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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

憑く者の民

 ここは姫が死んで1769年目のある妖怪たちによる物語

 「朝ご飯だよー。起きなさい。」

 「あと5分‥」

 「5分後にまた来るからね。」

 「‥」

 ふかふかの布団を抱いて眠い気持ちの中に沈み込みながら後3回起こしに来たら起きればいいなと思う。

 

「起きなさい。ご飯冷めちゃうでしょう。」

 「あと3分‥」

 「あと三分ね。次に起きなかったら布団をはがしてでも起こすからね。」

 「‥」

 次の次‥

 

「もう、早く起きないと遅刻するよ。」

 布団をはがされた。‥眠い。

 「‥」

 「1分したらまた起こしに来るからね。」

 「‥」

 起きないと。

 

「もういいかげんにして、遅刻するよ。」

 持ち上げられた。体が重い、何とか立てた。

 「ほら歩いて、顔洗ってらっしゃい。」

 ふぁーい。あ―眠い、プラスチックの板を見て自分の顔はまだ寝ぼけ顔だなーとぼんやりと思いふと違和感を覚えまじまじと見る。うん、顔の一つ目は奥深くに続いていて何も映していないから大丈夫で体は薄皮に覆われて頭は覆われていない。頭上に目があり体を折り曲げるようにして目を確認しているんだが、どこも変なところはない。気のせいだったかな。やっぱり、気のせいだな。水を蛇口から出してタオルにつけて顔を拭いたら目がすっきりした。さて朝飯だ。

 飯は、白いトレイに焼き焦げがついた丸く平べったいのが雑多に乗せられてきた。今朝はシスコーンらしい。牛乳を紙パックからトレイに入れてコーンがふやけるのを待つ間に栄養を分解する穴を用意する。セッシュと言うんだ。セッシュを出すために必要なのは呪文なんだよね。

 「ヒミコ」

 穴は憑くものによって違うらしい。自分の穴は生まれた時に決まっており、穴は食べたいと思うと出るようになっていると昨日の授業で習った。正直及川君や美里ちゃんにどんなのかずっと気になっていた。今でも気になるけど母さんからダメな理由も聞かされて聞かなかった。だって言うと私と離れ離れになると言っていたから。私はそんなの嫌だ。だから聞かなかった。今日の授業でそのことの理由が言われるらしい。親が言ってることが本当なのか知るのが怖い。でも、聞かないとおびえたままずっと暮らすことになる。そんなことは嫌だ。だから行かないと。文字が書かれた紙の階段を下りながら授業について考えてた。

 「行ってきます。」

 「行ってらっしゃい。」

 扉に麻理恵と言ったらドアが開いて、その先の空と地面から500メートルほど離れた建物が増えている様子が見えた。ドアから外に出ると浮いているドアは消えた。ドアが消えたら私の体にドアと同じ青色の熊型の刺繍が浮きでてきた。うん、何も異常なし。さて行きますか。

 「スクール」

 浮きながら唱えた後、扉の意識が近づくので自分の妖力と繋げればすぐに移動ができるわけ。これができないとキッドゥガーテンに戻ることになる。キッドゥガーテンは妖力の基礎の妖力認識と妖力の操りができないといけない。それらは4年もいればたいがいは身に着く。妖力を使ってる憑くものをみれば大抵妖力はつかめるそうだ。でも私は4年では無理だった。なぜなら目を持っていたからだ。と言っても周りと同じように目は必要に駆られて自然と作れたようだ。でも、作れるのが異様に早かった。目ができるのは妖力の放出に見たいという意識がでると玉としてできる。憑くものそれぞれにいろんな個所に目があるのはそのせいなんだ。問題は‥私が妖力の放出が自然とされていたこと、これが妖力の認識と操りが遅れた原因だ。普通は、妖力の放出を周りの妖力放出に合わせて意識してやるそうだ。なんでか知らないけど、私の妖力は常にダダ漏れのようなんだ。ま、そんな理由で私は繰越で6年いた。だから周りの人と2年違うということだ。まあ、気にしないけどね。このことは母から直接聞いて納得したしどうしようもなさも味わった。でも、ある人の妖力を見た後、私は使えるようになった。あっけない、今までの苦労は何だったんだとあの頃は無気力な日々を過ごしていたな。さて、行きますか。あ、今日も大きな蜘蛛の巣が上で見てる。なんなんだろうな、あれ。

 さて到着。及川君と美里ちゃんを待ちますか。ドアの近くに現れては中に入る憑くもの達の光景は目で見るとい怖いけど妖力とともに見るときれいだ。ちょうど妖力の意思が来て目として見える切り替わりはこの地に降り立ってるみたいで好きなんだ。

 「おはよう。また、突っ立って見てる。何が面白いのかわからないよ。俺たちがただ線を伸ばしてるのしか見えないだろ。」

 「えっとね、大きな丸いものがやってきて見えるようになるんだ。幻想的だよ。」

 「いや、何も見えないだろ。そこまで力があるはずないよ。冗談はやめてとっとと行くぞ。ほら、突っ立てると危ないぞ。」

 急に肩を服の袖につかまれた。見ると妖力の三つの糸を袖に変えて及川君がつかんでいた。

 「なにするの、行くから離して。‥あまり触らないで。」

 「あーわかったよ。ほら行くんだろ。そんなに落ち込むなよ。」

 落ち込んでいない、あなたに危険が及ぶことが起きないか心配してるだけ。いや、自分の不注意に情けないだけ。ただ、危険はない様に十分注意してるけどなんかのはずみでコントロールを失うのが怖い。

 「いや、ごめん。落ち込んでいないよ。ただ、あまり触れないほうがいいと思う。」

 「こっちこそごめん。授業で習った物質の具現化をしたかっただけだ。だから許してくれ」

 「いいよ、いいよ。驚いて過剰に反応しちゃっただけだし。」

 「よかった。実を言うと自慢をしたかったんだ。つい、な。」

 「全く、でも私が突っ立てて危ないと思って使ったのもちゃんとあるんでしょう。なら全然悪ないよ。素直に話してくれてありがとう。」

 「恥ずかしいな。あんたのそういうとこが」

 「はいはい、二人とも元気だねー。青い青いよ。」

 「なにいってるの、及川君とはそんなんじゃないよ。」

 何故か及川君の後ろでニヤニヤしていた美里が及川の肩を妖力服の袖でつかんで言った。

 「や、やめろよ。」

 「い~じゃんこれくらい、スキンシップだよ、スキンシップ。」

 「だ、だから伝えれなかった‥。」

 「赤くなって、恥ずかしいのか。この、この。」

 麻理恵が妖力服の袖で突いて言ってるのが聞こえる。でも、及川君が赤くなって、つぶやいているのは聞きとれなかったな。なにをつぶやいたんだろ。ありえるとしたら、驚いた自分に対する責め苦でも呟いていたくらいかな。それにしても美里と及川君はお似合いだな。あんなに気軽に話せてる。私と2年も違うのはまだばれていないけどあの中に入れるか今だに不安だ。つっ、自分の妖脈がおかしい。どんどん膨らんできてる。まずい、コントロールを失っている。まずい、いったん周りを隠さなきゃ。あ、妖力がコントロールできないんだった。どうしよう。‥あれ、一律に絡み合って映像が流れ始めてる。唐突に体内で映像が流れるなんて不気味だ。む、無視しておくか。いやでも、あの人のメッセージかもしれないし。だとしたら今すぐ見なきゃ。あ、見られないように妖力を周りにドーム状に張ってドームをみだしてと。よし、後は自分が妖体になれば映像は他からは見えないよね。えっと、妖力の映像を伸ばすようにして。うん、よく見える。声も流れている。ここは教室の授業だな。あ、今日の日付だ。時間は、8時だから1限の最中かな。あの人はいないみたいだ。はあ、そう都合よくいるわけないよね。だって、私と同じ姿をしていて、教えてくれたらすぐに消えちゃったし。あれ?わたしがあせってる?音がうまく聞き取れない。映像に妖力込めたらきこえるかな。

 「あの、先生‥未来‥見‥」

 「そうか‥職員‥なさい。」

 「ありがとうござ‥す。」

 あ、映像が変わった。これはたぶん職員室の映像だ。いつもの先生が座る段ボール机が恥に寄せられて人形様が魔法陣の上に立っている。映像の人形様は妙に肌が柔らかそうで、目が細い人形だと思った。つなぎ目も見当たらない。いや、そのように隠蔽しているのかな。私より妖力多いだろうし。

 「未来を見えるのは君かね。この魔法陣に入って答えなさい。」

 あの床にある魔法陣が書かれた紙はうそを見破る魔法陣かな。そんなのがあると母に聞いたことがある。

 「はい、おっしゃる通りです。」

 「起動。さて、なら、サンプルとして連れていくね。あ、ちなみにこの魔法陣はここで過去を探ってもわからないようにするためのと、嘘を見破るのと、逃げられないようにするためのだから。ぶっちゃけ、あんたが存在するなんておかしいよ。ここはアリスに似た物の世界じゃないのか。まあいいや、とりあえず分解して記憶なくさせて人形にコピペするわ。いやー未来が見えるなんていよいよチートじゃね。今でも十分いいけどな。自分にアクセスできるような物を作って未来を見てちょくちょく助けたりしてまた未来を見てをやれば臨んだ未来にできるな。異分子を作って放置するのもいいかもな。くーわくわくしてきた。」

 「な、なにをいってるんですか。私を拉致するのですか。」

 「あ、女なのか。なら女の人形かな。ぶっちゃけ、魂の分解方法や解読方法がまだ分からないんだよね。だから、とりあえず自分のボックスで眠ってて。それじゃあね、ちんこ。あ、気持ちわり。」

 映像がザザーとしか流れなくなった。終わったのか。まずい、なんか知らないけど拉致られる。えっと、確か教室でなんか先生に言ったら。こんなことが起きるんだよね。なら絶対に発言しないでおこう。あ、しまった。麻理恵と及川君が心配してる。

 「おーい、麻理恵、どこだー。」

 あれ、気付いていない。あ、まずい。ほかの人が映像を見れないようにしたんだ。映像の妖術を消すのはやめておこう。だって、また何か流れるかもしれないし。思いを断ち切るように自分の姿を現して、美里ちゃんに声をかける。

 「ごめん、私ここにいるよ。」

 「あ、いた。もう急に家に帰らないでよ。ねえ、熊の紋章で家に帰る方法どうやるの。」

 声をひそむようにして聞いてきた。

「なに言ってるの。私ずっとここにいたよ。」

 「そっか、教えてくれないのか。ならせめて、紋章の光らせ方だけでも教えてくれない。おねがいっ。」

 紋章の光らせ方‥。あ、熊の刺繍が光っていたのか。どうしよう。

 「あれは、未来が見えるというかそういうものなんだ。あ、言ってよかったのかな。まあ、夢みたいなものだしいいか。」

 「ねえ、独り言、せんぶ聞こえてるよ。そっか、未来かー。今日の一限何やるんだろうね。あ、授業に間に合わなくなる。早く行こう。及川君はもう先に行ったよ。」

 「そうだね、待たせてごめんね。それじゃあ行こう。」

 黄色い門扉にウインナーをちぎった刺繍が両扉半分に二つ彫られている門を憑くもの達の押し合いへし合いに巻き込まれながらもなんとか通り抜ける。砦のような石でできた校舎が並んでいる中で1―7と書いてあるのに入った。憑くもの達がまばらになり青い扉がさらに100くらいある中で私は前から二列目の左から二番目の17012と書かれた扉を通り抜ける。扉を抜けると文字の紙でできた机と椅子がたくさん並んでいて地面はプラスチックの板を延ばして何重にも結界が張られている。教室に入って四角形の石が置かれている上でいつも先生が動かす黒板を思い出しながら自分の席に着いた。もう前の席しか空いていない。あ、美里ちゃんと及川君だ。席とっててくれている。‥前だけど。教室の外には森の映像が流れていて、音は聞こえない。何かしらの妖術だと思われるものだ。これもいつかできるようになるのかな。もしも、外にもし出るとドアに飛ばされることが分かっている。先生がやって見せてくれたからだ。また、授業に使うときもある。その時は空間を切り替えて外に出られるようにするらしい。まあ、まだ習っていないし詳しい原理は知らないけど。自然観察の授業でワールドツ―と先生が唱えて実際に4回くらい外に出て遊んだりもした。例えば、木や葉っぱの特徴を見て実際に触れたり林先生が木を切って年輪を教えてくれたり、幼虫観察のため少し小さくなって冒険したりした。体の半分くらいあるカマキリが出た時は驚いたな。最後にいつも先生はこれは実際の大きさとはかけ離れていることを念押ししてくる。「自分たちはとても小さいそしていつも食われる側だ。しかし、私たちは食われるために作られたんだ。それは、認められないことかもしれない。とてもつらいことだ。これをどうにかするには自分の姿を変えるのが一番いいんだが、もし家などに変えて分身を作ろうとしても、自分以外の分身は5分経つと消えてしまう。そうなると、一番の収入がなくなる。だから姿を変えての偽装はできない話なんだ。話を元に戻すけど、私たちは小さい。米憑きさんや飴憑きさんよりは小さくないが靴下憑きさんやリンゴ憑きさん下手したら栗憑きさんにも負けるかもしれない。でも私たちは中身を出して料理にすることができる。それを自分たちで食べることはしたくないだろうけど自分以外の誰かが欲しがっている場合は渡すことができる。そしてその憑くものの穴に入れて寿命を延ばす。穴に入れるものにより妖力の得意不得意が変わるのはもう習ったかな。例えば食物を入れると妖力の糸が増えたり、プラスチックを入れると結界を作る時間のうち妖力を込める時間が最大で10分の1軽減する。これは結界に妖力を通しやすくなっているからだ。さて、このように穴に入れるものによって妖力が変わるのだが独占している憑くものが上にいる。そのせいで私たちはまだ知らないことが目の前にあるのに知れない状態に陥っている。でも、憑くもの達はいまだに色んな奴が出てきている。これは研究のしがいがあるんだ。(クスクス笑う声)コホン、とにかく自分たちは生きる為に分身が必要なんだ。それを忘れないようにと、分身をいやだと思わないようにすることだ。」とか言っていたな。いやー、妖力を変化できると聞いてとてもわくわくした。自分ちはシスコーンとかハンバーグとか餃子とか焼きうどんとか天津飯とかとにかく料理したものが基本でるな。あ、確か腐ったものは総じて効果が減って寿命は増えないらしいから生まれたら消されてしまうらしい。納豆や味噌などがすぐ消されていたらしいのを300年前にいた乾麺うどんの小枝さんが腐っていないのを証明しただったかな。どうやら、彼は寿命は延びていて、妖力の塊を放置すると増殖したことを見つけたそうだ。そして、のちにこれは永久に増やせるものとして結界の維持や空間の維持などに使われていったらしい。あと、増殖したのは取り込めなくて穴にいれると消えてなくなることも言っていたな。不思議だ。

 「よしみんな席に着いたかー。あれやってくれ。」

 村松先生が来た。まずは、青熊の刺繍から丸い妖力を体内で込めて吐き出す。それから、出した球を机にしみこませる。そうすると、出欠が分かるそうだ。キッドゥガーテンでは名前を呼んで点呼をしていたな。まあ面倒だけど妖力の訓練になるからいいか。

 「ああ、皆ちゃんと使えているな。もういないと思うが妖力を外に出せない奴は別の教室と間違えているからな。もし教室が分からないときは森に入ってくれそしたらいけるから。ああ、迷子になるなよ。」

 「「クスクス」」

 「それから、これは机を1日使えるようにするために妖玉を送ってるからな。後、妖玉を入れた机を今日一日使うこと。忘れた場合は妖玉を出せばおのずから机に行くから、それだけだ。改めて確認するが、妖力使えないやつはいないよな。」

 うなずいてる憑くものが2たりいる。

 「よし、なら授業を始める。でもその前にクイズをしようか。10の時に半分の時間を見てああ対比しているなと思ったある憑くものがいた。さて少年は何時何分を見たでしょうか。」

 10の時に半分を見た?なら5時になって、対比しているなら25時かな。あれ、そんな時間は存在しないから、1時になるのか。ああ、5時2分になるかもしれない。

 「分からないよ。」

 「あ、えっと5時25分とか。」

 「5時5分だと思う。」

「ううん、惜しいけど違う。5時25分だと10の時がないよ。5時5分だと対比がない。ヒント、10は分を足したものだ。」

「あ、5時28分かな。」

「あ、そっか。及川君たぶん合ってるよ。」

「うん、きっとそうだよ。ここは潔くきめちゃえ。」

「あの、先生。5時28分だと思います。」

「お、及川君正解だ。答えは5時28分だ。10の時に半分の時間を見てと思ったのは5時のことだ。5を対比させると2に見えるこれと10の時に見えたというので2と8になる。さて、これにはおかしなところがある。なんだかわかるかな。はい、時恵さん。」

「えっと、10の時に見えて半分の時間で対比に見えたなら10時52分や10時25分もありえることではないですか。」

「その通りだ。言葉のまま聞くと確かにそうなる。これは相手の言葉をありのまま考えた時に起こる。この私の答えの5時28分の場合、話す言葉や独自の表現方法があることを前提で考えるしかない。私の答えは相手が10の時と時間を区別して話していることがポイントだ。例えば、10の時を怪しげな声で言われたらどうだろうか。勘ぐることをするだろう。また裏をかいてその様子は過剰な反応だからそのままだと考える憑くものもいるかもしれない。さらりと10の時と言われる可能性もある。この場合10時ととらえてしまうことがあったり、普段と言葉遣いが違うと思い様々な可能性を考えることもあるだろう。また、半分の時間を24時間の半分の12時21分などにととらえることもある。これは10の説明をしないといけないが12時21分10秒の時と言えてしまうこともできる。色々言ったが、ようは答えは存在しないということだ。私は5時28分が一番納得できたからその答えに誘導して正解と言った。だから、5時25分や5時5分も10秒と付け加えたら正解であると僕は思う。まあ、何時何分でしょうかと聞いているからには秒を入れるなんて屁理屈だと言う憑くものもいるかもしれない。でもここで学ぶことはこういう例外を見つけてほしいという思いもあるのはまあ、個人的な意見かな。一応これだけは言いたい。言葉の統合は相手に伝わらないことが多い、だから物事をそのままにとらえる為に正確に基準にそった言葉を使うべきだ。これがないと、会話が成立しないことが多い。このことをよく考えてみてくれ。何か質問したい憑くものいるか。」

「「‥」」

「あのーそんな会話そもそもしません。10のように様々なことをいうことはそうないです。」

「あ、君は美和子さんですか。そうですか、会話でないんですね。よほど意思が通じ合っているのでしょう。私は好きなものをスイーツと言って、たい焼き好きを誤魔化して友達の家でケーキ食べ放題に参加してしまった事を悔いています。」

「そうなんですか。確かに自分のことを友達にありのまま言えないですよね。」

「そうですね。やっぱり、話し合うのが一番かな。美和子さん、質問ありがとう。ほかに質問する方はいますか。」

「「‥」」

「いませんか。なら、授業を始めます。前回は穴の役割を話しました。前回配布した机のプリント映像に書いてあるとおり。穴は寿命をのばし、入れるものによって妖力を様々なものに変化することができます。さて、穴の名前を教えてならない理由は、穴の名前を別の人が唱えるとその人達は二度と戻ってこられない場所に連れ去られるとされています。実際に唱えた人と唱えられた人はまるで魂がなくなったかのように妖力も意識もなくなります。」

うわ怖い。

「ヒミコは絶対言って‥」

「ヒミコ?」(穴だわきっと)

美里ちゃんが言った時、熊の紋章と美里の熊の紋章(絵がほっそりとした熊)が消えて二人は意識を奪われた。


別の物の世界に行くのだろうか。僕たちが使う新しい物に入るのだろうか。僕たちの未来に行くのだろうか。僕たちが思い出せば、そこに常にいる。

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