Eternal last Oath 後編 下した決断、決着の行方【復活の魔王編】
剣の誓い Eternal last Oath 後編 【ルシファー編】
エランド=レグルス (20) ♂
遅れてやってきた最後の希望。
成長した力で圧倒するも、変身を遂げたルシファーには及ばなかった。
自分の背負っているものと自分に託された想いとは。
誰もが幸せになれる未来を開くため、最後の覚醒をする。
ヴェリス=レグルス (20) ♀
見事、心の壁をぶち壊しカーリーを破るが、
ルシファーを前に動くことができず
助けにやってきたエランドを見守る。
いつも頼っていた自分が今度は戦う番だ、
そう己を奮い立たせ今、立ち上がる。
アイリア=フィナーノ (20) ♀
エランドに恋する少女。
治療魔術が主で、戦いは苦手なものの
治療レベルはトップクラス。
重傷を負ってしまったエランドを治療することに。
崩壊しつつある世界で最後に何を思うのか。
ルシファー (?) ♂
憑依していた肉体を棄て、真の姿を見せたルシファー。
その力は絶望的に強大で、成長したエランドすら圧倒する。
怒らせた罪だと大量の魔獣を召喚しエランド達を襲わせる。
いつでも余裕な態度をみせていたが、サタンの存在を確認し、さらに激昂する。
ヴェランド=レグルス (故) ♂
1年前に冥界の刺客によって命を落とした。
大精霊の宴が始まり、今までに命を落とした人間、天界の住民を引き連れ
エランドを助けるべく最後の大仕事を果たす。
天界の番人であるミカエルが現世に降りていく人間達の魔力などの戦士としての器量が一番優れていたころに戻して送り出したため、
かつての若々しい姿で参戦する。
シーナ=レグルス (故) ♀
ヴェランドと同じく冥界の刺客に襲われ、1年前に命を落とす。
誰よりも息子と娘であるエランドとヴェリスを心配し、
天界からいつも見守っていた。今回、必ず二人を護ると
堅い決意を胸に現れた。
ゾルダート=クロー (故) ♂
俗に行ったところのエランド達の知らないゾルダート。
本来の時間軸の人間の為、少々正確に難があるものの
かつてのような悪意からではなく、
すべてを終わらせるという気持ちを胸に再び現世に現れる。
エリス=シーナ (故) ♀
すべてはここから始まった。
ヴェランド、ゾルダートの師匠にあたる女性。
現世にやってきた死者たちの強さは生きていた時の
ピークに戻されており、実質エリスの強さを知る者はいないなか
本人も久々の戦いだと嬉しそうに再び剣を手に取る。
サタン (?) ♂
昔、ルシファーと550年戦い続けた魔族。
だが、一歩ルシファーに及ばず負けてしまった。
しかし、ルシファーを一度死に追いやるまでの戦いを見せた者でもあり
行き場を失っていたが、主は違えどとここの時間軸のゾルダートの元へ現れた。
エラン ♂:
ヴェリ ♀:
アイリ ♂:
ルシフ ♀:
ヴェラ/サタン ♂:
シーナ/少女 ♀:
エリス ♀:
ゾルダ ♂:
『』…マインド
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ルシフ 「情けないな、やはり俺の本気についてこれるやつなどいない…そぉらァッ!」(放り投げる)
エラン 「ぅぐぁぁっ! く…そ……ぉぉぉぉぉ……」
ヴェリ 「吹き飛ばされた…!? エランド!」
アイリ 「どう…なっているんですか…ルシファーの強さは……エランドさん…があんな簡単に吹き飛ばされるなんて……しかも……あの距離…!?」
エラン 「っ…く…そっ……なん…て……強さだ………こんなに飛ばされちまうなんてよ……!」
ルシフ 「フフフッ…クフフハハハハハハハハハッ! 脆い…脆いぞ! 所詮人間の肉体になど悪魔を越えることはできんのだ…!」
エラン 「………痛ェ……だけ…ど……負けるわけには……いかねぇんだ…! アイツもまだ俺がここまで飛ばされたことには気づいてないみたいだな…むしろ……チャンスじゃねぇか…!」
ルシフ 「何が、チャンスだ? でぇやァッ!」
エラン 「うそだ-……ろ…?」
アイリ 「酷い……あまりにも……酷過ぎ…ますっ……うっ…」(泣きだし)
ヴェリ 「エランドを…よくもエランドを……!」
アイリ 「だ…ダメですヴェリスさん! ヴェリスさんではルシファーには!」
ヴェリ 「殺す! 私が叩き斬る! 離せ! 殺す、殺す!」(怒り狂う感じ)
アイリ 「ヴェリスさん! あぁぁっ! 行ってはダメです!」
ルシフ 「まだ居たのか、小娘…? 逃げれば見逃していてやったのに……」
ヴェリ 「殺す…! 殺す! 死ねぇぇぇぇっ! うっ…く…はっ……」
ルシフ 「勢いだけか? むしろ距離を詰めるために魔力を大きく消費し息を切らしているみたいだな? 哀れよ」
アイリ 「………どう…したら……私は………どうしたら…」
エラン 「まだ…………負けてねぇ…だろうが………うぉらァッっ!」
ルシフ 「何!? まだ生きて……!? ……よくも……俺の身体に傷を……ォぉぁぁぁぁぁっ!」
エラン 「あ゛ぁぁぁぁぅぁぁぁっ!」
ルシフ 「決定だ……エランドとか言ったな…? お前のその左腕といい……今の無礼……お前を喰うのはやめだ……殺す…! 行け………お前たち…!」
ヴェリ 「…ぅ……っ…!? 魔獣たちが……急に沸き出した……!?」
ルシフ 「フフフハハハハハハハハッ! 食い殺せ!」
アイリ 「………私が治療します! ヴェリスさん!」
ヴェリ 「……! わか…りました! アイリアさん…! 私が……時間を……稼ぎます……!」
ルシフ 「無駄な抵抗だ、ざっと2万は召喚した魔獣たちの猛攻を防げるわけがない」
ヴェリ 「くっ……! これだけ大きな結界を張りだして……強度も…ってなる…と…私も……持たない………!」
エラン 「ぁ……ぁぁ……ぅ…っ…ぐぅぁぁっ!」
アイリ 「我慢してくださいエランドさん……! どうか……死なないでください………かならず……私が治します…」
ヴェリ 「……ぐっ…! アイ……リ…ア…さん……! も…もう…!」
アイリ 「………だ…ダメです…! 時間が……短すぎます……!」
ルシフ 「……フフフハハハッ! あがけ! あがけよ! ………何だ!? あの光は…!」
ヴェリ 「ごめん…な…さい……! っ……」
アイリ 「結界が…! まずい! エランドさんが…!」
ヴェリ 「!? ……魔物が……襲ってこない……いや…!? すごい勢い減っていってる…!?」
ゾルダ 「ひっさびさの地上だァ! 派手にやらせてもらうぜェ! うぉラァァァァァァッ!」
ルシフ 「どういう事だ…!? 次々と空から光……いや…人か…!」
アイリ 「誰ですか…!? 訴えます…いや…エランドさんが先です…!」
ヴェリ 「あれは…ゾルダートさん!? いや…でもすこし雰囲気が違う…! 一体何が起こっているの…!?」
シーナ 「よく耐えましたね、エランド、ヴェリス」
ヴェラ 「我々天界の民も力を貸そう…!」
ヴェリ 「お父さん……!? お母さん……! どう…して……!」
エリス 「泣いている姿……初めて会った時のシーナ、あなたにそっくり。やっぱり親子なのね…? ヴェリス」
ゾルダ 「よう、エランド。ヴェリス」
ヴェラ 「こちらは私のマスターのエリス、そしてお前たちが面識あるのは別の時間軸だろうが、ゾルダートだ」
シーナ 「今何が起こっているかを把握するかは後で構いません、今最も重要なのはあなたたちが生き延びる事なのです」
ヴェリ 「どういうこと…? お母さん!」
ヴェラ 「君が、エランドを診てくれているんだな。感謝する」
アイリ 「あっ…いえ…! 私にできるのはこれくらいですので……」
ゾルダ 「先生ェ、どうするんすかィ?」
エリス 「皆! 聞け! 私達天界の民は、人類…いや! 世界の最後の希望であるエランド、ヴェリスに全てを託す! 我らの使命はルシファーを滅ぼす事ではない! 2人が回復するまで里を…いや…! この2人だけはなんとしてでも死守せよ!」
ゾルダ 「なぁにお前ら、すでに死んでんだからなァ! 気にすることはねぇ! 本気で暴れろォォァァァァッ!」
ヴェリ 「…! 皆さん………ありが…とう…ございます……!」
エラン 「ぅっ…ぁっ………」
ヴェラ 「……行くぞ…!」
ルシフ 「……天界の者達…だと……!? 馬鹿な! どうなっている!」
ゾルダ 「行くぞオラァァァァッ! 斬り倒すぜお前らよォッ!」
ヴェラ 「なんだかんだ……はぁぁっ! 腕は落ちてないな、ゾルダート!」
ゾルダ 「てめーらみたく色恋してたわけじゃねェんだ……ほらよォォァツ!」
ヴェラ 「フッ…言われてみれば私の方がむしろ腕が落ちているのかもな!」
ゾルダ 「なーにが腕落ちただ? なぁッ!」
ヴェラ 「また、闘おう! 無論、この戦いに勝利したらというのが前提だがな! でぇやァッ!」
ゾルダ 「上等だッ! まだまだ行くぞゴラァァァァァツ!」
エリス 「っは! やぁっ! さすがね、シーナ!」
シーナ 「エリス様、やはりお手合わせさせていただいた時よりずっと強かったんですね…! せやぁっ!」
エリス 「なに、ヴェランドに力を譲ってあなたに渡っただけなの…よっ!」
シーナ 「私が強くなれ…たのも! 元を辿ればエリス様のおかげですから!」
エリス 「あなたが育っていく様子…ずっと見てた…わ! 娘を見ているようで……!」
シーナ 「先ほどまでの………私とマスターの…様ですね!」
エリス 「あらゆる面で………継がれている感じが……するわ!」
シーナ 「かも…しれませんね!」
アイリ 「……大体…は完了しました…! 大丈夫ですか…!」
エラン 「…ぅっ…く……! アイ…リア…! !? 何だ…! 何が起こってる!?」
ヴェリ 「…エランド、今…お父さんたちが……助けに来てくれたんだよ」
エラン 「父さん…!? ちょ…っとまて…気がおかしくなったのか!?」
ヴェリ 「大精霊の宴、お母さんから聞いたことあるでしょ…? それがたまたま今日で……10年経ったから天界の人たちが全員で私たちを助けに来てくれたの…」
エラン 「なら……今すぐ行かねぇと…!」
アイリ 「ダメです! まだ完全には治っていません…!」
エラン 「何言ってんだよ! みんなが戦ってるのに俺だけ寝てるなんてできねぇだろ! 俺がルシファーをぶっ倒してやるって言ってんだろ!」
ヴェリ 「エランドの馬鹿!」(頬を叩く)
エラン 「っ! ……何すんだよ…! ヴェリス!」
アイリ 「ヴェリス……さん…?」
ヴェリ 「あなたは1人で戦ってるんじゃないの! みんなが…エランドがって希望を託してるのに、このまま…完全じゃないまま…挑んで…なんとも思わないの!? 何度戦ってきたの!? 何度助けられて来たの!?」
エラン 「おい…いい加減に…」
ヴェリ 「誰かがいたから勝てたんでしょ!? アイフィスさんを倒したときも、お父さんたちがいた! 双子を倒したときもゾルダートさんたちがいた! そして……今は死んでった人たちが私たちの為に戦ってるんだよ!」
エラン 「このまま黙ってみてろってのかよ! 完治するまで時間がかかるんだったら、そんなの待ってらんねぇんだよ!」
ヴェリ 「だからどうしてわからないの!? 今だって言葉一つ話せなかったエランドを治してくれたのはアイリアさんじゃない! いい加減にするのはエランド、あなたよ!」
エラン 「でも………完治したところで勝てる見込みなんて……よ…」
アイリ 「でも、なんて言っちゃダメ。なんですよね?」
ヴェラ 「あらかた片づいたか…!」
エリス 「残すは……ルシファー…ね…」
シーナ 「………エランド達は…!」
ゾルダ 「まだ、物足りねぇけどな?」
ルシフ 「ククッ……ククククククッ……! やるな人間……! お遊びはこれまでだ………!」
シーナ 「エランド!」
エラン 「…………今度こそ……待たせたな……! ルシファー!」
ルシフ 「まだ生きていたか…? ここまで来ると俺も楽しくなってきたぞ……! せいぜい俺を満足させろよ……!」
エリス 「今よ! 皆! 魔力をエランド君に!」
ヴェラ 「行け……お前たち…! そして………今度こそ本当の未来を開いてくれ!」
シーナ 「あなたたちの様な子供に出会えたことを嬉しく思い、そして誇りに思います、行くのです…!」
ゾルダ 「この時間軸の俺じゃないとはいえ、お前らと過ごした1年ちょい…。悪くなかったぜ、こんな気持ち、初めてだァな。消えちまわないよう守ってくれ…! 世界を!」
エラン 「ありがとう…! みんな…! 必ず……今度こそ……!」
ヴェラ 「死ぬな、エランド…! ヴェリス!」
ヴェリ 「もう…誰も……エランドを傷つけさせないから…!」
シーナ 「いつかあなたたちが天界に来ることになれば歓迎します、それまで頑張りなさい」
ゾルダ 「似合ってんぜ、眼帯よォ。大切に使ってくれよなァ? それと、死んだらぶっ殺すぞ」
エリス 「あなたたちが最後の…一縷ではあるけど…最大の希望よ」
エラン 「……! あぁ……! みんなが笑顔で居れる世界の為に、みんなが幸せで在れる世界を…約束する…! 剣の誓いを…!」
エリス 「誓いを…!」
ゾルダ 「誓いを…!」
ヴェラ 「誓いを…!」
シーナ 「誓いを…!」
ヴェリ 「誓いを……! ここに!」
ルシフ 「面白い……面白いぞ……! フフフハハハハッ!」
エラン 「みんなの力をもらったんだ、これ以上……迷惑はかけられないよな…! ここで……本当にお前を消す…!」
ルシフ 「やってみろ小僧…! この世界は俺の為につくられ…そして俺の為できている…! 闇に染まりゆく伝説の序章として砕け散るが良い!」
エラン 「伝説になるのは……お前だルシファー…! 人類が天界と手を結ぶことで倒すことができた魔王…ってな! うぉぉぉぉぁぁぁぁっ!」
ルシフ 「何!? ぐぁぁっ! この…俺が……動きを読めなかった…だと……調子に乗るなよ……雑魚がァァァァァァァァッ!」
エラン 「うごァッ! っく……! これ以上暴れさせないぞ…! 冥界…? いや……お前には還る場所すらねぇ…! 散り果てろ! はぁっ!」
ルシフ 「どこを狙っている? お前の様なたった生まれて20年の餓鬼にこの俺がやられるわけがない! …ぬんっ!」
エラン 「っくぅぉぁっ! そう…かもな……! だけど…今回ばかりは…本当に負けるわけにはいかねぇンだ…!」
ルシフ 「背中が留守だぞ…? 消え去れ…!」
ヴェリ 「させない…! エランドを傷つけることは許さない!」
エラン 「ヴェリス!」
ヴェリ 「…! わかった! はっ!」
ゾルダ 「結界を上手く足場にして…飛び回ってやがる…」
シーナ 「あの子達も…成長した…そういう事…でしょう」
ルシフ 「………っ…はぁっ……はぁっ……」
エラン 「どう…だ…こらァッ………」
ルシフ 「俺が……負けるわけが……無いと言っているだろうがァァァァァァッ!」
ヴェリ 「!? まさか…あれって!」
ヴェラ 「あの女は…!」
エリス 「…まさか…」
ヴェリ 「カーリーの死体なんて召喚してどうするつもり……!?」
ルシフ 「んぐっ(飲み込む感じ)…ふぅ……」
エラン 「し…死体を………」
ゾルダ 「喰いやがった……だと……!?」
ルシフ 「こいつにやった魔力がもったいなくてなぁ…? せっかくだから喰っただけの話だ」
エラン 「……仲間…だろうが…!? 何やってんだよ…おま…ぅぐぁっ!」
ルシフ 「さすがカーリーの魔力だ、お前たち1人分どころの魔力ではない」
エラン 「まだ…強くなんのかよ…こいつ……! ゲホッ…!」
ヴェリ 「エランド!? エランド!」
エリス 「エランド君が落ちてきたわよ…!」
アイリ 「エランドさん……!」
エラン 「アイリア…か……悪いな……治してくれたのに……」
アイリ 「…いいんです………エランドさん……1つ…だけ……言ってもいいでしょうか…?」
エラン 「こんな時…に……どうした……?」
アイリ 「4年前は……忘れてしまっちゃったみたいですけど……もう一度…だけ…言わせてください……。好きです」
エラン 「どうし…て…今…なんだ…」
アイリ 「もし……世界が終わってしまったら……もうエランドさんの顔も見れなくなっちゃうって思って………言っちゃいました……」
エラン 「アイ………リア……」
ルシフ 「まだ戦うつもりか? 小娘」
ヴェリ 「…っ! ………私は……!」
サタン 「主よ」
ゾルダ 「…! 懐かしいじゃねぇか、サタン」
サタン 「ルシファー………か」
ゾルダ 「エランドの左腕…お前がつけてやったそうだな?」
サタン 「……そうだ。目と取引してな」
ゾルダ 「何しに来た?」
サタン 「私の契約者のゾルダートは別の時間軸の者ですでに死んだ、行くあてに困っていたと言えば良かろうか」
ゾルダ 「サタン、お前はルシファーと戦いたくねぇのか?」
サタン 「…私は過去に負けている、強くなった奴に勝てる見込みは無い」
ゾルダ 「いるだろ? 契約したら最高に使えそうなやつがよ」
アイリ 「その………私は……エランドさんと…ずっと一緒にいたいんです…!」
サタン 「一緒にいるには、ルシファーを倒さねばならない」
エラン 「!? サタ…ン…!」
サタン 「………エランド、勝てる見込みがないのは私もお前もだ」
エラン 「………」
ルシフ 「でえやぁっ!」
ヴェリ 「っ…! 結界…が…!」
シーナ 「やはり……人の身体を棄てた…ルシファーには…!」
エリス 「エランド…君…!」
ヴェラ 「エランド………!」
サタン 「久しいな、ルシファー」
ルシフ 「サタン…! 何故…お前がここに…!? 契約者を失っていたはずだろう…!」
エラン 「……その契約者が……見つかったって話だ……!」
ヴェリ 「エランド!? まさか……」
サタン 「やれるな、小僧」
エラン 「あぁ…………この左腕……いや……全身をお前にくれてやるよ…!」
シーナ 「エランドの身体が…!?」
ヴェラ 「な…んだ…あれは!?」
エリス 「まさ…か………!」
アイリ 「すごい……何あの…姿……!?」
ゾルダ 「魔神化、俺が使っていた技だ。ルシファーが人の形ではなく魔王そのもので来るなら……」
エラン 「俺も……人間を棄てるだけの話だ!」
エリス 「あのままでは…エランド君が人間に戻れなくなってしまう!」
サタン 「お前の肉体、全てを預かろう…。行くぞ…ルシファー!」
ルシフ 「また負けたいのか…ならば望み通り…消してやろう…!」
ヴェラ 「エランドは…………まさか…!」
アイリ 「世界を護るため…自分を犠牲に…!?」
ルシフ 「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
サタン 「さすがだな……ルシファー…!」
ルシフ 「何故だ…なぜ……この俺が勝てない…!?」
サタン 「…簡単な話だ……! お前は魔王かもしれないが……忘れるな、私は……魔神王サタンであるということを!」
ルシフ 「消す…!消す消す消す…! う゛ぉぉぉぉぉあ゛ぁぁぁぁぁぁぁ!」
サタン 「……来たか……意識を…返そう、主よ」
エラン 「ヴェリス!」
ヴェリ 「な…なに!? エランド!」
エラン 「みんなに……約束守れなくてごめんって言ってくれ…」
ヴェリ 「え…? 何を……言ってるの……?」
エラン 「みんなから魔力を貰い…サタンと契約しても…まだあいつを倒しきることはできねぇ……ルシファーは化け物だ…」
ヴェリ 「待って…待ってよ…! 何を言ってるの…ねぇ…やめてよ!」
エラン 「1人1殺…しかねぇんだ…、ははっ…何泣いてんだよ」
ヴェリ 「ぐすっ…ひぐっ……嫌だ…! 嫌だ…嫌だ! 待って!」
エラン 「……俺が最後…合図を出したら俺と…ルシファーを結界で包んでくれ。ありったけの魔力で頑丈な結界でな…俺とルシファーの全力がぶつかれば世界自体が崩壊する……」
ヴェリ 「他に方法があるよ…! ねぇ! エランド! お願いだから!」
エラン 「ヴェリス、いつも泣かせて…ごめんな……。今までお前に何回助けられたんだろうな、何回心配かけたんだろうな。数えても数えきれねぇよ…こんな安っぽく聞こえる言葉しか俺は思いつかないんだよ…ごめんな……そして…ありがとう」
ヴェリ 「エランド………ま…って…よ……えら…ンド……!」
エラン 「元気でな」
ルシフ 「…この…俺が……負ける……!?」
エラン 「いや……俺もお前も負けだ」
ルシフ 「負けは……お前の方だ……」
エラン 「サタン…悪いな、お前の力が無くて…終わらせることはできねぇんだ」
サタン 「気にするな、私もここで終わらせる。サタンと、ルシファー…本当の魔族の王はどちらか…とな」
ルシフ 「う゛お゛ァァァァァァァァァァッ! こいつで終わりだ…この……この星ごと消し飛ばす……!」
エラン 「サタン!」
サタン 「ルシファー、やはり550年戦い続けた結果である私の敗退に納得がいかなかった、だが。恐らくこれでもうお互い恨みあう事も無いだろう、なぜならもう恨みという感情すらも…抱くことは無いのだからな」
ルシフ 「勝つのは……大魔王ルシファー様なんだァァァァァァッ! 消え去れエェェェェェェェェッ!」
ヴェリ 「………さよなら………エランド…また会おうね…」
エラン 「じゃあな! みんな! 行こうぜルシファー、俺と一緒に地獄の向こうのそのまた先まで…な!」
ルシフ 「嫌だァァァァァァッァァァツ! 俺が…この俺ガァァァァァァァァァァァッ!」
ヴェラ 「……終わった…の…か…」
エリス 「………くっ…でも……エランド君が……」
ヴェリ 「お父さん…お母さん…私…私……ごめん…なさい……」
ヴェラ 「……お前が悪いんじゃない……エランドは……未来を切り開いた……ヴェリス……お前たちがこの世界を支えていくんだ」
シーナ 「エランドは……ヴェリスの事を悪く言ったりは絶対にしません……私達天界の民も……エランドに救われました…」
ゾルダ 「眼帯が……帰ってきちまった………クソッ………」
ヴェリ 『ルシファーが倒れると同時に世界で魔術を扱える人間は居なくなった、エランドがルシファーを破った時魔力を貰うと同時に魔術という概念もこの世から消えた』
アイリ 「うぅぅう…ずっと魔術で治療してたせいで道具の応急処置はできませぇぇぇぇぇん! うわぁぁぁぁぁん、訴えないでくださいぃぃぃぃぃ!」
ヴェリ 「私が…剣術を…ですか? はい…私でよければ…お教えしますよ…! はい…私には兄がいて…兄の型を真似ました」
シーナ 「ルシファーの一件以来、天界も賑やかになりましたね…」
ヴェラ 「そうだな、死者があまりに多すぎた」
ゾルダ 「天界が賑やかになる展開ってこういうことすカ? 先生ェ」
エリス 「そう…かもしれないわね…ふふっ、すべってるわよ」
ゾルダ 「先生のネタなんスけどねぇ」
少女 「ねぇ! パパ! そのピカピカってどうやってやるの? ……まずは…剣の使い方からって…けちー! あっ、そういえばパパ! パパがくれた剣の……Verand Reglsって何?」
剣の誓い Eternal last Oath 後編
終