Change the World 後編 書き変わる世界【蘇る英雄編】
エランド=レグルス (20) ♂
変わりつつある未来。優しく、正義感が強い性格。
本来彼はルシファーと相討ちになり、この世を去るが
それをよく思わず、時を越え会いに来たヴェリスとの特訓を経て
凄まじい強さを手に入れた。
ヴェリス=レグルス (20) ♀
エランドの妹。まさかエランドが世界に帰って来ることも知らなければ、
本来エランドが消えてしまうという未来も知らない。
だが、現時点エランドの存在を確認できていない彼女の心には
深い悲しみが残されている。
アイリア=フィナーノ (20) ♀
エランドに恋心を抱いている。
少し不思議ちゃんな所もあるが、治療魔術が得意で
エランドの事を心配し、カーリーとの戦いを見守る。
彼女も未来のヴェリスと一緒にいた仲間であり、もちろん
その未来の情報は欠片も知らない。
カーリー (?) ♀
本来の歴史ではヴェリスに倒される。
だが、何故かエランドの前に現れ、戦闘意思を見せる。
妖艶なその容姿と余裕に溢れたその様子はまさに
破壊の女神。激昂し、魔力を最大限に解放すれば
腕の数は6本へと増える。
ゾルダート=クロー (27) ♂
現在、サタンと契約している男。
本来の歴史ではルシファーに敗れ命を落とすが
今のところはヴェリスとアイフィスとで山で暮らしている。
血の気が多い性格で、面倒くさがりなところもあるが
エランドの師でもある人間。
アイフィス=ラグナ (23) ♀
ゾルダートと同じく本来であればルシファーに挑み、命を落とす。
だが、歴史とは違う動きを見せる世界であるため
今は普通に暮らしている。
大人のお姉さん、と言った感じで元気のないヴェリスを元気づけたりと
優しい一面がたくさんとある。
ルシファー (?) ♂
今回の歴史の改変を行うに当たっての元凶。
言葉で説明するには軽すぎるレベルの強さを誇り、
全人類の力を得たエランドが倒しきれなかった魔王。
その絶対的な己の力への自信は揺るぐことは無いが、
やはりサタンという魔王の存在には何か思うところがある様だ。
サタン (?) ♂
現在ゾルダートと契約中の魔王。
普通の魔王とは違い、世の中を手に入れることなどに全くの興味が無く
ただ、自身の力を最高に振るってくれる者を永遠に探し続ける。
魔王…いや、魔神王に相応しいその様子は威圧以外の何物でもなく
ルシファーを死に追いやった存在でもある。
ヴェランド=レグルス (故) ♂
双子の親にあたる男。
優しく温厚な性格で、不安でありながらも
地上の戦いの様子を見守り続ける。
エリス=シーナ (故) ♀
ヴェランド、ゾルダートの師匠にあたる女性。
マスターの雰囲気を漂わせており、
戦士としての強い心を持っている。
お酒に弱い。
シーナ=レグルス (故) ♀
双子の母親にあたる女性。
落ち着いた性格でいつも冷静。
だが、誰よりも双子の事を大切に思っている。
エランド ♂:
ヴェリス ♀:
アイリア ♀:
カーリー ♀:
ゾルダト ♂:
アイフィ ♀:
ルシファ ♂:
サタン ♂:
シーナ・ヴェランド・エリスは誰かに兼ねていただければと思いますが、
作者側として、台詞数的な推奨で行くと
ヴェリス/シーナ
カーリー/エリス
サタン/ヴェランド
となります
『』…マインド
---------
アイリア「カーリー……?」
エランド『何を震えてるんだ俺は……ヴェリスが言ってた通りに歴史が進んでないだけだ……!』
アイリア「エランドさん……? どうしたんですか…? そんな怖い顔して…」
カーリー「フフフフッ……強い子…だーれだ…?」
ゾルダト「おかしい…」
アイフィ「どうしたの?」
ゾルダト「サタンの魔力がうまい具合に通ってねぇ…」
アイフィ「そんな事…? ヴェリスちゃんの方がよっぽど心配よ」
サタン 「………主、私の魔力が他の人間にも流れている」
ゾルダト「誰だよ…ったく………エラとかか?」
ヴェリス「っ! …………エランド…」
アイフィ「…ゾルダート、そんな話なら表でやってちょうだい…」
ゾルダト「……ったくよォ……(外出て)………エラに流れてるってのか?」
サタン 「わからん…だが……感じる…確実に私の魔力は誰かの体内に漏れている」
ゾルダト「……それがエラだってんならリスにあいつは生きてるって教えてやれるのによォ…随分と不都合な所だけ隠してくれるじゃねーか?」
アイフィ「ヴェリスちゃん…いつも言ってるけど…きっとエランド君は帰って来る、あなたを置いて消えちゃうようなお兄さんじゃない。わかってるでしょう…?」
ヴェリス「……でも……そろそろ1年経つって言うのに……どうして…」
アイフィ「…彼を信じる事しかできない…」
ヴェリス「……お兄ちゃん……」
カーリー「…おかしいわね? この世界に助っ人が来るのは……もう少し後だと聞いていたんだけど?」
アイリア「……なん…ですか…あの人……見ているだけで……ヘンになりそうです…」
エランド「間違いねぇ……カーリーだ…」
カーリー「あら? 自己紹介してもいないのによく御存じで…」
エランド「っ………聞いてるぜ……お前もルシファーも恐ろしく強いってな…」
アイリア「ルシファー…? さっきから何なんですか…? それ…って…え?」
エランド「下がってろアイリア……かなり派手に暴れるぜ…」
アイリア「は…はいっ…! 怪我しないでくださいね…!」
カーリー「派手に暴れる…? 私が? 派手に暴れるまでも無くあなたを消すことは可能…体から放っている魔波のあきらかな差を感じていないの?」
エランド「…フッ…。さっきお前が俺の前に現れた時は一瞬焦ったぜ…どうしてか…? お前が俺の魔力の絶対量を読んで…強い子だれだなんて言ったんじゃねぇかってな…?」
アイリア『あれ……? 学園生だったころのエランドさんと雰囲気が違う…どうして…』
カーリー「何が言いたいの…? お姉さん…あまり長い話は好きじゃないの」
エランド「俺の今の魔波で強い人間だと判断したならそりゃマズいぜ?」
カーリー「そうね、あなたの魔波はたしかに強力。だけど、私に敵うほどの大きさではない…残念ね」
エランド「残念なのはお前だカーリー。俺からいま流れている魔波は抑えきれずにやむ得ず漏出してる分だ…。本気の俺が知りたきゃ……うぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁっ! この魔波を感じ取って天秤にかけるんだな」
カーリー「!? なに…この魔力は……! どういうこと……魔波を…抑えきれない…どういうこと!?」
エランド「…驚いた顔してるな、カーリー。俺だって驚いてるさ…ヴェリスが俺を強くしてくれたことももちろん…。なにより、俺の最大魔力はコレの36倍にまで膨れ上がる、そう…こんな準備運動で驚いてるお前に驚いてるんだよ、俺は」
カーリー「ふふっ…ふふふふふっ…! そう…思ったより楽しめそうね……最初から私が本気を出したのはあなたが初めてよ? 坊や、言っておくけど…私の魔力もあなたが感じ取っている程優しい物じゃな-」
エランド「それで本気なら本当に俺に触れる事すらできねぇぜ、お前は」
カーリー「嘘…!? 私が……回り込まれた…」
エランド「俺がこの世界でお前らを倒しきらねぇと……ヴェリスが泣くんだ」
カーリー「誰の名前かは知らないけど、知った事ではないわ…? あまり余裕でいると……唐突な攻撃に判断つかなくなるわよ?」
アイリア「エランドさん! 後ろから!」
エランド「ぐっ…うっ…ぁっ…」
カーリー「そうね、そこまで魔力があるなら……私が吸い上げてあげる」
アイリア「…エランドさん…!」
エランド「ぅっ…ぐ…あああああああああっ! …………なんてな?」
カーリー「うぐぅぁっ!? 馬鹿な……確かに心核を捕らえたはず…!」
エランド「カーリー、お前は器に常に注がれ続けるスープを永遠に一口で飲み切れるか?」
カーリー「何の質問かしら? 飲みきれるわけないわね、それは永遠に注がれているのだから? 私をからかっているの?」
エランド「そう、お前のその攻撃じゃ俺からあふれ出る魔力を吸い上げるには追いつかねぇんだよ…残念だったな…?」
カーリー「このぉっ!」
エランド「左だ」
カーリー「あなたみたいな子供相手に私が手も足も出ない…!? 許されるはずがない…そんな事…! くっ…はぁぁぁっ!」
エランド「ふんっ…ぜやぁぁぁっ!」
カーリー「ぐっ……げほっ……ごほっ……」
エランド「本当に俺を殺す気なら、そんなもんじゃ無理だ」
カーリー「怒らせたわね……私を……この私をオオオオオオオオオオオオオオオオォォォッ!!!」
アイリア「きゃぁぁぁっ!? すごい…ものすごい魔力…エランドさん…!?」
エランド「すげぇ魔力だ…確かに一年前の俺なら出会った時のお前の魔力ですでに勝てる気がしねぇよ…だが…俺は越えた、1年後の俺を…1年前にな!」
カーリー「わけのわからない事を!! 死になさい……ブラッド・ブレス!!!!」
エランド「フッ」
カーリー「隙を見せたことを後悔なさい……はぁぁぁぁぁっ!!」
エランド「リフレクサイン!!」
カーリー「!? あれは…鏡…!? しまった……くっ…! 間に合わない…!? こんなはずは…! ルシファー様ァァァァァァァァァッ!!!」
エランド「……こんなもんだ、じゃあな。カーリー」
アイリア「……え…エランドさん…?」(あまりの強さに少し怖がって)
エランド「大丈夫だったか! …良かった…どこも怪我してなさそうだな……どうした…? そんな顔して」
アイリア「い…いえ……なんでも…ないです……」
エランド「そうか…? ならいいんだけど。……ヴェリスの家、変わったらしいな…? 俺も知らねぇんだ…知ってるか?」
アイリア「エランドさんも知らない…?」
エランド「あんまり話してるとややこしくなっちまうから…とりあえず…な?」
アイリア「は…はいっ……あ…その…手…握っても…いいですか…?」
エランド「ぇ…? 別にかまわねぇけど……」
アイリア「……あの……エランドさん…」
エランド「…どうした?」
アイリア「その…様子だと……今から戦いに…行くんですよね…」
エランド「…そう…だな。どうしてわかった?」
アイリア「学園に居た時、闘う前はいつも同じ顔をしていたのを…私はずっと見てたので………エランドさん。私…凄く怖いんです」
エランド「そんな顔…してたかもな…。怖い…?」
アイリア「……どうしてでしょうか……このままヴェリスさんの所にエランドさんが行ったら………もう会えなくなるような気がして……もう二度と話せなくなるような気がして……」
エランド「………あぁ。たしかに……本当ならそうなるかもしれねぇな」
アイリア「どういうこと…ですか…?」
エランド「心配すんな、会えるさ。過去でもなく未来でもなく、また現代でな」
アイリア「過去…? 未来…?」
エランド「そこは気にしなくていい、また会える、また話せる。大丈夫だ」
アイリア「エランドさんが言うなら…きっと間違いないです…ふふっ。私も少しどうかしていました……よしっ……嘘だったら訴えます! かならず、また私と…」
エランド「出かけるか」
アイリア「出かける……えぇっ!? ほ、ほんとですか!?」
エランド「全てが終わったら、な」
ルシファ「カーリーの魔力が消えた…お前たちのほかに戦える戦士が地上にいたとはな?」
ゾルダト「………正直今はカーリーなんてどうでもいい……」
ヴェリス「………どうしてお母さんの身体が……」
アイフィ「……触媒にされているのよ…あなたのお母さんは…」
ルシファ「そうだな…? カーリーなどおらずとも俺がこの世界を手に入れるのに何の害もない」
ゾルダト「逃げろ…リス!」
ヴェリス「え…? ゾルダートさん!?」
ゾルダト「この野郎に勝つことなんて考えるんじゃねェ! 今は逃げろ…!」
アイフィ「逃げなさい、ヴェリスちゃん!」
ヴェリス「嫌…もう…もう…1人になりたくない………」
ルシファ「追いかけっこがしたい…そう言いたいのか貴様らは? なら逃げてみるか? まぁ、貴様らがその位置から一歩動く前に俺は捕まえる事ができるぞ?」
ゾルダト「今のテメェに何ができるんだ! そんな不安定な精神で戦えるってのかァ!?」
ルシファ「フフフハハハハハハハッ! 仲間割れか? 仲間割れをしてつぶし合わずとも俺様が全てを破壊し尽くすんだ? どれだけ愚かに愚かな時間を過ごすのか!」
アイフィ「時間を稼ぐだけ! 後で必ず私たちも追いかける! 今ヴェリスちゃんが倒れたら本当にルシファーを倒せる人間はいない!」
ヴェリス「そう言ってみんないなくなるんです……後で…とか……また…とか言って…ぐすっ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁん」
ゾルダト「畜生が……どうにでもなれ…! アイフィス! ヴェリスを連れて逃げろ! 俺がこいつをなんとかする! サタン!」
サタン 「行くぞ、ルシファー!」
ルシファ「サタン…!? 事が落ち着くまで待ってやろうと思っていたがやめだ…殺す…! うぉぉぁぁぁっ!」
アイフィ「ヴェリスちゃん、来なさい!」
ヴェリス「嫌だ…嫌だ嫌だ! ゾルダートさん!!」
サタン 「私の魔力が思うように動かん…」
ゾルダト「緊急事態に…ぐぁぁぁぁっ!?」
ルシファ「お前は軍にいた時からそうだったな? ゾルダート? 威勢だけが良い負け犬め」
ゾルダト「うぐっ……あ゛ぁぁぁぁっ!」
アイフィ「ヴェリスちゃん!」
ヴェリス「エランド……助けてよ…!!!」
ルシファ「3人もろとも死ね! はぁぁぁぁぁっ!」
ゾルダト「クソッ! サタン! ……!? どこへ消えやがった! あの野郎!」
エランド「久しぶりだな、アイフィスさんゾルダートさん」
ルシファ「……誰だ…? 小僧」
エランド「カーリーがお前の名前を叫んでたぜ? ルシファー」
サタン 「私の魔力を取り込み続けていたのは貴様だったか…エランド=レグルス」
ヴェリス「う…そ……エランド…!? エランド!」
アイリア「……あの……」
ゾルダト「なんだコラァッ!?」
アイリア「きゃぁぁぁぁぁっ!?」
アイフィ「いきなり怖がらせないの! …エランド君…?」
ルシファ「カーリーを破ったのは貴様だったか」
エランド「あぁ、わりとサックリとな…? ………母さんの身体を返せ…いや…? 本気のお前を見せてくれよ、ルシファー」
ゾルダト「何勝手な事いってやがンだエラ! いきなり現れたかと思えばサタンの魔力を持ってってるだァ、そいつに本気出せだァ? 自分がなにやってるかわかってんのかァ!!!!」
ヴェリス「エランド何を言ってるの…!? いままでどこで何をしてたのかはしらないけど…そいつは…とんでもない強さなんだよ!?」
ゾルダト「!? あいつの左腕が…普通の人間の腕に!? いや…眼帯もか…? どうなってやがる…!!」
サタン 「恐らく、この1年の間に超絶的な進化を遂げたのだ。それの根拠に…私は無理やり並列契約をさせられたのだからな」
ルシファ「本気か小僧? 本当に俺様に本気を出せ…そう言ってるのか…?」
サタン 「私は今主とエランド=レグルスとで複数の契約を行っていることになる。契約を無条件かつ勝手に奴は私に対して行った……つまりこれがどういう意味を指すか……ゾルダート=クローとの契約を絶つという事だ」
ゾルダト「どこまでも勝手なことしてくれんじゃねぇか! エラ!」
エランド「悪いなゾルダートさん!俺の左腕の関係も合って最高にかみ合う悪魔がサタンだけなんだ!」
アイフィ「まさか…本当に戦うつもりなの…? エランド君は……」
ヴェリス「……エランド……死なないで…もう…どこにも行かないで…お願いだから……ぐすっ……」
エランド「……俺が何言ってるか多分わからねぇだろうけど……ゾルダートさん、アイフィスさん…そして、ヴェリス。俺はルシファーを倒しにきたんじゃねぇ、みんなと…そして俺を助ける為にここに来たんだ」
ゾルダト「その通り…何言ってるかわからねぇなァ! だが…そこまで大見得切ったんだ、やり遂げろ! サタンでもなんでも好きに暴れてみやがれ!」
アイフィ「ゾルダートの言う通りよ…! ここまで格好良い登場の仕方で負けなんて許されない!」
ヴェリス「信じてるから……お母さんの身体を……取り戻して……もう無理は…しないで…!」
サタン 「何!? 小僧…それはまさか!?」
ヴェリス「!? エランドの魔力が……消えた…?」
ルシファ「魔力が無い状態で俺と戦おうと? 舐められたものだ! よかろう、そこまで死にたければ俺も全力で殺しにかからねば失礼と言うものだ…これが魔王ルシファーの力である!」
ヴェリス「エランド…魔力を殺して何をしているの!?」
エランド「見せてやる…これが俺の修業の成果だ…!」
サタン 「…なるほどな、契約…成立だ」
エランド「魔神・解放ォォォォォォッ!!」
ルシファ「!? 魔神解放……サタンを憑依させるのではなく…飲み込んでいるのか!?」
サタン 「意識だけの存在ではあるが…確かに感じる……凄まじい……」
ヴェリス「嘘…右目が…回復してる!? 腕も……!?」
アイフィ「あれが……エランド君の…魔力…!?」
ゾルダト「規格外なんてレベルじゃねぇ……どうなってやがる!?」
エランド「やっぱりサタンの魔力はすげぇな……悪ぃなゾルダートさん!」
ゾルダト「礼なんてナメた真似するぐらいならさっさとぶっ倒せ!」
ルシファ「ほう……貴様が俺に本気を出せと言った理由がわかった……確かに俺も力を入れん事には渡り合うのは難しそうだ…? ぬんっ!」
エランド「っは! どこ狙ってんだ…? 次はこっちから行くぜッ! うぉぉぁぁぁぁぁっ!」
ルシファ「カーリーを沈めた力がそれか…確かに納得のいく強さだ、目で見てもわかる…だが…でぇぇゃぁぁっ!」
エランド「リフレクサイン!」
ルシファ「跳ね返したか…! クフフハハハハハハハッ! 思ったより楽しめそうだな…小僧…! いや…エランド=レグルス!」
ヴェリス「すごい……何あの…強さ…」
アイリア「カーリーの時もものすごい速さで倒しちゃったんですよ、エランドさん」
アイフィ「1年で…何があったというの…?」
ゾルダト「説明ついてりゃ今俺達に理解できないわけがねェ! なんにせよサタンの魔力を飲み込んだのが解放状態ってわけだァなァッ!」
サタン 「何処でこの力を手に入れた? エランド=レグルス」
エランド「どこでもいいだろ…! っと、危ねェッ! まさかここまで強い奴と戦ってたのかよ…みんな…! サン・バースト!!」
ヴェリス「あれは……!? 私の魔術…! どうしてエランドが!?」
ルシファ「ぐぅぉぉぁぁぁっ!? くっ……ぬぉぉぁぁぁぁっ!」
エランド「ぐっ……これで…どうだァァァァァッッ!!」
アイフィ「捕らえた…!」
ルシファ「うぐぅぉっ!? ………ぐっ……」
ゾルダト「……こりゃエラの圧勝か……? だとしたら………相当にえげつねぇぞ……あの野郎…」
アイリア「さすがです…! エランドさん…!」
ルシファ「フン……貴様らになら真の姿を見せても良さそうだ…? オオオオアアアアアアアアアアッ!!!!!!」
エランド「うぉぉぁぁっ!?」 (吹き飛ばされ)
ルシファ「過去の改変をするために強くなったと聞いて期待していればこれか? 悪魔の王である俺にたてつく強さがもしその程度であれば…愚行極まり無いぞ? 小僧」
エランド「……なぜ……なぜお前がそれを…!?」
ルシファ「……不思議がっているぞ、説明してやってはどうだ? カーリー」
アイフィ「カーリー!?」
アイリア「カーリーならエランドさんが…」
カーリー「……フフッ……フフフフフッ……さっきぶり、かしら?」
エランド「どういう……事だ……!?」
ゾルダト「カーリー………あの野郎がどうしてここに…!?」
カーリー「いいわ、せっかくだから教えてあげましょうか…? 未来の自分が行っている行動すら理解していないヴェリス=レグルスさん?」
ヴェリス「…!? わ…私……!?」
ルシファ「エランド=レグルス、俺が貴様の名前を知っていたの事実もそこに結びつく。知れ、貴様の思う世界の通りに世界が輪廻しているわけではないという事を…。俺の為に輪廻している…だから貴様がこうして俺に敗北を感じているのだ」
カーリー「そう…そもそもゾルダート、アイフィス…。貴方たちは死ぬはずの未来だった…意味が分からないとでも言いたそうな顔ね? なら理解しなければいい、なぜなら理解を越えた現象が今こうして起きているのだから」
ヴェリス「死ぬはず……!?」
カーリー「そこにいるエランド=レグルスは3年後の未来から現れたヴェリス=レグルスに修行をつけられ、ルシファー様を倒す力を手に入れた…そう、3年後の世界からやってきた彼女の世界にエランド=レグルスはいない、なぜならルシファー様と相討ちになりこの世を去るから…」
アイリア「まさか……過去とか…言ってたのって…」
ヴェリス「……だからエランドが私の技を…!?」
アイフィ「そんな未来が…」
ゾルダト「俺達が死ぬはずだったなんて話胸糞でしかねぇなァ?」
カーリー「そう、確かにそのまま何の障害も無く改変を行えたのならば確かにルシファー様が敗れていた…しかし、そもそも改変をするために動いたのはヴェリス=レグルスだけではないということよ」
ゾルダト「…!? そうか……カーリーも動きやがったって事か…!」
アイフィ「改変をさせないために改変を…!? 頭がやられそうな話ね…」
エランド「ヴェリスの言ってた…歴史通りに進むとは限らない…そういう事だったのか…!」
カーリー「あなたに私が敗れてしまった理由はあなたの超絶なる成長もある…しかし、もう1つの理由として私が改変を試みたためということよ。確かに私の戦闘能力は多少落ちたかもしないけれど………後ろの4人を始末するぐらいなら容易いわ?」
ルシファ「俺に全てを捧げろカーリー、蘇らせた意味を働きで語れ」
カーリー「はっ…。ルシファー様…!」
ヴェラン「…衝撃の事実だ…まさかこの現象が改変されている未来だったとは」
エリス 「……あまりにも飛びすぎた話すぎて理解するのが精いっぱいよ…」
ヴェラン「……私たちが降りられるのは大精霊の宴のみ……見守ることしかできんとは…!」
エリス 「祈りましょう…エランド君達の勝利を…!」
シーナ 「…エランド…ヴェリス……無事でいてください……」
ゾルダト「ぐぉぁぁっ!?」
カーリー「うっふふ…苦しそうね? ゾルダート」
ゾルダト「ぐっ…う……づっ…あ゛ぁ」
アイフィ「ヴァルキリー!」
ヴァル 「フラム・シールド!」
カーリー「ふふっ…アイフィス…あなたにもいろいろとお礼がしたいの…! はっ!」
アイフィ「くぅっ!? げほっ! げほっ! はぁっ!」
ゾルダト「サタンが抜けちまっただけが理由じゃねぇ……どうなってやがる…こいつァッ!」
ヴェリス「アイフィスさん…ゾルダートさん!」
アイフィ「まずい…ヴァルキリー!」
カーリー「消し飛びなさい」
ゾルダト「スカルクラッシャー!!!」
アイフィ「ゾルダート!?」
ゾルダト「人護るなんて性格じゃねぇのによォッ! お前らに毒されたかもなァッ!」
カーリー「一度で全員倒れるか一人ずつ倒れるかの違いよ、残念ね? ゾルダート」
ゾルダト「ぐぅ……ぁ……っ!」
アイフィ「ピンクの子!」
アイリア「は…はい!?」
アイフィ「戦えないんでしょ! 逃げなさい!」
カーリー「逃がさないわよ……」
ヴェリス「……はぁっ!」
カーリー「さっきまで震えていたのに…随分と出しゃばった真似をするのね?」
ヴェリス「闘う為の力じゃない…護るための力だ…!!」
アイフィ「ヴェリスちゃん!?」
ヴェリス「エランドが戦っているのに私だけが泣いているなんてできない…! もし未来の私が………本当の平和を望んでいたならば…現在の私がそれに答えなくてどうするんだ…!」
アイフィ「……ヴァルキリー!」
ヴァル 「……はい…!」
アイフィ「…力を貸してあげて…ヴェリスちゃんに!」
エランド「ヴェリス…!? あいつ…!」
ルシファ「どうだ? 自分が存在しているがために周りの人間が愚かに命を落としていく様は? 俺には見ていて笑えてくるだけの現象にすぎん…フフフハハハハハハハハッ!」
エランド「…! てめぇ……あいつらのことを愚かな人間って言いてぇのか…!」
ルシファ「…聞こえなかったか? 聞こえなかったのならばもう一度言ってやろう…! 希望であると信じ、其の者に身を捧げる。だが、其れは希望ではない、ただの無謀の先駆者であるだけだ…其の者に託そうと散る命等、塵に等しい」
エランド「……良い事教えてやるぜ………愚か者ってのは……お前みたいな奴の事を言うんだよ………うぉぉぁぁぁぁぁっ!」
カーリー「良い目ね…? その闘志にあふれた雰囲気…ぞくぞくするわ……そういう目で見られると………消したくなる……」
ゾルダト「リス…! よせ…!」
アイリア「ヴェリス……さん…」
アイフィ「…………ふふっ」
アイリア「何を…笑っているんですか…?」
カーリー「よく有る事よ、敗北を悟った時…恐怖した時…快楽に溺れた時…あらゆる面で人は笑う」
ヴェリス「エランドにできたなら…私にだってできる…ヴァルキリーさん……私に力を貸してください…!」
ヴァル 「はいっ! お任せください…!」
カーリー「何をするつもり? ふふっ、見せてごらんなさい」
ヴェリス「女神・解放!!!」
カーリー「……まさか…!? あなたも解放状態を…今のあなたにその技は使えなかったはず…!」
ヴェリス「歴史通りに進むわけじゃない…なら…未来の私にできることが…今の私にできないわけがない!」
カーリー「死になさい…! はぁぁぁっ!」
ヴェリス「くっ……負けない…! 私は……負けない! 未来の私の意思を継ぐ…! 現在を…変える為に!!」
カーリー「ぐぅぅっ!? くっ………この世界を手に入れるのはルシファー様…! ルシファー様なの……傍に仕える者として…負けるわけにはいかないのよォォォァァァァァッ!」
ヴェリス「ヴァルキリー!」
ヴァル 「…はいっ…!」
ヴェリス「イノセンス・ブレイド!!!」
ヴァル 「聖なる光が象りし剣が悪を斬り裂かんことを」
カーリー「……過去を変えるのは…私だ…どうか…ルシファー様………あああああああああああああああ!」
ゾルダト「……まさか……とんでもねぇ兄妹だァな…? ここまでリスが戦ってんだァ! てめぇもそろそろ見せろや! エラ!」
アイフィ「未来は……変えられる! 私たちは今生きているんだから…! あなたが時間の歯車になればいい、エランド君!」
ヴェリス「エランド!」
ルシファ「そぉらぁぁぁぁっ!」
エランド「ぐぅぅっ!? クソッ! ぜぇぇぇやぁぁぁっ!」
ルシファ「うぐぉぁっ!? 何故だ…貴様のその魔力の絶対量でなぜ立ち上がる…!?」
エランド「立ち上がるのに理由はいらねぇ……何故か…? ハハッ……俺が聞きたいぐらいだぜ……負けちゃダメだ…って俺の中の何かが…俺の魂にそう叫んでんだよ!!!」
サタン 「ルシファー、貴様の理解を遥かに超越しているのがこの男だ。どれだけ貴様が強大であってもこの男に秩序は存在しない。いうなれば、無秩序であるのが秩序であるのかもしれないがな」
ルシファ「サタン!!! この俺に何度たてつこうが…何度人と契約しようが…貴様に勝ちは無い!!」
サタン 「私は、召喚魔族である事に誇りを持っている。人に仕えることが恥だと言うのであれば恥で構わない。私の恥の定義は貴様にならばわかるだろう? 魔王を語りし堕天使よ」
ルシファ「ほざけ……王でありながらのうのうと人に仕える貴様こそ魔族の恥だ……俺が築く暗黒こそが世界の礎となり、染め上げていくのだ!!!」
サタン 「良かろう、その礎とやら。見せてみろ…!!!」
エランド「チェンジ・ザ・ワールド!!!」
ルシファ「バカな!? 体が……動かん!?」
サタン 「恥の定義は力に溺れた者を言う」
ルシファ「やめろ…やめろおおおおおお!」
エランド「じゃあな、ルシファー…! これが俺達の未来だ!!! シャイン…スプリットォォァァッ!!!」
ルシファ「バカな……この俺様がァァァァァァァァァァァ!!!」
エランド「大いなる力に挑むのに1人では辛い。だから支えてくれる人がいる」
サタン 「魔族でも人間でもただ一つ揺るがないのは、人を呼ぶ者こそが王の器なのだ」
ヴェラン「……これは……!」
シーナ 「本当に……倒してしまいました……」
エリス 「あら……あまりの驚きに…私も…涙が出てきちゃった……」
ヴェラン「マスター……」
エリス 「弟子の子供たちが…世界を救うところを見ていると…ヴェランド、あなたに会えてよかったと本当に思うわ」
シーナ 「マスターに私が出会えたのも…エリス様から始まった出来事…ですものね」
ヴェラン「……誇りに思っています、エリス。あなたに会えたこと…、シーナ。君に出会えたこと…。そして、あの子達が今こうして立派な戦士であることを」
エランド「勝ったぜ……っとと……」
ゾルダト「……っは…やるじゃねぇか?」
アイフィ「終始ハラハラしっぱなしだったわよ…ほんと」
アイリア「エランドさん……無事で…良かったです………エランドさん…?」
エランド「……ヴェリス」
ヴェリス「お兄ちゃん…………うわぁぁぁぁぁぁん…!」
エランド「泣くなよ……俺も………泣いちまうだろ…っ…ぐすっ…」
ヴェリス「どうして…どうしてあなたが泣くの…?」
エランド「……3年後のお前が消えた時、不安で仕方なかった……本当に俺はみんなを守れるのかって……」
ゾルダト「護れてるじゃねぇか?」
アイフィ「ふふっ、その通りよ」
アイリア「これで……全てが……終わったんですね」
ゾルダト「何も終わっちゃいねぇよ」
アイフィ「あら? じゃあ…どうしたっていうの?」
ゾルダト「今から始まるんだろォ? 次またいつあんな奴らが現れるかもしらねーんだぜ?」
ヴェリス「ははっ……そんなのもう…ごめんだよ……」
エランド「もう…勘弁してくれよな………」
アイリア「あれ……? 空から光が…!」
ヴェラン「……そう言えば…今日は大精霊の宴でしたね」
エリス 「……戦士たちの勝利をお祝いに…行きましょう」
シーナ 「はいっ!」
ゾルダト「おぉ? エリスにヴェランド…シーナじゃねぇか?」
アイフィ「知ってるの…?」
ゾルダト「ここの世界の俺はもう死んでて天界にいるのが普通だからなァ? 顔見知りってことになる」
エランド「父さんたちだ…!」
ヴェリス「お母さん…エリスさん……どんな人なんだろう…?」
アイリア「だ……誰一人として知ってる人がいないです…」
エランド「アイリア」
アイリア「………は…はいっ」
エランド「心配かけて悪かったな…」
アイリア「いえ……約束…だけ……護ってくだされば…私は…」
エランド「あぁ…、今回は忘れねぇさ…!」
(宴が始まり)
ゾルダト「てめぇ! 俺の酒だろうが!」
アイフィ「いくらでもあるんだからいいじゃない! ってか戦いでバテてるとかっておいてなんなのよ!」
ヴェラン「ははっ、せっかく天界から来たって言うのにもめるなんてやめてくれよ?」
シーナ 「エリス様、お酒に弱いんですか…?」
エリス 「弱くなんかないっ! あたしは……弱くなんかなぁぁぁぁぁい!」
ゾルダト「こんな先生見た事ねぇぞォ!?」
アイリア「あれ……? ヴェリスさん?」
ヴェリス「ははっ、ゾルダートさん! 頬に泡ついてますよ! ……はい?」
アイリア「エランドさんは…?」
ヴェリス「そう言えば……どこにいるんだろう……?」
エランド「……なぁ? 世界は……変わったか? ヴェリス…? もう1つの未来を知らない俺にはわからねぇ……みんな…すっげぇ楽しそうに笑ってる、だけど…お前の笑顔が見れないと俺は笑顔になれそうにねぇよ………なぁ…? 答えてくれよ……って……何言ってるんだろうな……もう…あいつには会えないってのに」
ヴェリス「エランド?」
エランド「……え? あぁ…どうした…? みんなの所にいたんじゃなかったのか?」
ヴェリス「変わったと思うよ、世界は」
エランド「……本当か…? あいつに確かめないと…本当かどうか…」
ヴェリス「あいつって…私の事でしょ? 私が言うんだから正しいんだよ。未来は変わった、それに………あなたがそんな顔じゃ私も嫌……いつまでたっても終わらなくなっちゃうよ?」
エランド「そうか……悪いな……よっし…ありがとよ」
ヴェリス「戻ろう、みんなの所に!」
エランド『そうだ……俺にはみんながいる』
ヴェリス『良かったね…ありがとう…。エランド…、そして…私』
終