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生かせ、殺して捕まえるな

ハイファンタジーとローファンタジーの違いを最近知りました。完全に間違えていたのでジャンルをハイファンタジーに変えました。

屋敷に突入したが、第一印象は荒れてるだった。


かなり慌ただしく動いたようで綺麗とは少し程遠いほどゆかは汚れていた。


だが、まだ全員が退避したわけではなさそうだ。気配があるとか言わないけど奥の方がまだ騒がしい。


つまりそこに行けばさっき逃げた野郎がいる訳だ。引っ捕える必要はある、はずだ。


いや、今更すぎるけど直接的に人を殺すのは気が引けるっていうか…………


今まで誰かが死ぬところは見たけど全部他人が殺していた。アルが盗賊をぶっ殺した時もそうだった、俺は大雑把とはいえ指示して殺れと言っただけ。


言い方は悪いけどここはゲームじゃなく現実だから、誰かに手を汚させ続けるというのはこの世界だと無理に等しい。


覚悟を決めて奥に進んでいく。といっても声が聞こえる方へ歩くだけだ。


意外と屋敷に声が響くから場所が特定し辛い。部屋をしらみ潰しに探さないと…………


「ここかっ!」


開かない扉を蹴破っても誰もいなかった。これで4部屋目の扉をぶち破ったことになる。なんで誰もいないのに部屋に鍵をかけられるんだ?


うーむ、これも魔法の力か?俺には理解できない。


「ここかぁっ!」


今度は5枚目の扉を蹴破る。何で手で引き剥がさないのかと言われたら困る。だって蹴り破りたかっただけとはそう言えない。


そこに『今です!』というどこかの軍師の幻聴が聞こえてきた気がする。と、馬鹿なことは考えないで現状報告。


扉を蹴破り突入した突然現れた鎖が俺の両手両足を拘束した。鎖は天井と床についていたらしく完全に俺を拘束した。


「はっはっはっ!馬鹿め、ノコノコとやってきたな!」


そこに立っていたのはさっきまで踏ん反り返ってた無能だった。いや、何でお前が何もない部屋にいるの?ここに来なかったら無意味だったけど…………


「ユーリーチン殿の家宝である『大地の鎖』にまんまと引っかかるとは、これは笑いものだな!」


ぐちぐち言ってる間にさっさと俺に攻撃してこいよと言ってやりたいけど馬鹿らしくて言いたくない。


というかこれお前の物じゃないのかよ。あ、もしかして『雇い主が預けたから俺の物』みたいな?それはそれでどうなんだよ、お前にプライドないのかよ。


「残念だったな、ユーリーチン殿は既に北の方へ避難した!今から追いかけても遅いわ、なんせ合法ではないとはいえ飼いならしていた気配を消せる土竜(どりゅう)を使ったからな!」


「……………………」


呆れてものが言えなかった。こいつマジ無能過ぎて苦労するだろ…………いや待て、これはこれで演技か嘘かもしれない。


少なくとも演技の線はない。向こうの世界でもこの体のお陰で俺を騙してサンプルを取ろうとしたやつを何十人も見てたら嘘をついてることくらい見破れる目ほど目が肥えてくる。


となると、この無能が嘘を教えられてる可能性が非常に高い。本当のことかもしれないけどベラベラと喋る人材を置くのはのは怪しすぎる。


こいつは囮だな、間違いない。


「お前は確か情報によるとテイマーだったな。ヴァルキリーの女狐共を一匹のタイタンで倒したと聞いたときは驚いたぞ。まあ、お前一人こうして捕まえたなら話は別だがな」


そう言って俺の首元に剣を添える。ずっと喋るなこいつ、口だけはよく回る。


「命が惜しければ従え。お前のタイタンをここに呼び出し暴れさせろ」


「……………………」


「お前を殺したらあの魔物たちをどう止めるか分からんからな。少なくともそれは同意するが操れと言われるとな、虫唾が走る。さっさと自殺されてお前を奴隷にすればいいものを…………」


もういいかな?ぶっちゃけ鎖で繋がれたとしても天井と床にちょっとくっついてる程度なんですよ。


まあ、ユーリーチン家の家宝とも言われるこの鎖は相応な強度があるんだろうと予想した。でも、それはあくまで鎖の話であってね?


「誰が受け入れるか無能!」


「え、ぎゃばぁぅ!?」


俺は鎖を力強く引っ張った。流石に家宝というだけあって鎖は壊れなかったが天井が耐えられず鎖がついてた部分が丸ごと取れて腕が自由になる。


そのついでで無能をぶん殴ってやった。うわ、鼻血出してるし前歯も何本か折れたっぽい。


鎖は固いけど天井と床は案外硬くなかったのか救いだったな。手足に鎖は絡まったままだけど根元が取れてるから自由に動ける。


「あひっ、あうぅ〜」


「情けない声を出してるな」


「ヒィィッ!?」


殴られた顔を手にで押さえながら這いずるように逃げようとする無能、そんな簡単に見逃すわけないだろ?


「殺しはしないさ、後でお前にきっちりと話を聞かせてもらうからな」


「しゃ、喋るから!命ばかりはお助けをぉ!」


「とりあえず、これを外す方法を教えろ、というか外せ」


めちゃくちゃ怯えながら無能は口をもごもごと動かして呟いた途端、鎖がカランと音を立てて床に落ちた。少なくとも俺の知ってる金属が落ちるような音じゃない。


とりあえず首を絞めて気絶させて引きずって屋敷の外に出よう。こいつを気絶させたあとは嫌という程この屋敷は静かになったから、地下を通って逃げたんだろう。


しかし、ユーリーチン氏はなんでこんな事件を起こしたんだ?利益があるようには思えない。


ただ固執した偏見を持っていたせいか?うーん、それは俺の仕事じゃない。


ん?あれ、俺の仕事ってこういうことだっけ?いやいやいや、違う!ダンジョンマスターだからダンジョンの経営じゃん!


ダンジョンを潰れないように繁栄させて育てるみたいな感じで、なんかハイになってるせいか混乱してきた。


「まったく、何してんだろ俺…………」


人生を迷走してるなぁ、と気絶している無能を引きずりながら呟いた。


一時的とはいえこの戦いは幕を下ろしそうだ。

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