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三人の英雄  作者: C-na
-第一の世界線・弦- 【剣の誓い】 -主人公-ヴェランド=レグルス/エランド=レグルス
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SE Academy Days 恋する少女アイリア 【騎士学園編】

登場人物


エランド=レグルス (16) ♂

ヴェリスの双子の兄。騎士学園に通っており

女子生徒からもわりと人気がある。

が、本人は恋愛などに全く興味も無ければ、鈍感で

なかなか思いを寄せる女の子の感情を理解できないでいる。


ヴェリス=レグルス (16) ♀

エランドの双子の妹。

今回の出来事に非常に興味がある様子みたいだが

女の子と付き合う付き合わないという状況に置かれている

エランドに対してなにか変な感情を抱いている。

どういった感情なのかは自分自身も気づいていない。


アイリア=フィナーノ (15) ♀

エランドに恋心を抱く女の子。

いつもエランドと一緒にいるヴェリスに協力を求め

なんとかエランドに思いを打ち明けたいと思っているものの

なかなか勇気を出せないでいる。

訴えますよ、が口癖。ちょっと不思議ちゃん。


レオニス=アードベッグ (18) ♂

騎士学園最強の男。学園内で倒せるのは

エランドしかいないだろうとたちこめる噂に腹を立てており

模擬戦闘訓練でエランドと一戦交えることとなる。


ファダム=ギエッタ (16) ♂

エランドとよき仲の男。

参謀って感じのキャラクターであまり戦闘は好みではなく、

というかぶっちゃけ、いや。戦闘は嫌いである。

あまりにヒョろすぎるだろうと、親に無理やり騎士学園にぶちこまれた。


エーベル=サイカ (18) ♀

レオニスといつも一緒に居る女の子。

特に好きだとかいう感情があるわけではなく、

一緒に居ると面白いから、と本人は言う。


エラン ♂:

ヴェリ ♀:

アイリ ♀:

レオニ ♂:

ファダ ♂:

エーベ ♀:


『』…マインド


--------------


エラン 「ったく、家から遠いんだよなぁ…学園」


ヴェリ 「まってよお兄ちゃん!」


エラン 「だからその呼び方やめろって言ってるだろ…」


ヴェリ 「私はこの方が呼びやすいし……」


エラン 「いい歳してまだお兄ちゃんとか呼ばれてるのかー? ってからかわれちまうんだよなぁ」


ヴェリ 「そ…そっか……検討してみるね」


エラン 「いや、直せよ…」



アイリ 「エランドさん……はぁ……」


ファダ 『なんだ、あの子…』


アイリ 「あのとなりの女の子誰なのかな……? 顔も似てるし…妹さん…?」


ファダ 「何やってんの? 君」


アイリ 「ふぇぇぇっ!? なっ、なんですか!? 訴えますよ!」


ファダ 「いや、訴えられそうなことしてたの君じゃない…? レグルス兄妹を影から見てたけど…? どうかしたの?」


アイリ 「そっ…それは……へっ、兄妹? あっ……エランドさんと隣の女の子は兄妹だったんですね…!」


ファダ 「そーだけど? 女の子の方が妹。エランドの名前知ってるんだ。エランドに用があるなら行けばいいじゃん? 早く済ませないと遅刻だぞ」


アイリ 「あっ……えっと…それは…あの…でも………」


ファダ 「なーんだよ、はっきり言えって。なんなら伝言してやっからさ」


アイリ 「けけけ、結構です! そ、そそそそれ以上問い詰めたら訴えますからね!」


ファダ 「いや……別に問い詰めはしないけどさ」


アイリ 「それでは失礼します!」


ファダ 「訴えられるの…? 俺……」




レオニ 「痛ッ!!」


アイリ 「きゃぁっ!」


レオニ 「おいおい、どこ見て歩いてんだよ……」


アイリ 「ごっ…ごめんなさい!」


レオニ 「ったく、気をつけろよ…」


エーベ 「学舎に入ったら走らないようにしなさいよ」


アイリ 「はっ、はい……ごめんなさい…! 失礼します…!」


レオニ 「あっ、おい…! 何か落としたぞ……って……行っちまった」


エーベ 「これは………」


レオニ 「どうした、エーベル」


エーベ 「いえ…。うちの情報部が発行したんじゃないかしら? 貴方の記事が学園新聞にでかでかと書かれてるわよ」


レオニ 「ほう、見せてくれ………学園最強を……倒せるのは……なんだ…? エランド=レグルス……?」


エーベ 「あの子が落としていった記事、他は皆エランド=レグルスの事ばかり書かれてるわよ。あの子、このエランドとかいう子のファンか何かじゃないかしら? だからあなたの記事も切り取ってたんでしょう」


レオニ 「んなこたどうだっていい……学園最強を倒せる奴が……いるかも? ふざけんなよ…?」


エーベ 「……どうするの? レオニス」


レオニ 「探し出して、最強は俺って事を教えてやんねぇとだろ…?」


エーベ 「そう………私はいつも通り見てるわ」




アイリ 『私は少し前からエランドさんの事が好きになってしまった。大した理由じゃないって言われたらそうかもしれないけど、学園に通ってるうちにどんどんと好きになっちゃった。そう、きっかけは入学式の日』


(2か月前)


エラン 「まずいまずいっ! 遅刻しちまうぅぅぅぅぅぅぅ! ヴェリスの奴どうして先行っちまうんだよ!」


アイリ 『その日の前日に降った大雨のせいで私の通り道が土砂で崩れていた』


エラン 「うぉっ、すげえ土砂崩れだな……昨日雨降ったからか…? あっ…まさかヴェリス…こうなってること知って早めに出たんだな…くそっ!」


アイリ 「あの……すいません……」


エラン 「ん? どうした? あんたも入学式に遅刻しそうなのか? いそがねぇと遅刻だぞ!」


アイリ 「でも…こんな土砂を越えるのはかなり時間が……」


エラン 「うるせぇ! でもなんて言うんじゃねえ! 遅刻しないためには……あぁもう仕方ねぇ……ちょっとどいてろ!」


アイリ 「は…はいっ……一体何を…」


エラン 「すーはー…すーはー……うぉぉぉぉぉぉォォォォッ! …………あっ…やべっ…やりすぎた…」


アイリ 「す…すごい……土砂が……消し飛んだ……」


エラン 「ほら、通れるだろ! さっさと走るぞ!」


アイリ 「はいっ…! ………いたっ…!」


エラン 「おいおい……なにも無いところでこけるんじゃねぇって………立てるか?」


アイリ 「……くじいちゃいました……すいません……私の事はいいので、どうぞ行ってください…」


エラン 「初日から遅刻なんて嫌だろ! ええい仕方ねぇ、担いでいく!」


アイリ 「ひゃっ……ふぇぇぇ! はっ、恥ずかしいですよ!」


エラン 「知るかっての! 行くぞ!」


(現在)


アイリ 『単純かもしれないけど……あの日以来エランドさんの事が頭から離れない……』




ヴェリ 「お昼、食べに行かない?」


エラン 「ん? あぁ、そうだな。行くか……ファダム、お前も行くだろ?」


ファダ 「行く行く、腹減ったからなぁ」


ヴェリ 「最近お兄ちゃんの噂が学園内で凄いけど、何かしたの?」


エラン 「噂?」


ファダ 「学園最強の、レオニス=アードベッグを倒せるんじゃないかって言われてるじゃん? それだよ」


ヴェリ 「そうそう、それ。心当たり無いの?」


エラン 「全く知らねぇなぁ………」


ヴェリ 「あっ……私先生に、模擬戦闘訓練に出るかどうかの話があるって呼び出されてたんだ……やっぱりお昼は二人で食べててっ!行ってくるね!」


ファダ 「行ってらっしゃい~っと。模擬戦闘訓練なぁ」


エラン 「そういや俺にも来てたっけ…そんな話」


ファダ 「そりゃ来るだろうよ。お前相当強いし」


エラン 「ははっ、そりゃどうも」


ファダ 「ま、食うとしようじゃん」


エラン 「だな、いただきますっと」




ヴェリ 「ふぅ…終わった終わった……」


アイリ 『エランドさんに…近づくにはやっぱり妹のあの人に話して見ないとダメだよね……』


ヴェリ 「…? どうか…しましたか?」


アイリ 「ふぁっ!? あっ、はい! えっと……エランドさんの妹さん…ですよね?」


ヴェリ 「エランド…は…私のお兄ちゃんですけど……」


アイリ 「その……実は私……エランドさんの事が好きで……声をかける勇気も無くて……兄妹って聞いたので……声を…かけさせていただき…ました……」


ヴェリ 「お兄ちゃんの事が……好き…………えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぇぇ!?」




エラン 「なんか、ヴェリスの叫び声が聞こえた気がする」


ファダ 「おぉ、俺も。奇遇だな」




アイリ 「そ、そんな大きな声出さないでくださいぃぃっ! 訴えますよ!」


ヴェリ 「訴えないでください! というか……お兄ちゃんが女の子から人気があるのは知ってたけど……実際に会うのは初めてです……」


アイリ 「その………なんていうか……えっと……あの…ヴェリスさん…ですよね…? 私は……アイリア=フィナーノって言います……」


ヴェリ 「アイリアさん…ですね」


アイリ 「ヴェリスさんと、エランドさんって兄妹なんですよね…!? 付き合ったりとか…してないですよね……?」


ヴェリ 「あ、あああああ当たり前じゃないですか! 実の兄ですよ…!?」


アイリ 「そ、そうですよね……良かった……いや……よかったら……エランドさんと……仲良くなりたくて……」


ヴェリ 「あ…あぁ……なるほど……わ、わかりました………お…おにいちゃ……え…エランドに話してみます」




レオニ 「まさか本当に俺を倒せるなんて噂が流れてるなんてな」


エーベ 「信じてなかったの? だから言ったじゃない」


レオニ 「模擬戦闘訓練で79戦中79勝の俺が負けるわけなんてねぇだろうに」


エーベ 「あまり自信過剰になるのもどうかと思うけど」


レオニ 「あ? なんか言ったか?」


エーベ 「別に。なんでもないわ」


レオニ 「そのエランドとかいうのが戦闘訓練に出てくりゃしまいなのによ」




ファダ 「で。お前も出るの? 戦闘訓練」


エラン 「どうだろうなぁ……正直どっちでもいいんだけど………」


ファダ 「面白そうじゃん? 俺も見てる側としては最高に興味あるけど」


エラン 「まぁ…考えてみるか」




ヴェリ 「エランド」


エラン 「やっと、呼び方直してくれたか…どうした、ヴェリス」


ヴェリ 「なんか……あなたと仲良くしたい、って言ってる女の子がいて…」


エラン 「ほ、ほう………それで……なんだよ…?」


ヴェリ 「も、もし良かったら会ってあげたら? べ、別に嫌ならいいとおもうけど…」


エラン 「嫌じゃねぇけど……? なら、会ってみるか。明日は休みだし…。ヴェリス、なんか気にくわなさそうな顔だな?」


ヴェリ 「そ…そう…? べ、別にそんなことないよ!」


エラン 「そうか、ならいいけど。明日どこに行けばいいんだ?」




アイリ 『うぅぅぅぅぅ……まさか本当にエランドさんが来てくれるなんて……』


エラン 「えっと……あんたが……俺に…? って……あっ…入学式の時の…!」


アイリ 「へっ!? あっ、こ……こんにちは……」


エラン 「お…おう………」


アイリ 「その……せっかくの休みなのに…私の為なんかにすいません…」


エラン 「それは全然いいんだけどさ……名前は…アイリア、で。あってるよな?」


アイリ 「はっ…はい……えっと…………私………エランドさんの事が……」


エラン 「俺の事が……どうした?」


アイリ 「エランドさんの事が……す………す……素敵だなって思いまして…」


エラン 「そうか…? そりゃありがとう。なんか…照れるかな…」


アイリ 「よかったら…なんですけど……今日私と…で…でー……」


エラン 「どうした? 顔が真っ赤だぞ…? 熱でもあるのか?」


アイリ 「はぅぁぁぁぁぁぁ! なっ、なんでもないです! わ、私と良かったら……お出かけしませんか…って…」


エラン 「変な奴だな、暇だったらいつでも付き合ってやるよ。ははっ」


アイリ 「で…でも…ほとんど初対面の変わらないんですよ…?」


エラン 「関係ねぇって。会いたいって言ってくれる奴なんてそうそういないんだから。よっし、どこ行く?」




ファダ 「おぉ、良い感じの雰囲気じゃん……って、どうしてヴェリスちゃんもいるんだ?」


ヴェリ 「べ…別に…暇だったから来ただけだもん……ファダム君こそ教えてないのにどうして来てるの?」


ファダ 「あいつの行動は御見通しなのさ、この俺にはね」


ヴェリ 「エランドってば簡単に人に喋っちゃうんだから……」


ファダ 「バレたか…教えてくれたもんだからせっかくだし、見てやろうと思ってさ」




アイリ 「エランドさんは、今度の戦闘訓練に出るんですか?」


エラン 「迷ってるんだよ、どっちでもいいかなって」


アイリ 「私は……戦ってるエランドさんが見てみたいです…! 学園内でもレオニスさんを倒せるんじゃないかって持ちきりですから……」


エラン 「またその話題か……なんなんだろうな…」


アイリ 「私…もし出るんでしたらいっぱい応援します…!」


エラン 「そこまで言ってくれるんだったら出てみるのもアリか…」


アイリ 「はい…強くて、優しくて…頭も良くて。エランドさんは知らないかもしれませんけど…女子生徒の間ではかなり人気なんですよ…エランドさん…私も今こうして話していられるのが夢みたいです…」


エラン 「そう…だったのか……全然知らなかった……なんか、ありがと、アイリア。平凡な俺なんかにそこまで言ってくれるなんてな、素直に嬉しい」


アイリ 「……! いえ…そんな……私も…そう言っていただけて…嬉しい…です…」




ファダ 「結局あいつ告白しないんだな~」


ヴェリ 「こっ、告白!? な、なにを告白するの?」


ファダ 「え? いや、そりゃ好きです~とか、付き合ってください~とか」


ヴェリ 「い、いいいいいいいきなりそんなこと言ってもエランドが困るだけだよ…!」


ファダ 「なんでヴェリスちゃんがそんなに取り乱してるんだ? まぁいいけどさ」




エーベ 「レオニス」


レオニ 「どうした、エーベル」


エーベ 「エランド=レグルスが戦闘訓練にエントリーしたそうよ。良かったわね」


レオニ 「ッは、そうか………久々にゾクゾクして来たぜ……」


エーベ 「勝つ自信はあるの? 相手は学園内で噂されてるダークホースよ?」


レオニ 「俺が負けると思って言ってんのかよ?」


エーベ 「さぁ…?」




ファダ 「さて戦闘訓練当日だけど…調子はどう? エランド」


エラン 「なんだろうな、緊張はしてるかも? まぁ学園のみんなが見てるんだから…そりゃあな」


ヴェリ 「私は出ないけど…気を付けてね、エランド。一応殺しは無しになってるけど……大怪我とかはよくあるみたいだから」


エラン 「おう、ありがと。きっと勝ってくるさ」


ファダ 「おっと、一回戦の相手。来たぜ」


アイリ 「頑張ってください…! エランドさん!」


エラン 「アイリア…。おう! 任せろ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~

(戦闘シーンなので観戦キャラは一応スペース開けてます)



エーベ 「エランド君、よね?」


エラン 「…! そうだけど……? あんたは…」


エーベ 「学園で噂されてるその強さ…確かめさせてもらうわ」


 ファダ 「相手は女かぁ…やりづらそうだな。エランド」


エラン 「…! 早い……! あんた…相当強いなっ…!」


 ヴェリ 「すごい…あの人…剣も魔術も隙がない…あんな人が学園にいたなんて…」


エーベ 「そうは言うけど…私の攻撃が……1つもかすらないなんて…あなたが初めてよ! はぁっ!」


エラン 「あぶねぇっ……足貰うぜ…!」


 アイリ 「すごい…隙のない足払い……かかった…!」


エーベ 「すごいわね、私も久々に戦いたくなったと思ってきたけど……このままじゃ負けそうね…」


エラン 「とか言いつつダウンしても俺の剣を避け続けてんじゃねぇか…! なんてこった…! でぇやっ!」


エーベ 「くっ! 一撃一撃が重い……! さすがねエランド君……! これは…どうかしら…! せぇやっ!」


 ファダ 「すごいなあの魔力…大量の炎がエランドに向かって飛んでいくぞ…」


エラン 「うぉぉぉぉぉっ熱い……! 避けてちゃらちがあかねぇ…! はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


エーベ 「うそ!? 全て叩き落とされた…!? ありえないわ…」


エラン 「だてに毎日30キロの剣振り回して特訓してねぇよ…! こいつで…どうだぁぁぁぁぁぁっ!」


 アイリ 「……剣を斬りおとした!?……エランドさん……す…すごい……!」


エラン 「はぁっ…はぁっ…はぁっ……悪いな…剣…」


エーベ 「ううん、いいの。すごいわね、貴方。まさか剣そのものが斬りおとされるなんて思わなかったわ…ふふっ……」


エラン 「あんたも……相当強いじゃねぇか……楽しかったよ……ほんと…」


エーベ 「いえいえ、だけど…。レオニスはもっと強いわ。ふふっ、応援してるわよ…陰ながら」


 ファダ 「……なんだこの戦い……うちの学園にこんな強い奴がいたなんて……」

 

~~~~~~~~


エラン 「一回戦はなんとか、勝ったな……」


ヴェリ 「あのエーベルって女の人……レオニスっていう学園最強の人といつもいる人…だよね…」


ファダ 「聞いたことはあったけど……まさか戦いを拝むことになるなんてな…」


アイリ 「すごかったです! エランドさん! とてもかっこよかったです!」


エラン 「アイリア…。ありがとな…。それにしても……半端じゃないな…体力の消費が…」


ファダ 「大丈夫だ、お前の敵はさっきのエーベルって人と、決勝で戦うレオニスだけだから」


ヴェリ 「うん…、その二人以外はたぶん大丈夫」


アイリ 「きっと、勝ってくださいね! エランドさん!」




レオニ 「どうだったよ? あいつは」


エーベ 「見てたでしょう、強いわよ。エランド君は」


レオニ 「お前といい勝負するくらいじゃ、俺には勝てないけどなぁ…?」


エーベ 「ふふっ……応援してるわ、2人ともね」




アイリ 『ファダムさんとヴェリスさんが言った通り、エランドさんはその後快勝続きで順調に決勝へとコマを進めた』



エラン 「すー…はー……」


ファダ 「いよいよだな、エランド」


ヴェリ 「怪我しないでね…エランド」


アイリ 「きっと勝てます、エランドさんなら。頑張ってください…!」



~~~~~~~

レオニ 「お前とやりたくてウズウズしてたぜ、エランド」


エラン 「っは……そりゃありがたいことで…」


レオニ 「学園内で、お前が俺に勝てるんじゃないかって噂が流れてるらしいじゃねぇか?」


エラン 「俺も知らなかったよ、みたいだな」


レオニ 「でも、そんな噂が嘘だって事。みんなに知ってもらわねぇといけねぇ」


エラン 「なるほど…だから俺と戦いたいって事か……」


レオニ 「殺しは無しなんてせこい話は抜きでやろうぜ…?」


エラン 「怖い事いってくれるじゃね……ぅぐぁっ!?」


 アイリ 「速い! 見えなかった……」


レオニ 「おいおい…? 今の一発でKOなんていうんじゃねぇだろうな? まだ剣すら抜いてねぇぜ?」


エラン 「う゛ぅぉっ………やべぇ…な…この一撃は……」


 ヴェリ 「エランド! 避けて!」


エラン 「っ……! あぶねぇ………学園最強の意味が俺もわかったぜ……本気でやる……はぁぁぁぁぁぁっ!」


レオニ 「たしかに一閃一閃は早い…が、俺にとどく程じゃねぇ……なぁっ!」


エラン 「ぐっ! ぅくぅぅぅ……」


 ファダ 「柄が腹に一発…ありゃそうとうまずいよ…」


エラン 「仕方ねぇ……うおおおおおおおおおおオオオっ! せぇやぁぁぁぁぁっ!」


レオニ 「ぐぅぉっ!」


 アイリ 「今度はあの人にエランドさんの柄が……」


 ファダ 「こりゃ…剣振り回してても勝負着かないね」


エラン 「剣より……素手の方が…やりやすいんじゃねぇのか…!」


レオニ 「っはっ……殴り殺してやるよ……」


 ヴェリ 「どうしてエランドの攻撃が通ったのかな……さっきの様子を見てたら…通らなさ-」

 

 エーベ 「魔力を体内で高速で巡らせることで活性化してるのよ、エランド君の体は」


 ファダ 「あんたはさっきの……」


レオニ 「さっきの一発だけか? どうだほらほらほらほらァァァァァァァ!」


エラン 『強いで済む次元じゃねぇ……どうなってやがる、こいつ!』


レオニ 「ぞぉぉぉらァァァァァッ!」


エラン 「あぐぁっ…! …………くっ……そ」


レオニ 「灰にでもなっちまえや、ほらよォォっ!」


 アイリ 「雷が…エランドさんに…! 危ない!」


エラン 「あ゛ぁぁぁぁぁぁっ! ……………はぁっ……はぁっ……」


 エーベ 「このままだと闘技場ごと壊れかねないわ、私たちは外に出ましょう」


 ファダ 「くそ…エランド…大丈夫か…」


 ヴェリ 「エランド…どうか…死なないで…!」


 エーベ 「あなたも早く!」


 アイリ 「私は……エランドさんを応援します…絶対に…エランドさんは…負けませんから…!」


レオニ 「仲間の応援もむなしくボロボロじゃねぇか? もっかい殴ってみろよ…?」


エラン 「はぁっ……はぁっ………く…そ……」


レオニ 「みんな避難してお前の負け面を見る奴もいねぇ。よかったなぁ? ハハッ」


エラン 「悪いなぁ…みんな……俺…ボロ負けだわ…………」



 アイリ 「エランドさん!」



エラン 「アイリア……どうして……避難してないんだ……」


 アイリ 「私は……エランドさんが…勝つって…信じてます……から…!」


レオニ 「あーっはっはっはっ! おもしれぇ奴だ。これを見てまだ勝つ望みがあるなんてなぁ?」


 アイリ 「っ……」


レオニ 「それを聞いてこいつがさらに無理して体がぶっ壊れたら責任とれんのか? お前。まぁ、どのみち俺が殺すんだがな?」


 アイリ 「それは………ぐすっ…エランド……さん……私……ひぐっ……」


レオニ 「そもそも応援なんてしたところで結果が変わるわけねぇだろうが! ふははははははははっ」


 アイリ 「私っ…私っ…だってエランドさんの事が……くっ…うっ……うわぁぁぁぁぁん!」


レオニ 「さっさと消えろ、お前がいたところで何も変わりゃしねぇよ」


エラン 「…………おい」


レオニ 「なんだ? まだなんか…うぐぉォォァァァッ!?」


 アイリ 「エランド……さん…?」


エラン 「アイリアに謝れ、レオニス」


レオニ 「まぐれで一撃入ったからって、調子づいてんじゃねぇぞ…? オラァッ! ……!? な…に…?」


エラン 「まぐれだ? そうだな、これがまぐれなら…こっから先俺は全てまぐれでお前の攻撃を受け止めていくんだろうな」


レオニ 「さっきまでボロボロだったくせに何言いだしやがる……あぁ!? ? どこ行きやがった…!?」


 アイリ 「え…エランドさん…? 私…私……」


エラン 「アイリア、ありがとう。お前の応援が無かったら、今の俺は無い」


 アイリ 「……! ありがとう…ございます……エランドさん……その…私…!」


エラン 「どうした…?」


 アイリ 「エランドさんの事が…好きです………その……がんばってください…………っんむっ」

(ここキスですよ、大事な所ですよいいですか)


エラン 「…………あぁ、ありがとう………。逃げろ、早く」


 アイリ 「……! わかりました……死なないでください…エランドさん……!」



レオニ 「お前だけが強くなって終わるなんて……マンガみたいなオチじゃねぇって事を教えてやるよ」


エラン 「っはっ………負けても知らねぇぞ」




ファダ 「おっ、出てきた」


ヴェリ 「まだ中で…エランド達が…?」


アイリ 「はい……まだ戦ってます……」


エーベ 「もう戦い始めて1時間も経つのに……なぐり合う音が鳴りやまないなんて…二人とも本当にタフなのね…」




エラン 「うおらァァァッっ!」


レオニ 「ぐぅぉっ! っく、ぜぇやァァァっ!」


エラン 「う゛ゥゥおおっ!」


レオニ 「どこまでも…タフな野郎だな……ァッ!」


エラン 「アンタこそ…なぁ…!」


レオニ 「学園最強は俺だって…言ってんだろうがぁぁぁぁぁぁ!」


エラン 「学園最強かなんてどうでもいい、俺は……応援してくれる奴の為に……勝つだけだ…!」


レオニ 「知った事かアァァァァ! ぐぅぉっ! くそっ…」


エラン 「たしかにあんたは強い……だけど……肩書を護るためだけの強さじゃ……俺は…倒せねぇ…!」




 アイリ 「音が…鳴りやんだ…!?」


 エーベ 「行ってみましょう………!」


 ファダ 「どっちが勝ったんだ……」


 ヴェリ 「エランド……生きていて…!」




アイリ 「エランドさん!」


エラン 「はぁっ……はぁっ…はぁっ…」


レオニ 「ぅ………ぉっ……」


ファダ 「エランドが……立ってる………」


ヴェリ 「エランド……勝ったの………!?」


エーベ 「レオニス…………」


レオニ 「俺の……負けだ………っ……なんて奴だ……クソっ……」


エラン 「ったく……お前もだろ…くそ…がっ………」


ファダ 「あっ、おいエランド!」


エーベ 「引き分けってとこかしら…? どうだった、レオニス?」


レオニ 「楽しかったぜ………こんなに暴れたのは久々だ……」


アイリ 「エランドさん! エランドさん…!」


ファダ 「気を失ってるだけだ、大丈夫だ」


レオニ 「おい、お前………」


アイリ 「は…はい……」


レオニ 「目を覚ましたら……伝えといてくれ……」


アイリ 「何を…ですか?」


レオニ 「また、やろうってな」


エーベ 「ふふっ、レオニスらしいわね」




ファダ 「おっ、目を覚ましたか」


ヴェリ 「大丈夫…エランド…?」


エラン 「ん……ぅ…あぁ……」


アイリ 「エランドさん…! 大丈夫ですか…?」


エラン 「あぁ……ありがとな…アイリア……」


ファダ 「お前が、学園最強だ。エランド」


ヴェリ 「心配させないでよ…エランド…」


アイリ 「その…エランドさん……この前の話…覚えてますか…?」


エラン 「えっと…なんだっけ…?」


アイリ 「ふぇぇぇぇぇぇぇ!? そ、そんなぁぁぁぁ!? ひどいです! エランドさん!」 


ヴェリ 「何? エランド、この前の話って……?」


ファダ 「そうだ、なんだ? 話って…?」


エラン 「いや…近いってお前ら……!」




アイリ 『でも、そんなところが好きです。エランドさん、またいつか。告白します! また忘れたら…訴えますよ!』


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