雑魚の会心の一撃
前書き失礼します。
今回、初投稿の富山真輝です。
不評も好評も色々意見を頂けたら幸いです。
◎第一話 【雑魚の会心の一撃】
花の高校生活がスタート。多くはないけどいい友達も出来てかわいい女子とも仲良くなれて、もしかしたら彼女もできたり…これからの生活に期待で胸が弾む。
こんな風にみんなで昼飯を食べて、くだらない男子トークで盛り上がってあっという間に時間が過ぎていく。想像していた通り絵に描いたような充実した高校生活を送っている
あー楽しい。たのしい…タノシイ…
「悲しい…。」
昼休みぼっち生活耐久レース十四日目。
花の高校生活だと思っていたものがスタートした。
だが、僕、八神和樹は友達がまだ作れていません。はい、ゼロです。彼女とか調子乗ったこと言ってすみません。
女子はおろか男子とも一ミリもお近づきになれてません。
だって、みんな全然話しかけて来ないし、自分から話しかけに行くのも正直厳しい。
俺は小中一貫校の私立に通っていた。だから小一の無邪気な頃はすぐに友達ができて、その交友関係を中三まで持っていくことができた。
内輪というなまぬるいコミュニティで育ってきた末路が人見知り。
さらにこの声の低さ、喋っても「え?なんて?」と聞き返さたり、暗いやつだと思われる。会話が続いたとしても、特別喋りが上手いわけでもない。
この条件を加味して俺と友達になってくれる人なんているか?
いや、でも気が合うとか相性もあるしワンチャンあるかも、いやダメだ、話しけるのも難題だ。
しかも二週間たった今だ、もうクラスでのグループも出来てる。単騎行動してるのなんて俺くらいだ。複数のところに人見知りが話しけにいけるかよ…
せめて昼飯一緒に食べる人くらい欲しいな、一人だと悪目立ちしてしてしまう。
ほんとは教室で食べたいんだよ。
教室の席はぼっちの俺に明確な居場所を与えてくれる唯一無二の場所なのだ。
だけど、その居場所すら俺には無いんだ。
みんなが机を連結して食べるあれだろ、俺がトイレで席を外した隙に勝手に使わて、女子たちの仲良しこよしの愉快なランチタイムが始まっていたわけだよ。
せめて本人の了解を得てからにしてよ。その確認もぼっちから唯一の居場所を奪う覚悟を持ってからにしてほしんだけどね。
でも結果的に中庭で食べることになったのは良かったと思ってる。
一人で食べてるやつだと悲しい視線を感じていたが、それも慣れた。
それに…あ、来た。
彼女は俺と同じクラスの高宮琴音。
全然俺ほどではないがクラスではあまり話さず目立たない女子だが、俺みたいな陰キャラではない。
顔はふつにかわいい。だけど彼女の魅力は顔だけじゃない。
会話の受け答え、言葉遣いがとてもキレイでめちゃくちゃ愛想も良い。おそらく育ちが良いのだろう。
俺とは対照的な人間で正直憧れる。
高宮さんは昼休みの半分二十五分が経つころに必ずは中庭に来て花壇の手入れをする。
委員会か部活かわからないけど、毎日欠かさず来て花にシャワーで水をあげて雑草の処理などをして少し花壇の花を眺めながら微笑んでいる。
控えめに言って天使だ。
そう彼女を鑑賞するのに、この中庭は彼女を見つめるには特等席なのだ。通報しないでね…。
本来ならその作業は十五分くらいで終わり、そして彼女は教室に戻るはずだが今日は急に作業を中断して、中庭からいなくなってしまった。
なにか忘れ物でもしたのかな?
ふと花壇を見るとそこに二人の男子生徒が通りがかろうとしていた。
「でさ、あのブス俺が話しかけたら顔面真っ赤にして泣きそうになってんのw」
「うわぁまじかよ、なにその反応、お前のこと意識してんじゃねーの、気持ち悪い。付き合えばw」
断片的に聞いてるだけでも不愉快になるような会話だな。
と、その一秒後おちょくられた男子がもう一人の男子を花壇に押し飛ばした。
「いてぇな、なにすんだよ。制服汚れただろうが」
お前の制服なんて知ったことか、さっさと花壇の花をどうにかしろ。
「わりぃ、少しやりすぎうわっっ!」
押し倒された男子は差し伸べられた手を引っ張って花壇に投げ込んだ。
さらに花壇を荒らしやがった。
不愉快だ、虫唾が走る。やつらは人として何かが欠落してやがる。
見たくない。
教室帰るか…。
………高宮さんはあの荒らされた花壇を見たらどう思うだろうか…
悲しむ、そして犯人を憎むだろう。
高宮さんは、気品がある。優しい女の子だ。
花を眺めて微笑んだりしちゃうくらいの滲みだす優しさがある。
そんな彼女に憎しみなんて感情は、似合わない。
俺は勇気を振り絞って二人の男子生徒のもとに歩みを進めた。
あと十分で五時限目の始業のベルが鳴る。
真面目が取り柄の俺は授業の五分前には着席していたい。
だから用件だけ伝えたら即効、退散させていただく。
別にビビってない、断じてビビってない…。
「あの!」
俺は威勢よく第一声を切り出した。
「はい?」
いや、はい←ってなんだよ語尾上げるなよ、まじ怖いから。
しかもガタイ良いぞ、運動部か。
ま、まぁ用件言うだけで喧嘩するわけじゃないんだから、大丈夫。
ただの見せ筋。って意味違うわ。
「荒らした花壇どうするつもりですか?」
「え、荒らした?あれ俺らがやったの?」
うわ、本気で言ってんのかこの人。頭だいじょばないな。脳筋か。
「はい、なので元に戻すか、それが出来ないならこの花壇を手入れしてる人にしっかりと謝ってください。」
「チッ、めんどくせな。俺らがやった証拠でもあんの?」
こいつ本物の脳筋だ。
「いや、あなた達の制服、土で汚れてますよね。」
「あぁー?なんて?ごめん、君の声低すぎて何言ってんのかわからねーわw」
「それにお前一年だよな?俺ら三年だけど、なに生意気なこと言ってんの。」
あ、やばいこれ。核心を突かれて完全にイライラしている。てか、先輩かぁー!
めちゃくちゃ睨んでくる。
臨戦態勢。不穏な空気が流れている。今にも相手が手を出してきそうな勢いだ。
それを察した中庭にいた他の生徒はみんな退場。
あーありがとありがとこれで存分にやれるよ。なにをだよ、ボコられフラグONするなよ。
「大体、この花壇が荒らされたからなに?君に被害が被ることがあるの?」
「い、いやそういうことではなく倫理的にどうかと…」
「声が小さいよ?だんだん怖くなってきちゃったかな?w」
やっぱ俺なんかが出しゃばるんじゃなかったのか。
かっこ悪いな俺…
「正義感あふれる行動は立派だと思うよ?エライエライw」
二人は完全に俺を馬鹿にして調子に乗っている。
「じゃあ俺ら行くわ、じゃあな、でしゃばりヒーローw」
でしゃばりヒーローか、笑えるじゃねーか。
だせぇ…。
しかしそんな不名誉な名前を付けられたことより、もっと許せないことが起きた。
奴ら、帰り去ろうとした時、笑ってガムを吐き捨てていきやがった、花壇に。
くそ…なんだ…?
体が熱い…、頭もくらくらする、どうなってんだ俺のからだ。
すると、頭の中で何かが切れる音がした。
「おい!待てよ」
「あ?まだなんかあんのかよ?」
先に振り返った一人の鼻に渾身の右ストレート。それを見て驚いてるもう一人には膝蹴りを腹に食らわせてやった。
二人とも声が出ないくらいもがき苦しんでいる。
「お前らこの花壇にある花、雑草とでも勘違いしてないか?」
二人とも俺の豹変具合に動揺を隠しきれていない。
「なにか、反論できるならしてみろよ、この害虫どもが。」
「くっ…!てめぇ…」
「おっと悪いさすがに失礼だよな、害虫に。害虫だってそれで栄養を得てるんだ。お前らは荒らすだけでから10倍質が悪い。そうだなぁゴミムシとかがお似合いじゃないか?」
「このやろ、調子に乗りすぎじゃねーか?」
保身、すぐ自分の身を守るためにありきたりな言葉ばっかり使いやがって。お前らみたいなクズな悪党が一番ムカつくんだよ、見てるだけでぶち殺したくなるぜ…。
「調子に乗ってるのはてめーらだろうが!!」
「この花はな、毎日ある人が手入れして大事に育てて維持されてるんだ!あそこまで綺麗に咲かせるのにも時間もかかっただろうに。それをお前らは一瞬でぶち壊しやがって!挙句の果てに反省の色一つも見せねーで、汚ねーもん吐き捨てて花壇を汚しやがって。人が積み上げてきたもん踏みにじってへらへらじぇらしてんじゃねーよ!」
「う、うるせぇよ、不意打ち一発入れたくらいで調子に乗りやがって…」
「くそが!ぶっ殺す…」
「はっ、上等だよ!かかって来いよ、返り討ちにしてやる。」
そのあとすぐに駆け付けた教職員たちによって俺たちは取り押さえられ騒ぎは収められた。