新たな仲間と自分の個室
盗賊共を全滅させてからだいたいに時間後、俺はサンドウィッチを食べていた。こっちに呼び出されてからもう3時間以上経ってるから小腹も空く。
ちなみに、この3時間はアルと二人でボス部屋の掃除をしていてかかった時間だ。頑張ったさ、頑張ったさ…………
端末から無料でサンドウィッチを注文して食べたけど、それなりに美味しかった。アルに渡したら凄い食べ方をしたのは省略しておく。
でだ、盗賊共の私物を勝手に換金したシステムにケチを付けたいが、過ぎた事は仕方がない。またいつか武器ガチャみたいなのが出るのを待っておこう。
そうそう、アルはレベルアップしなかった。あの程度の盗賊5人じゃ経験値が足りないらしい。経験値というのは倒したら数値として得るのか、それとも自分の経験を数値化するものなのか、どうなのか分からない。
さて、現在余ってるポイントは11800ポイントだ。自分の部屋も作れるし、レアガチャも一回引ける。
実はさ、思ってたことだけど仲間がアルだけじゃ寂しい。喋る相手が居ないという事だ。アルにいくら話しかけても呼吸音でしか返してくれないし、さっきから食事以外直立不動だから寂しさが加速していく。
よーし、部屋を作る前にレアガチャ引いてアタリを引くか!ダンジョン購入からレアガチャを選択。
レアでもいいから喋る事ができる知能を持つ魔物でお願いします。
ガチャガチャガチャ、テッテレー!
おっ、銀色の球が出た。これはベリーレアだな?本当に頼みますよ!
そして、目の前に光の柱が出現した。アルの時みたいにこの光の中から出現するんだろう。
そして、出てきたのは……………………
「ハァイ、新しいご主人様!私は名前がないけど種族はハイピクシー!ピクシーの亜種とは違うけど、亜種のピクシーよりかは強いと自負してるからよろしくね♪」
おおっ、お喋りな子が出てきた!体は手のひらよりちょっと大きいくらいだ。それでもワンピースみたいな服はちゃんと着てるんだな。
「あれれぇ?どうしたのご主人さ…………うわぁっ!?誰これ怖っ!」
感動に浸ってる時にハイピクシーに話しかけられたけど、後ろにいたアルの巨体に驚いたようだ。
「こっちはタイタン希少種のアルだ。これからお前の同僚になるぞ」
「シュコー…………シュコー…………」
「なんか怖いんですけど!可愛い可愛いハイピクシーは怖いの苦手です!」
こいつは自分で可愛いって言ったぞ。あざといキャラだな。
「でも、それくらいがちょうどいい」
「ありがとうございます!頑張ります!」
さて、ある程度の挨拶が終わったからこの子のステータスを見てみよう。
名前・無し(レベル1)
種族・ハイピクシー
体力・600
魔力・2500
攻撃力・850
守備力・600
素早さ・12000
運・0.5
スキル・盗み(レベル3)、支援魔法(レベル2)、回復魔法(レベル2)、風属性魔法(レベル1)
ステータスは素早さと魔力以外は魅力を感じないけど、逆に素早さ12000はアルより速い。彼女も成長株だろうからさらに速くなるだろう。
ついでに言うとスキルもレジェンドレアのアルより多い。成長する度に増えたりするのかな?
あ、俺ってスキル一つしか持ってない上にレベル無いじゃん。あの統一って言うスキルはどんな効果か分からないけど取っておく価値はあるな。
さて、ハイピクシーの名前を決めるか。候補は出来てるから彼女に決めてもらおう。
「ピンキー、ロウリィ、ハピ、この3つの内どれがいい?」
「まぁ、ご主人様から3つも名前をいただくなんてハピは幸せです!」
わお、即決じゃないか。でも、本当に幸せそうな顔をしてくれるからこっちも嬉しいよ。
名前を決めた所で部屋を作り出そう。またポイントが入ってレアガチャを引く事になるだろうから部屋も多く作っておこう。
まずは部屋のリクエストを聞いておこう。アルはどんなのがいい?
「シュコー…………シュコー…………」
ごめん、呼吸音だけじゃ分からない。もしかして要らない?そんな訳ないはずだけど…………
とりあえず、アルが寝られるようにベッドと何かしまう棚は置いておこう。端末のメモアプリに入力しておこう。
「よし、続いてハピはどんな部屋が欲しい?」
「なんとなんと!部屋までくださるのですか!?ハピはご主人様と一緒にいるだけでいいのです!」
「つまり同居がしたいと?」
「してよろしいんでしょうか!よろしいんでしょうか!?」
興奮してくるくると俺の周りを飛び回っている。俺の部屋を少し広くして、部屋の一角にこいつの場所を作ったら満足するだろう。
「俺の部屋に場所を作っておく事でいいんだな?」
「いふっ!?本当に本当に…………きゅう」
興奮しすぎて地面に落ちた。そこまで嬉しかったのか。それじゃあ、部屋の大きさは100m×100mが最小だから、ボス部屋の隣に部屋を作り出して、装飾はー少し考えよう。
まずは棚とクローゼットを設置して、ベッドは最低限の物でいいや。後は机とハピが寝る為のクッションを設置させる。
ハイピクシーって何か必要なものはあるのかな、と思ったけど幸せそうに気絶しているから聞くともできない。ただ、俺と一緒がいいと言っていただけだ。
まさか、俺に惚れたな?
はは、究極生命体だって事で色んな奴にモテたけど、俺がぶちのめした奴以外はいつの間にか全員俺の視界から消えた。
犯人は分かってたけど俺にとって一番の味方だったし、何より人間関係が謎すぎたから手も出せずにいた。別に良かったけどね。
後はトイレにバスルームが必要だな。いくら究極生命体と呼ばれてるといえ、生理現象は止められないからそろそろトイレに行きたくなった。
さっさと部屋を作ろう。まずはダンジョン購入アプリから100m×100mを購入して、内装をタップ。
ゴゴゴゴゴ…………
地鳴りを確認。ダンジョン部屋が出来たから、そこから壁とドアを作って部屋を作ろう。内装に浴室とトイレがあったからそれも購入。欲しい家具も選んでタップ。明かりはちょっと趣のあるランプを購入しておこう。
ゴゴゴゴゴ…………
『生成が完了しました。残り600ポイント』
また地鳴りが起こった。つまり出来たという訳だ。あまり消費ポイントを確認せずにやったけど、全部整えたら1200ポイントも使ったのか。それなら期待できるな。
「ご主人様〜…………うぇへへ………………」
いつまでもハピを地面で気絶させる訳にはいかない。俺の部屋に連れて行ってクッションの上に寝かせてあげよう。
アル、ボス部屋の守りをやってれるか?
「シュコー…………シュコー…………」
相変わらず呼吸音でしか返してくれないな。寂しい気もするけど、ハピが仲間に加わったんだ。これから楽しくなっていくのはいい。
もしかしたら、俺はこんな感じの刺激がずっと欲しかったのかなぁ?
そう思いつつ作った部屋の中に入っていった。中身は満足できるものでした。
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