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謎な出来事

※本編から1年前くらいの話です。


「アリスさん、ちょっといいかな?」

 廊下を歩いていると、上級生にアリスが声を掛けられた。

「何でしょうか?」

 答えたのは、ハースだ。

「いや、声を掛けたのは、アリスさんだよ?」

 上級生の顔がこわばる。


「えーっと、スイマセン、先輩。何か御用でしょうか?」

 いつもいつも、アリスが答える前に、ハースが返事をしてしまうため、アリスは返事をし損ねるのだ。

「……ちょっと、向こうで話、できるかな?」

「できません」

 ハースが即答する。

「ちょっと、ハース。な……」

 なぜかアリスの体が浮いた。ハースに横抱きされている。


「先輩、申し訳ありません。アリスは今から行かないといけないところがありますので」

「え? 行事の話なんだけど? すぐ終わるから」

「……そういうことなら、事前に私に申請してもらえますか?」

「え?!」

 呆気にとられる上級生を置いて、ハースは歩き出す。


「ちょっとハース! 先輩は行事の話をするだけなんだって! どうして話したら駄目なの?!」

「駄目だ。アリスを狙っているのかもしれないんだ」

「……何を言ってるの?」

 アリスが首を傾げる。

「とにかく、事前に申請があった相手としか二人で話すことは許可できない」

「……いつもいつも、意味がわからないんだけど?」

 

 アリスと男子学生が二人きりで話をしようとすると、絶対ハースが事前に申請するように告げる。

 アリスとしても面倒だし、相手にも申し訳ないので辞めさせたいのだが、ハースが譲らないため、仕方なく従っている。

 そしていつもハースが言うのが「アリスが狙われているかもしれない」だ。

 

 アリスは殺されないと思うのだが、そんなにハースの知るこの世界は、物騒なのだろうか。

 それでも、アリスも殺されたいわけではないので、渋々従っている。

 でもやっぱり、だれもアリスを殺さないと思うのだ。

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