考えようと思った
「サンタなんてな、どうせ父さんか母さんなんだよ」
そんな声が聞こえてきて、私はビクッと肩を揺らす。
声のした方を見ると、ひとりの男子が笑っていた。まるで自分は周りよりも大人だとでもいうかのような顔だった。
去年はそんなこと言ってなかったのに。どうしてそんなことを言うようになっちゃったんだろう。
サンタさんのことを考えると、お腹が痛くなってくる。
いるとか、いないとか。毎年、毎年。
そして、いないと言った方はいつも、あんなふうにまるで大人にでもなったかのような顔をするんだ。
サンタさんのことを考えると、決まってそんな顔を思い出してしまう。だから私はいつもお腹が痛くなってくる。
「サンタなんていないよ」
私は知っている。
「あれはお父さんかお母さんがサンタのふりをしてるだけなんだ」
だからサンタさんは来ないんだって。そう言いたいことを。
そう言って、大人にでもなったふりをするしかないことを、私は知っている。
納得出来なくても、納得するしかないことを、私は知っている。
そういうことがあるってことを、私は確かに知っている。
でも、だからこそ。
きっと、あの男子や私が大人になったふりなんてしなくていい、してたとしても大人のふりじゃない笑顔をくれる、そんなサンタさんがいるんじゃないかと、そうも思っている。
サンタさんってなんだろう?
きっと答えは、あの日出会ったサンタさんにあると思う。




