかし異常に目頭が熱く感じたのを
私はいまだに覚えています
今思えば
その経験は当時の自分にとって
唯生きることの理由を携えた
ひとつの暈だったようにも思えます
今でも自分が間違っているのか
あらゆる分別がつかぬとき
私はそれをありありと
あのリングを思い出すのです。
しかし畢竟、私の弱い心はそれを望みませんでした。
いまでは目の前でおこる事象や風景に
澄光が正しく私の虹彩を射し
以前よりとても綺麗になりました
確かに私があの時見た暈は
気の病むほど、しかし痺れていた
絶好の光彩陸離であったため
その姿を十数年後に望まむ
16bitの記憶の中から
特定を復元せしめようと
再三再四仰いで手に入れたかったそれは
もはやなんの役にもない
ただの夕陽だけでした
僕のまだまだ拙い詩をお手元にとっていただき、本当にありがとうございます。意見や指摘、批判など頂けるならば、つまみを片手に喜びます。
あの頃見ていた景色はとても鮮やかすぎて気持ち悪い程でした。一緒に登校していた近所の高学年達や土手沿いの葉桜と木漏れ日、無機質な勉強机、自作みかんアイスやマシュマロが嫌いだったことなどなど、一つ一つ思い出しながら書いていました。なんであんなことも忘れてしまってたんだろうなぁ、と思うこともしばしばなのに良くない思い出に限って最後まで記憶に残っているのは何故でしょう。
又何か書きたいなという思いはあって、なるべく期待に応えられるよう自分なりに考えてみるつもりです。