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一面の雪

「アリスおはよう」

「おはよう、ハース。雪がきれいね」

 朝起きると、雪が一面に積もっていた。ハースはその中を雪を踏みしめてやって来たらしい。足跡が続いている。


「そうだね。雪でアリスを好きだって表現しようと思ったんだけど、やっぱりやめたよ」

 ハースが冷たくなった手で、アリスの手に触れる。

 アリスが気恥ずかしくなってうつむく。


「どうしてって、聞いてくれないの?」

「……そんなこと聞かなくても、知っているもの」

 アリスの鼻だけではなく、耳も赤くなる。

「そうかな? 俺のアリスへの気持ちが雪みたいに溶けてなくならないって、理解してる?」

 アリスの顔が真っ赤になる。


「理解してるわ」

 ハースが、満足そうに頷いた。

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