表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三人の英雄  作者: C-na
-第一の世界線・弦- 【剣の誓い】 -主人公-ヴェランド=レグルス/エランド=レグルス
18/59

Darkness revenge 復讐者再び 【冥王ゼロア編】

登場人物

☆エランド=レグルス (20) ♂

世界を救った英雄。

困っている人間を放っておけない性格で

どんな絶望的な状況でも諦めない。


☆ヴェリス=レグルス (20) ♀

エランドの双子の妹。

年相応の性格かと言われたら少し子供っぽく、

いつもニコニコ元気な女の子。

淋しがりではあるが、正義感に強く

その戦闘力はエランドに匹敵する。


〇ファダム=ギエッタ (20) ♂

エランドの学園生時代からの親友。

軽い態度が印象的だがその根性は本物。

カルラレリアへの旅行券を手に入れるが、

地元という事でエランド達に譲ることに。


〇レオニス=アードベッグ (22) ♂

4年前にエランドと雌雄を決した。

騎士学園最強の名前に恥じる事のない強さを持つ。

荒い性格ではあるものの、

いつもそばにいるエーベルを傷つけることは許さない。

今回、エランド達の助っ人として現れることに。


〇エーベル=サイカ (22) ♀

いつもレオニスと一緒に居る謎の多い女の子(?)

上品で、少し妖艶なオーラを漂わせる。

レオニスの事を好いている。


〇アイリア=フィナーノ (20) ♀

エランドに恋心を抱く女の子。

少しドジなところがあり、照れっぽい。

そして優しく怪我をした人の事を常に心配している。


△グラン (?) ♂

冥界の刺客の1人。

ジョーカーよりジャックの名を授かりし者。

その力は圧倒的だが、

エランド、レオニスに撃退された後に

ゼロアに殺されてしまう。


△ハーレクイン (?) ♀

冥界の刺客の1人。

ジョーカーよりクィーンの名を授かりし者。

4人の中でも頭脳派の様なオーラを放ち

力に絶対的な自信がある。


△アルガ (?) ♂

冥界の刺客の1人。

ジョーカーよりエースの名を授かりし者。

4人の中で最も軽い態度かつ

最も攻撃的。

だが、サイとの仲間割れになり、殺される。


△サイ (?) ♂

冥界の刺客の1人。

ジョーカーよりキングの名を授かりし者。

4人の中で最も強く、位が高い。


△ゼロア (?) ♂

冥界の刺客の1人。

ジョーカー。人間への復讐心が彼を産んだ。絶望的。

その雰囲気からは圧倒的な憎しみを感じられる。

???=ゼロア


〇ヴェランド=レグルス (故) ♂

双子の親にあたる男。

優しく温厚な性格で、不安でありながらも

地上の戦いの様子を見守り続けていたが、

ファダム達によって再び地上に現れる。


〇シーナ=レグルス (故) ♀

双子の母親にあたる女性。

落ち着いた性格でいつも冷静。

だが、誰よりも双子の事を大切に思っている。


エランド ♂:

ヴェリス ♀:

ファダム/ヴェランド♂:

アイリア/シーナ♀:

ハーレ/エーベル♀:

グラン/ゼロア♂:

アルガ ♂:

サイ ♂:


『』はマインドです

----------------

??? 「……時は満ちた…今こそ…復讐の時……」




ヴェリス「わぁ~! すご~い! 見て! エランド! ねぇ、ねぇ!」


エランド「ここはカルラレリアって街みたいだ」


ヴェリス「! これ、これおいひぃよ!」


エランド「って全然聞いてねぇし。一口くれよ」


ヴェリス「はいっ」


エランド「…おっ。……いけるな」


ヴェリス「よっし、次行ってみよう!」




(…時はさかのぼり3日前)


エランド「こうしてみると…片づけなきゃいけない物だらけだな」


ヴェリス「な…なにこれ」


エランド「…俺が10歳の誕生日で貰った盾だな…どこにあった?」


ヴェリス「私のベッドの下」


エランド「はぁ? なんでお前が持ってんだよ…無くしたと思って泣いて探したのを思い出したぞ」


ヴェリス「先に盾の使い方を教えてもらえるエランドが羨ましくてコソッと持ち出した記憶が…」


エランド「…子供かよ」


ヴェリス「子供だよ! 当時はね…。 …? 何持ってるの?」


エランド「今も子供だろ。……ローブだな…俺のじゃ…ない…? 小さいし」


ヴェリス「それ私の…! どこにあったの?」


エランド「俺のタンス」


ヴェリス「なんでエランドが持ってるの……」


エランド「…お前が熱出して学校にいけない時に借りたんだっけか…昔はお前の方が背高かったし」


ヴェリス「な…なるほど……はぁ…お父さんたちの服も整理しないと…」



ファダム「やほ」


エランド「…ファダム!」


ヴェリス「ファダム君!」


ファダム「相変わらず仲いいね。元気?」


エランド「元気だよ、本当久しぶりだな! 散らかってるけど…あがれよ!」




ヴェリス「来るなら来るって言ってくれたらよかったのに」


ファダム「ごめんねぇ。俺もまさか来ようと思って無かったからさ」


エランド「…となると、どうしたんだ?」


ファダム「カルラレリアって国知ってる?」


エランド「知らねぇなぁ…」


ヴェリス「知ってる!」


ファダム「流石学年主席。カルラレリアに行ける旅行券を貰ったんだ、ほら。2枚」


エランド「旅行券って、どうしたんだ? これ」


ファダム「用があって市場に行ったんだ。そこで仲が良かったお店の店長がくれた、奥さんが体調崩して行けなくなったんだってさ」


ヴェリス「そっか、良かったね! ファダム君!」


エランド「だな、どんなとこかは知らねぇけど、楽しんで来いよ」


ファダム「…いや、でなんだけど。俺の今の仕事場…カルラレリアなんだ」


ヴェリス「…」


エランド「…ぉお?」


ファダム「…要は、これ2人にあげるよ」


ヴェリス「いやいやいやいやもらえないよ!」


ファダム「友達にあげてもいいかって聞いたら、いいよって言ってくれたんだ。遠慮するなって」


エランド「お前が行って来いよ!」


ファダム「だから俺地元なんだって!」




(そして時間は戻り)

ヴェリス「アイリアさんと来れたら良かったのにね。エランド」


エランド「からかってるのか? あいつは医者の研修らしいから仕方ねぇよ」


ヴェリス「そっか。なら良かった」


エランド「良かった?」


ヴェリス「う、うん。1年ぐらい会えなかったからすごく寂しかったし」


エランド「なるほどな。だから遊びに来てるんだろ? ほら、次行こうぜ次」


ヴェリス「うんっ」




エランド「…すげぇ人だかりだな」


ヴェリス「…ジョルド遺跡だって。元々魔王軍が使っていたらしいけど、今は観光地なんだって」


エランド「どうしてこんなに人がいるんだ?」


ヴェリス「…あれ…何…?」


エランド「…え?」


(空に黒い次元の穴が空いており)


ヴェリス「…! 何か出てきた!?」


エランド「…! ヴェリス!」


ヴェリス「エンジェルブレス! …危なかった…一体何が…?」



グラン 「…我が名はグラン。ジョーカーよりジャックの名を授かりし者」


ヴェリス「…さっきの攻撃は…あいつだよ…エランド」


エランド「……ジョーカー…?」


グラン 「ヨウとクウが世話になったな」


ヴェリス「!」


エランド「あいつらを…知ってる…?」


グラン 「知っているも何もあれは俺の弟と妹だ」


ヴェリス「ってことは…あいつは…冥界の…?」


グラン 「いかにも。俺達は…人間界を…潰す」


エランド「…何が目的だ」


グラン 「ヨウとクウが言わなかったか? 復讐だ。そう、天界…人間界にな」


エランド「……!」


グラン 「…まさか、倒そうなどと考えているわけではあるまい? 手始めにまずは貴様ら人間からだ」


ヴェリス「……何を」


エランド「…! やめろッ!!」


(逃げる一般人へ魔弾を放つグラン)


ヴェリス「そ…そんな……」


エランド「…許さねぇ…! はぁぁぁぁっ!!! …ぇ?」


グラン 「その程度か?」


ヴェリス「う…そ…エランドの攻撃を…片手で…」


グラン 「…ルシファーを倒した実力がその程度とは言うまい?」




ハーレ 「グラン、その程度にしておけ」


グラン 「挨拶代わりだ」


アルガ 「あまりやりすぎるなよー。あの方に何言われるかわからねぇ」


サイ  「大体の強さはわかりました。二人とも、大した強さではありません」


グラン 「はぁ。上に言われては俺も手出しはできん。命拾いしたな」


エランド『…!? …上…グランで…下って事なのか…? 周りの…周りのあいつらはどうなる…?』


ヴェリス「…女神…解放…!!」


エランド「よせヴェリス!」


グラン 「…ハーレクイン」


ハーレ 「…好きになさい」


ヴェリス「はぁぁっ!!」


グラン 「…ふん」


ヴェリス「これなら…せやぁぁぁっ!! くっ…」


グラン 「サン…」


エランド「あの技は…!?」


グラン 「バースト! 」


ヴェリス「えっ……きゃぁぁぁっ!!?」


グラン 「驚いたか…?」


アルガ 「へぇ」


サイ  「グランに左手を使わせるとは。面白いですね」


エランド『左手……!? 何言ってやがる…こいつ』


ヴェリス「っ…げほっ…げほっ……はぁっ……はぁっ…」


グラン 「…あの女はやっていいんだな?」


ハーレ 「くどい」


エランド『逃げるしかない…』


グラン 「…片づけ次第戻る」


ハーレ 「ふん、遅れるな」


アルガ 「じゃね」


サイ  「お気をつけて」




グラン 「さぁ、始めようか」


ヴェリス「っく……」


エランド「逃げろヴェリス! 今の俺達じゃ敵わない!」


グラン 「…フン。死ね、デ・アストロ!」


エランド「…クソッ!! やるしかねぇ…… オォォァァッ!!!」


グラン 「!? うぐぉぁっ! 何だ…その魔力は…!」


エランド「ぜぇぇぇやっ!!」


グラン 「ッチ! ふんっ! 何ッ!」


ヴェリス「エランド…!」


エランド「今の俺達じゃ勝てない! 逃げろヴェリス! あとから追いつく!」


ヴェリス「エランドを置いてなんて行けるわけないでしょ…!!」


エランド「早くしろ!!!!」


ヴェリス「…! ……」




グラン 「…俺をここまで本気にさせて…逃げられるとでも思っているのか?」


エランド「さてね…?」


グラン 「減らず口が……アルガヴィス……!!」


エランド『…魔力が何十倍にも膨れ上がった!?』


グラン 「これを見てもまだ逃げるなどと呆けたことが言えるかな?」


エランド「……魔神…解放!!」


グラン 「…ッ! しまったッ! ずぁっ!?」


エランド「残念だが、この状態は長くは持たねぇ…行くぞッ!」


グラン 「…ぬぉぁぁぁっ!!」


エランド「っぐ…そぉらぁぁぁっ!!」


グラン 「ごぉぁっ…」

    『俺が…押されている…だと…』




ヴェリス「…はぁっ…はぁっ……一瞬エランドの魔力が大きくなったけど…少しずつ小さくなってる…魔神解放を使ったの…?」


ファダム「ヴェリスちゃん!」


ヴェリス「!? ファダム君!」


ファダム「ジョルド遺跡方面からとんでもない魔波を感じて飛んできたんだけど…どうやらただ事じゃないみたいだね」


ヴェリス「そ…そう…! エランドが今戦ってる…!」


ファダム「…エランドが…?」


ヴェリス「エランドが、今の俺達では敵わないって言って私を逃がしてくれたの」


ファダム「…なるほど。助けに行こう」


ヴェリス「…! だけど…」


ファダム「大丈夫。ね、レオニスさん」


ヴェリス「!?」




グラン 「……はぁっ…はぁっ……危険だ…こいつは…」


エランド「ぅ……っ…は……」


グラン 「この俺が…ここまで苦戦…するとは……っ…死ね……! ? 誰だ…貴様は」



レオニス「……人に名前を尋ねるときはまず自分から名乗る、爺さんから習わなかったのか? てめぇはよ」


グラン 「……ただの人間か。かなりの魔力を消費したが、ただの人間相手に負けるほど俺は弱くない」


ヴェリス「エランド! しっかりして! エランド!」


ファダム「…こりゃ相当重傷だね」


ヴェリス「…エランド…」


レオニス「…ただの人間か。そうだな、否定はしねぇ。だが……肯定もしねぇぞ。ただ強くなった人間ってとこでどうだ」


グラン 「!? しま-」


ヴェリス「…グランを…吹き飛ばした……!?」


レオニス「確かに俺のフルパワーじゃてめぇを倒せる可能性はかなり低い…ただそれはお前がフルパワーだったらの話だ」


ファダム「…4年前の戦闘訓練に負けて以来、信じられない程強くなったみたいだからね。凄いよ、あの人」


グラン 「……っ……」


レオニス「他の奴を呼べなんて舐めたこと言わねぇ、帰れ」


グラン 「ぐっ……覚えていろ……必ず……殺す…!!」


ヴェリス「……」




(宿)

レオニス「おい、まだ着かねぇのか!」


ファダム「わかんないっすよ…。なんせ急な話だったんで」


ヴェリス「エランド……もうすぐで…お医者さんが診にきてくれるから…頑張って…お願い…!」


レオニス「チッ……」



アイリア「エランドさんっ!!」


ヴェリス「アイリアさん!? え、エーベルさん!」


エーベル「話はあと。アイリアちゃん」


アイリア「は…はいっ! すぐに診ます…! すいません、私一人にしてください…!」



ヴェリス「……」


エーベル「…久しぶりね」


ヴェリス「は…はい」


エーベル「大丈夫、お兄さんは助かる」


ファダム「信じてあげてよ、ヴェリスちゃん」


ヴェリス「…うん……あ…あの」


ファダム「…?」


ヴェリス「皆さんが…同じタイミングでここに集まるなんて…って思って」


レオニス「…同じタイミングも何も、ファダムの仕事場は俺、エーベルと一緒だ」


ヴェリス「…え?」


エーベル「フフッ。疑問に思うのも無理ないわ。遺跡で何か起こってるってのを聞いてファダム君にアイリアちゃんを呼んでと頼まれたの。さすがは知将ね、行動が速いわ」


ファダム「そう。卒業後はお世話になるってコトナ学園の生徒がとても多いんだよ。特に平凡な俺みたいな生徒は特にね。知将じゃねっす」


レオニス「俺が平凡みたいに聞こえるなぁ?」


ヴェリス「…! アイリアさんの魔力が……」



アイリア「……とりあえず…傷は塞ぎました…。しばらくしたら…治ると思います…」


ヴェリス「エランド!」


アイリア「…疲れて眠っちゃってるみたいです」


ファダム「…ありがとう、アイリアちゃん」


アイリア「私にはこんなことしかできないので…。お役に立ててうれしいです」


レオニス「…どうする」


エーベル「…? どうする、とは?」




アイリア「…よ…4人…!?」


ヴェリス「…はい。エランドが戦ったグランは…その4人の中で最も弱いみたいです」


レオニス「…最も弱い奴でエランドと同等…。ハッ……なんだそりゃ」


ファダム「次いつ攻めてくるんだろう。ある程度時間があるなら…まだ強くなれる可能性もある」


ヴェリス「……ジャック…ジョーカー…」


エーベル「…トランプの話?」


ヴェリス「グランが…ジョーカーから授かった名前が…ジャックだって…」


アイリア「…? ファダムさん…?」


ファダム「…敵は5人かもしれないよ」


レオニス「どういう事だ?」


ファダム「エーベルさんの言った通り、トランプを基準に考えるなら…グランがジャック。他の三人はクィーン、キング、エース……大将がジョーカーってのはどうかな、ってさ」


ヴェリス「!」


アイリア「ま、まってください! でも、本当にそうなら……」



エランド「勝ち目がないって言いたいのか?」


レオニス「…えらく早起きじゃねぇか」


ヴェリス「エランド! 大丈夫なの!?」


エランド「…あぁ。歩いたりする分にはな…。アイリア、久しぶりだな。ありがとう。レオニス、助かったよ、サンキュ。エーベルさん、久しぶり」


アイリア「…っ! はいっ……」


エーベル「…無事で何より。良かったわね」


エランド「…よいっしょ…っと…」


ヴェリス「…無理…しないでね」


エランド「…あぁ」



レオニス「…てめぇはどうするつもりなんだ」


エランド「……正直…わからねぇ」


ファダム「無理もないよ、ルシファーを倒した男がどっこいどっこいだったんだからね」


ヴェリス「…エランドと…私…」


エーベル「私とレオニスって所かしら」


エランド「! レオニスも戦うのか…?」


レオニス「てめぇ俺が普通の人間だから勝てねぇなんて言うんじゃねぇだろうな」


エランド「心強いって言いたいんだよ」


ヴェリス「…ふふっ」


アイリア「…あの…すいません。外の雰囲気が…」


ファダム「……!」


エランド「あいつらだ…!」


レオニス「早すぎる…どうするんだ…!」


ヴェリス「…私が戦います」




ハーレ 「…出てきたな」



ヴェリス「…それ以上…みんなを傷つけることは許さない!」


ファダム「…1人で現れたみたいだね。好都合とでもいえば良いのか」


レオニス「…フルパワーってのがどんなもんか知るチャンスだ」


エーベル「振るえてるわよ、レオニス」


レオニス「…正直怖くてたまらねぇ…だが…それがいい」


エランド「変わってねぇな、お前」


アイリア「…何て言ってるんでしょう…?」



ハーレ 「我が名はハーレクイン。ジョーカーよりクィーンの名を授かりし者…参るぞ…!」


アイリア「早い!」


ヴェリス「っぐ! …早い!」


ハーレ 「フンっ! グランと同等というだけで勝てるとは思わないことだ! イビルハウンド!!」


エランド「ヴェリス! 下だ! 痛っ…」


ヴェリス「っ! …危ない…。はぁぁっ!!」


アイリア「お、大きな声なんて出したらまた傷が…!」


エランド「アイリア…。今…俺を治してくれ…!」


ファダム「…何を…お前まさかもう戦う気か!?」


ハーレ 「所詮二番手…戦った所で何も生まないのはわかっているだろう?」


ヴェリス「サン……」


ファダム「…スキが大きすぎる! ヴェリスちゃん! よせ! …? 違う! あれは!」


ヴェリス「ネメシス!!」


ハーレ 「…フフッ…素晴らしい魔力だ…だが……はっ!」


ヴェリス「ぐっ!? …ぅ…げほっ…!……」


ハーレ 「……デッドクラウン…! 消え去るがよい」


アイリア「……! アイリアさんが…!」


レオニス「……避けろ! ヴェリス!」



ヴェリス「女神…解放!! イノセンスブレイド……時間は5分…一瞬で決める」


ハーレ 『雰囲気が変わった…!』


ヴェリス「はぁぁぁぁぁぁっ……せやぁぁっ!」


ハーレ 「ぐぅぅっ!? くっ…アルガヴィス!! ……私も本気を出そう……!!」


レオニス「ヴェリスも…あんなに強くなってやがったのか…」


ファダム「底なしの強さだね…この2人はほんとに」


ハーレ 「…決める! …死ねぇぇぇぇっ!!!」


ヴェリス「…今だ…サン・スパークル!!」


ハーレ 「……かかったな」


ヴェリス「えっ……!? 何…ま…真っ暗になった…イヤ…嫌嫌嫌嫌!! 何!?」



レオニス「…な…何やってる…あいつは!」


ファダム「…幻術…いや…そんなレベルじゃない…」


ハーレ 「ふんっ」


ヴェリス「う゛ぁっ! 助けて…嫌…怖い…何も見えない…!!」


レオニス「…見てられねぇ…クソがッ!!」


エーベル「レオニス!!」


ファダム「…アイリアちゃん! エランドは!」


アイリア「ま…まだかかります…!」


ファダム「急いで!」


アイリア「わかってます…! わかってます!!」




レオニス「ぞぉぉらぁぁぁっ!!!」


ハーレ 「…邪魔だっ!」


レオニス「がぁっ!?…っち…お゛ぉぉァァァッ!!!」


ハーレ 「なっ!? くっ…」


レオニス「ドラゴンハウル!!! 吠えろ!! そぉらぁぁぁっ!!」


ファダム「ヴェリスちゃん!! しっかりしろ!」


ヴェリス「嫌…嫌……来ないで……」


アイリア「……これ以上は無理です…!」


エランド「こんだけ治してくれりゃ充分だ…!! 」


エーベル「エランド君!? 何を…?」


エランド「…ヴェリス!!」




レオニス「っぢぃっ! まだか! さっさとしろ! ごぉぁっ!?」


ヴェリス『エランド…?』


エランド「騙されるなァァァッ!!! 目で感じられないなら……! わかるだろ……!!!」


ヴェリス『…! …全部嘘…! 聞こえる、声が…全てが…!』


エーベル「レオニス!?」


レオニス「づぅっ…! あとは好きにしな……」


アイリア「レオニスさんが…」


ファダム「エランド!」


エランド「見てろ…俺の片割れが…どんだけ強ぇ奴か…わかるからよ!」


ファダム「…!」



ハーレ 「終いだ。っ! …何? 私の冥術を…破った?」


ヴェリス「…破ってなんかいない、今も私の目には何も映っていない」


アイリア「目を…閉じたまま…ハーレクインの攻撃を…止めた…?」


エランド「まーだまだ…。落ち着けよ」


レオニス「ヴェリス…お前…」


ヴェリス「…ごめんなさい、レオニスさん。私のせいで」


レオニス「…っは。さっさとやっちまえ」


ヴェリス「…! はいっ」


ハーレ 「この私を…本気で怒らせたな……!!」


ヴェリス「それは私の台詞だよ。もう…迷わない! …サクリファイス」


ハーレ 「な…に……ぇ…?」




ファダム「……み…見えなかった……」


アイリア「…や…やりました…やりましたよ…ヴェリスさん!」


エーベル「ヴェリスちゃん! 後ろ!」


レオニス「どけッ!! う゛ォォァッ!!」


ヴェリス「レオニスさん!?」




サイ  「仕留めそこないましたか」


アルガ 「まさか庇うとはねぇ」



エランド「…あいつら…!」


エーベル「エランド君…あれが…!」


アイリア「残りの2人…!」


レオニス「く…そ…」



サイ  「様子を見に来たと思えばこれだ。どこまで私たちに恥をかかせれば気が済むのか」


アルガ 「グランもハーレクインも使えねぇって話だねぇ。処理されて当たり前だ、特にグランは。ハーレクインは処理されたみたいだけどなぁ」


ヴェリス「貴方たち…仲間なんでしょう…!?」


アルガ 「仲間ぁ? 随分とできた関係だとお思いで?」


エランド「…ファダム…アイリア…逃げてくれ」


アイリア「…で…でも!」


ファダム「…俺達には俺達のやれることをやろう」


エランド「…ファダム…一体何を…!」


ファダム「…死ぬなよ」




アルガ 「逃がしていいの?」


サイ  「問題ありません。どうせ遅かれ早かれ死にます」


アルガ 「そ。んじゃ、やってもいいかな?」


サイ  「グラン達がやられてしまった今、どうしようもありませんからね」


アルガ 「…そんなにボロボロで俺達とたたか-え?」



レオニス「…え…エランド…!」


エランド「来いよ」


エーベル「…何…今の速度…」


サイ  「凄まじいな、昨日よりも明らかにパワーが何倍にも上がっている」


アルガ 「…ふざけんじゃ…ねぇぞぉぉァァァッ!!」


ヴェリス「エランドの魔力が…? どうして…」


エーベル「…アイリアちゃんの治療効果ね。彼女の治療には心核しんかくのパワーを膨れ上がらせる力がある。学園では開花しきらなかった…れっきとした…彼女にしかない能力よ」


エランド「すげぇ…なんだ…このパワーは…」


アルガ 「…行け…カオスドラゴン…!!」


エランド「…シャイン…スプリット…!!」


サイ  「…ほう」


レオニス「なんて奴だ…! ドラゴンを…一瞬で消し去りやがった…」




アイリア「私達にできる事って…なんですか?」


ファダム「…助っ人を呼びに行くんだよ」


アイリア「え…?」


ファダム「…あいつらの親父さん達だ」


アイリア「!? で…でももう二人とも亡くなって…」


ファダム「天界に行く。ジョルド遺跡の最奥には石碑がある。そこに書かれた言葉を読むことができた者だけが天界への扉を開くことができる。コハイク語、得意だろ?」


アイリア「…はい…!」


ファダム『…お前の親父さん達が…二度と人間界に降りて来られないのは知ってる…だけど…一縷の望みでも諦めない…! なぁ、お前ならそう言うだろ…!』




サイ  「…これ程とは」


エーベル「このまま押し切れば…行ける…!?」


レオニス「ハーレクインが行っていた…自らの形態を変化させて魔力を何倍にも引き上げるあの技…あいつも持ってるだろう」


エーベル「…。傷は大丈夫なの…?」


レオニス「ヴェリスやあいつに比べたら屁でもねぇ」


ヴェリス「…私のせいで…ごめんなさい」


レオニス「…ハッ。んなツラすんな、俺は謝ってほしくて庇ったわけじゃねぇ」


エーベル「仲間だから、でしょう」


レオニス「俺のセリフとってんじゃねぇぞ」




エランド「出せよ、本気をよ」


サイ  「…挑発に…乗りますよねぇ。そりゃあそうだ」


アルガ 「ハッ…クハハハハハハ!!! フゥーッ!!! 後悔すんぞ…我が名はアルガ…!! ジョーカーよりエースの名を授かりし者……アルガヴィス…!! 塵すら残らねぇぞ……!!」


エランド「…そうだろうなぁ…塵すら残らねぇのはてめぇの方だ…!! せやっっ!!」


アルガ 「っ……マザーブラッド…… お゛ぉぉぉぉぉぁぁぁっ………不細工だろ…だが…不細工でいい…負ける方が何倍不細工だからなァ……ギィィァッ!!!」


エランド「っ! ……てめぇらにはお似合いの姿だぜ」


レオニス「効いてねぇのか…!? あの攻撃が…」


エーベル「いや…効いてないんじゃない」


ヴェリス「いなしている…?」


エランド「…後ろのてめぇも準備しとけ。そう出番は遠くねぇぞ」


サイ  「…随分と…舐めた口をききますね」


レオニス「馬鹿野郎…あれで二人がかりで来たらどうするつもりだ!」


ヴェリス「違う…二人がかりの方が好都合なんだ…」


エーベル「…どういう事…?」


ヴェリス「今…エランドはアイリアさんの治療のおかげであそこまでのパワーを出していますが…それでもあの後ろの男を仕留められるとは限らない…。だから魔神解放で決めようとしている…でも今の覚醒状態で…魔神解放を重ね掛けなんてしたら…肉体への負担が大きすぎる…」


レオニス「だから…さっさと終わらせたいってか…?」




アルガ 「邪魔すんじゃねぇぞ…サイィィィッ!!!」


サイ  「邪魔? 邪魔なのはあなたの方ではありませんか」


アルガ 「何…!!」


サイ  「…その程度の男すら仕留められないとは。結局あなたもグランやハーレクインと何も変わらない」


アルガ 「…お前から先に殺してやる…サイ…!」


サイ  「……できるものならやってみなさい。ネクロプリズン」


アルガ 「!? っ…あがぁっ……ぐぅ……お゛ォォォォァァァァッ…」




ヴェリス「そ…そん…な…仲間割れ…なんて…」


レオニス「…狂ってやがる…仮にも仲間だろうがよ…」


エーベル「……」



ファダム「…アイリアちゃん…!」


アイリア「…はいっ……やってみます…!」


ファダム「…頼むぜエランド…ヴェリスちゃん…!」



エランド「…仲間、じゃねぇのか」


サイ  「…アルガが答えたはずですが。いいでしょう、この際すべての疑問を解消して差し上げたい。確かに、組織的には仲間という認識で問題ありませんね。ええ、組織的には…です」


エランド「…ジョーカーってのは何だ」


サイ  「…ジョーカー…。フッ。私たちが仕えている者…と答えれば満足でしょうか?」



エーベル「やっぱり…まだいたのね」


レオニス「……」


ヴェリス「エランド…」



エランド「…目的は?」


サイ  「…グランが答えたかと思いますが? やれやれ…。復讐ですよ、ヨウとクウが2年前にお世話になったはずです」


エランド「……そうか」


サイ  「私の後ろに回り込み斬りつける」


エランド「!?」


サイ  「…申し訳ない。あなたがそんな行動を取るような気がしたのです」



レオニス「…まさか…あいつ…」


ヴェリス「行動を…読める…!?」



エランド「っ……行くぞ……」


サイ  「左…後ろ…右…下…真上から魔弾を放つ」


エランド「何故ッ!」


サイ  「我が名はサイ。ジョーカーよりキングの名を授かりし者。参ります」


エランド「っぐ!? 嘘だろッ!」


エーベル「何!?」


レオニス「どう動いても動きが読まれちまうんだ…! 避けられるものも避けられねぇ…!


ヴェリス「あいつの読みを撹乱できれば……。! そ…そうか…ッ!」




サイ  「グラン、ハーレクイン、アルガと同じくらいの強さだと思ってもらっては困ります。私は3人よりも遥かに強く、完成されている」


エランド「げほっ…げほっ…ぐっ…ぅ……!!」


レオニス「よせエランド! てめぇの身体が持たねぇぞ!!」


エランド「…魔神解放ォォォッ!!!」


サイ  「アルガヴィス」


エランド「ずあぁぁぁっ!!」


サイ  「私には敵わない。悟りなさい」


エランド「っ! シャイン…スプリット!」


サイ  「…魔弾が…何ッ!?」


ヴェリス「…フェアリーミスト……」


エランド「はぁっ…はぁっ…はぁっ……っ…ヴェリス…?」


サイ  「この私が…攻撃を…受けた…?」


ヴェリス「…私やエランドの行動が読めても…私たちの連携は読めない…だって私たちにしかわからないことだから」


サイ  「フフッ…クフフフフフッ…面白い…ただ一発当たっただけでそこまで楽観的になれるとは」


ヴェリス「サン…バースト!!!」


レオニス「エランドに撃ちやがった!?」


エーベル「ヴェリスちゃん…何を!?」


サイ  「気でも違いましたか! 面白い…!」


ヴェリス「…ふふっ」


サイ  「何がおかしい…!!」


エランド「リフレクサイン!!」


サイ  「跳ね返した!? しまったっ! ぐぅぁぁぁっ……!」


ヴェリス「…サン・イノセンス…!」


サイ  「…このままでは終わらん……! アポカリプス…!!」


エランド「…サクリファイス」


レオニス「あの技は……!」


ヴェリス「!?」


エーベル「…ヴェリスちゃんがさっき使った技…!」


エランド「行け…ヴェリス!」


レオニス「次はヴェリスに…!」


ヴェリス『…大丈夫…大丈夫だよ…私ならできる……私なら…!』

    「リフレクサイン…!!」


サイ  「馬鹿な!? 何故…こうも攪乱されるのだァァァッ!!!」


エランド「何故か?」


ヴェリス「信じているから」


エランド・ヴェリス「仲間を」




レオニス「は…はっは……やりやがった…やりやがったぞ……!」


エーベル「…ひやひやしたわ……良かった…」


レオニス「大丈夫か?」


エーベル「腰が抜けたわ…」




ヴェリス「…!?」


エランド「なんだ……この魔波は…!」


ヴェリス「頭が……割れ……そう…だよ…!」


エランド「……ジョー…カー……!! ぐっ…ぅぅ……」



(黒い次元の穴が出現するとそこから姿を現し)

ゼロア 「なかなかの余興だったぞ…エランド=レグルス…ヴェリス=レグルス」


ヴェリス「…ぅ…ぁぁっ……」


ゼロア 「この私がジョーカーだ」


エランド「…お前が……!」


ゼロア 「そう睨むな?楽しくお話でもしようじゃないか…最後の時間だぞ…?」


エランド「ふざけるな……!」


ゼロア 「それは貴様の方だ」


エランド「…何…っ!」


ゼロア 「私達の何を知っている。住処を奪われたことがあるか…? 明日に恐怖したことがあるか? この憤りが…貴様らに理解できるのかァァァァァッ!!!!」


エランド「ぐぅ…ぉ…ぁ…」


ゼロア 「毎日平凡な日々を送る人間には理解できまい…復讐の本当の意味も…価値も」


ヴェリス「…っ……でも…人を傷つけて良い理由にはならない…!」


ゼロア 「綺麗ごとを。ふんっ」


ヴェリス「がっ……く…ぁ……」


エーベル「…ヴェリス…ちゃん……くっ……!」


レオニス「…情けねぇ……」


エーベル「何も…できない……何も…何も…! このまま見て終わるくらいなら……はぁぁっ!!!」


ゼロア 「……何だ?」


エーベル「ひっ……うぐっ…」


レオニス「エーベルッ!!! てめぇ……クソガぁぁッ!!」


ゼロア 「ふん。貴様らも同じ…罪深い人間だ。自らが戦えないのを理由に全てを放り投げる」


レオニス「ぅ…っ……」


エランド「…違う……! 皆が居たから…俺達は強くなれ……あ゛……ぅ」


ヴェリス「エランド…エランド! しっかりして…!エラ………」


ゼロア 「貧弱過ぎる…」




ヴェランド「…よく頑張った。流石、私の息子…娘だ」


シーナ 「…顔を上げてください。エランド、ヴェリス」


エランド「と…う…さん」


ヴェリス「お母……さ…」


ゼロア 「誰だ」


ヴェランド「また逢えたな」


エランド「…どう……し…て」


シーナ 「貴方たちのお友達が天界へ…助けを求めてやってきたのです。ミカエル様が…特別に許可を出して下さいました」


ヴェリス「…た…す…け」


ヴェランド「ファダム、アイリアと言ったな…。彼らに感謝しなければならない…こうしてまた…お前たちに逢えた…」


ゼロア 「質問に答えろ」


シーナ 「…シーナ=レグルス」


ヴェランド「ヴェランド=レグルス……。私達の…逆鱗に触れた様だな、ゼロア」


シーナ 「……行きます」


ゼロア 「…フン…何人で来ようと同じ事…何…!」


ヴェランド「…甘く見ないことだ、人を強くするものは何も憎しみだけではない…怒りだ…ふんっ!!」


ゼロア 「っ!? なっ-」


シーナ 「ホワイトイノセンス…! 」


ゼロア 「どういう事だ……明らかに貴様らの力は…俺よりもはるかに下だ…」


シーナ 「ギルティチェーン…マスター!」


ヴェランド「…ホーリースプリット…!!」


ゼロア 「…ぬぉぁぁぁっ!? っぐ……な…何をする気だ…!」


ヴェランド「立て…エランド!」


エランド「…っ」


シーナ 「ヴェリス…聞こえますか?」


ヴェリス「…ん…」


ヴェランド「諦めるな。希望を捨てるな。自分を信じろ」



エーベル「レオ…ニス!」


レオニス「ぅ…ぐっ……なんだ……エランド…が…立ってやがる…」



エランド「…父さん…俺に…でき…るかな……」


ヴェリス「…おかあ…さん…」


ゼロア 「……世界を統べるのは…冥界の王…ゼロアだ……貴様らなんぞに復讐を邪魔されて…たまるものかァァァァァァッ!!!!!」


ヴェランド「…父さん、母さんを信じろ」


エランド「…あぁ」


ヴェリス「…うん…っ!」


シーナ 「大丈夫です…あなた達なら」


ヴェランド「…後はお前たちの仕事だ……!」


エランド「…ありがとう…父さん…母さん…!」


ヴェリス「…やってみる……」


エランド「魔神…解放…!!」


ヴェリス「…女神解放!!!」


ゼロア 「終わらせてやる……ジ・アルガヴィス!!」


エランド「ヴェリス」


ヴェリス「…うん…借りるね」



レオニス「ヴェリスが…エランドの剣を…!」


エーベル「…二刀流…!? エランド君は…!」



エランド「行くぞ……30秒だ…頼んだ」


ヴェリス「…うんっ…! はぁぁぁぁっ!!」


ゼロア 「させん…させんぞ! くっ! 邪魔だぁぁぁっ!」


ヴェリス「通さない…! フェアリークラウン…!」


ゼロア 「クソッ…クソッ…! お゛ォォォォッ!!!」


ヴェリス「っ!! …諦めない!」


エランド「そうさ…折れたっていい、絶望したっていい。問題はそこからどうするかだ…!」


ゼロア 「…エランド=レグルスォァァァァァツ!!!」


ヴェリス「絶望を諦めることが…希望を見出すことだから…!」


エランド「…クラン…ブレイド……」


ゼロア 「まだだ…まだ俺の復讐は何も始まっちゃいないァァァァッッ!!!」


エランド「…仲間って…いいぜ。じゃあな…!」


ゼロア 「…ぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!!!!」



ヴェランド「行こう、シーナ」


シーナ  「はい、マスター」



ヴェリス「ぅっぁ…や…った…」


エランド「…勘弁…してくれよ……」


レオニス「ぐっ……おい…! 大丈夫か!」


エーベル「…大丈夫…息はしてる…」



ファダム「おーい!」


アイリア「…皆さん!」


レオニス「お前ら…!」


エーベル「今までどこに?」


ファダム「天界に…。ね、死者じゃないと魂しか移動できないのでさっきまで遺跡で寝ちゃってたんです。…終わったんですね」


アイリア「…エランドさん! ヴェリスさん!? はわわ…レオニスさんもエーベルさんも大怪我じゃないですか…!」


レオニス「こいつらに比べたらかすり傷だ…治してやってくれよ…」


エーベル「……ふふっ」


レオニス「あ?」


エーベル「…なんでも。好きよ、レオニス」


ファダム「ちょっ」


レオニス「はぁ? いきなり何言いだしやがる」


アイリア「そ、そそそそういうお話は2人きりの時とかに…」


エーベル「…思った時に言わないと。ありがとう、レオニス」


レオニス「…ケッ」


ファダム「で、レオニスさんはどうなんです?」


レオニス「てめぇ、殺されてぇのか?」


ファダム「そんなにボロボロでおっかないこと言わないで下さいよ」


レオニス「はぁ……まぁ…なんだ。嫌いな奴の為にキレたりはしねぇな」


ファダム「えらく遠まわしだなぁ…」


エーベル「…いいのよ。それでも」




(そして3日が経ち)

ファダム「ちょっと…荷物多すぎだよ…アイリアちゃん…」


アイリア「エランドさん達が目を覚ましたらいっぱいご飯を食べないと…!」


ファダム「…ほんとにエランドが好きなんだね」


アイリア「っ……はい」


ファダム「いいじゃん、応援してるよ。俺」


アイリア「時々ファダムさんいじわるですし…本当に味方かわかりません…っ」


ファダム「まあ否定はしないよね。意地悪は好きだよ」


レオニス「じゃあ意地悪されるのも好きだよなぁ? おら、俺の荷物も持て」


エーベル「あらあら…ファダム君潰れちゃうわよ」


ファダム「…おっも……やーっべ…」


エーベル「…(匂いを嗅いで)……あれ…? 変な匂いしない…?」




レオニス「何やってる…お前」


ヴェリス「えっ」


ファダム「え、じゃないよ……目覚めたんだ」


ヴェリス「……エランドが目覚めた時のために何かを作ろうかな…なんて…」


エーベル「…こ…これは…」


アイリア「も、もう傷…痛くないですか…? エーベルさん?」


エーベル「…鍋の中身はお見せできないわ」


ファダム「学年主席も意外な弱点があったんだねぇ」


ヴェリス「…??」


レオニス「おいアイリア。エランドに作ってやれよ、愛妻料理を」


ファダム「おー、いいねいいね。作ろう作ろう」


アイリア「あっ、あああああああああ愛妻!?」




エランド「ふわぁぁぁぁっ…騒がしいな…何やってんだ…?」


レオニス「目覚めたか」


アイリア「エランドさぁぁんっ……! 良かった…良かった…元気になって…良かったですっ…」


エランド「お…おいおい…抱きつくなって……!」


ヴェリス「ふふっ」


エランド「え? ど、どうした?」


ヴェリス「…お似合いだよっ。エランド」


アイリア「エランドさん…!」


エランド「…どした?」


アイリア「す…す…」


エランド「おう、好きだぜ。お前の事」


アイリア「えっ」


エランド「いっつも寂しい思いさせてごめんな。すぐいなくなっちゃってよ」


アイリア「……は…はいっ…ぐすっ……」


ヴェリス「泣~かした泣~かした」


レオニス「なんて奴だぁ」


エランド「ちょ…俺っ!?」


アイリア「…もういなくならないで下さいね…傷だらけにもならないでください」


エランド「……あぁ」


アイリア「もしまた…いなくなったら…訴えますよ…!」




(そして…)

アイリア「カルラレリアのディープスポット…」


エーベル「…地元でも意外と知らないことって多いものね」


ファダム「ま、せっかくならみんなで観光ってことで」


レオニス「良く食うなぁエランド!」


エランド「なに、俺の方が食うぞ!」


ヴェリス「そんなことで張り合わないでよ……」


アイリア「…私、来るの初めてなので!! あ、あれなんですか!あれ!」


エーベル「…あれはね」


ヴェリス「エランド、あのパン見て! すっごく大きいよ!」


エランド「ちょ、引っ張るなってお前ら!」


ファダム「なんだかんだ楽しそうじゃん、エランド」


エランド「えっ?………あぁ。」



エランド『仲間って、いいぜ』




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ