表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/49

アリスの誕生日の前日

「みんなにお願いしたいことがある」

 教壇に立ったのはハースだった。

 アリスがトイレにいくタイミングを読んで、のことだ。

 今日はハースが珍しくあとをつけていかなかったので、クラスメイトも不思議に思っていたのだ。


「明日の誕生日なんだけど……」

 誰の、とハースは言わなかったが、アリス以外の誕生日があるわけがない。クラスメイトはうなずいた。

「みんなに、一本ずつ花を渡して欲しいんだ」

 へー、と感心した男子の声と、素敵、と感嘆の声を出す女子たち。


「順番に花を渡して行って、最後はハースってことね?」

 ケリーの言葉に、ハースがうなずく。

「今回のプレゼントは、花束と俺だ」

 教室が静まり返る。

「いい考えだろう?」

 ハースが教室を見回す。


「ハース、自分をプレゼントするのはやめた方がいいわ! せっかくのロマンティックな空気が……こう……不思議な空気に包まれそうな……気がするわ」

 勇気あるケリーの言葉に、拍手が起こった。

「そうかな?」

 首をかしげるハースに、クラスメイトたちは大きくうなずいた。


「そうかな?」

「そ、そもそも、ハースは既にアリスのものだろう? プレゼントの必要はないんじゃないかな?」

 マイクが声をあげる。みんながコクコクとうなずく。

「そう言われれば……そうだね。今さらか」

 あっさりと引き下がったハースに、クラスメイトたちはホッとした。


 プレゼントがハース。

 一体どうやってあげる気だったのか、確認できるクラスメイトは誰もいなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ