戦闘中なんですか?
スラマッパギ、今木剣片手に突っ込んできたおっさんをいなしたところ。正直な話、どう戦えばいいのかまったくわからない。剣を使ったことなんて一度もないし、何なら木剣なんか初めてみた。だったら何で戦いを受けたんだって話なんだけど………
おっさんがにやりと笑いながら、俺に向かって再度突進してきた。反射的に剣を振ってみるが、これで防げるのかどうかも不安だ。
木剣がおっさんの木剣と激しくぶつかり合う。鋭い音が広場に響き渡り、俺は必死にそのまま力を込めて押し返そうとした。しかし、おっさんは最も簡単に俺を吹き飛ばしやがる。一度距離を取り再び攻撃に備える、今度は受け止めるのではなく避けて切り付けようか。
俺は体をよじりながら必死に回避しようとするが、動きがどうしても遅れてしまう。それでも、なぜかうまく避けられる時がある。何かが俺を導いているようだ。自分の体が勝手に動いている、そんな感覚があった。
だが、次の攻撃を避けたとき、おっさんの木剣が俺の肩をかすめた。鋭い痛みが走るが、俺は何とか耐えた。これ以上避け続けるのはまずい。俺の体力が切れちまう。おっさんは再び一歩後ろに下がり、剣を構え直した。
ギルドマスター視点
ワシは楽しんでいた。目の前の異世界から来た者が、どれほどの力を持っているのかを見極めるのは、これ以上ないほど面白い。此奴の動きは素人のものだが随所随所に弱点をついてくるから油断がならぬ。それに最初は全く戦い方を知らない様子だった。しかし、今やその動きはどこか確信的で、まるで経験を積んだ冒険者のように感じる。
一度目の攻撃で木剣がぶつかり合ったとき、彼の力の一端を感じ取った。それだけでは足りなかった。だが、次の瞬間、彼が素早く身をよじりながら避けた姿を見て、ワシは攻撃を続けた。異世界の者だからこそ、未知なる力を持っているのかもしれない。それがどれほどのものか、俺はこの瞬間を見逃すまいと思った。
しかし、どんなに上手く避けられても、此奴の動きはどうしても一歩遅れる。ワシが攻撃をする度に、避けることが難しくなっているようだった。
それでも、彼は立ち続け、必死に俺の攻撃を防ごうとしている。俺は少し驚きつつも、何か得体の知れない力を感じ取っていた。自分でも説明ができないが、此奴にはとんでもない力が眠っているのだろう。
一度、木剣が肩をかすめた瞬間、その痛みで硬直するかと思いきやひるまず切り返してきおったわ。
ワシを睨みつけるその目には、一寸の迷いがない。ただ、ワシに勝つことしか考えていない大馬鹿者の瞳だった。その姿勢に、俺は少しだけ心が躍った。
「おもしろい、さすが勇者と言ったところか。だがこの一撃で終いとする」
その言葉を発すると、此奴は何も言わずに再び木剣を構え直した。
つづく