怪傑! お下劣ババァ! ~いざ、異世界~
ババァコメディー第三弾!
俺は、トモアキ、異世界に飛ばされてババァとパーティを組み冒険の真っ最中。
「トモアキ、パイしゃぶらんか?」
ババァの名はフサ子、御年八十一だ。
「ババァ、それより元の世界へ戻る方法を見つけなきゃならないんだよ!」
「なんじゃつまらんのぉ」
この調子だからいつにたっても元の世界に戻れやしない。
まあ、ぶっちゃけパーティに彼女のユリちゃんがいるのが唯一の救いだ。
「トモアキくん、最低!」
しかし、冷たい視線を送られてしまうのだが……
事の発端はババァが変なツボを開けてしまったからだ。
そのツボは高級なツボといううたい文句につられ、怪しいジジィに買わされたババァが蓋を開けてこの始末。
異世界へといざなう不思議なツボだった。
まあ、何はともあれ早速この世界の王様のもとへ行くとどうやら魔王を倒すと元の世界に帰れるらしい。
「よし、これで出口は見えた!」
と、思い、喜ぶが戦力が戦力だけに……
職業は、トモアキが勇者で、ユリが魔法使い。
で、ババァはというと……
職業『ババァ』
「なんだよ、職業ババァって!」
「まぁ、ええじゃろ」
不本意だがこのパーティで魔王に挑むしかなさそうだ。
道中モンスターが出現したが頑張ったのは俺とユリちゃん。
ババァはふざけていて全く使えねぇ。
それでもトモアキとユリの活躍でなんとか魔王の城へとたどり着いたが、門番にかえりうちにされてしまう。
「うう……」
トモアキたちは目の前が真っ暗になっていく。
残るはババァただ一人。
「逃げるんじゃぁぁぁ!」
ババァは逃げ出した。
トモアキたちは魔王に捕らえられ牢獄に幽閉された。
数時間後、ユリだけが牢獄から出されることになり、魔王の嫁にされることになった。
トモアキはただ見ていることしかできない自分に苛立ちと無力感で一杯になり、自分たちをおいて逃げたババァに強い怒りがこみ上げてきて壁を殴る。
「ババァ……なんで一人だけで逃げやがったんだ!」
婚礼の儀式が行われる中、生け贄としてトモアキが殺されることなる。
トモアキはユリに大声を張り上げて最後の一言をぶつけた。
「ユリちゃんごめん俺が弱いせいで……あと、ババァのせいで!!」
トモアキの最後の言葉にユリは応えた。
「おばあちゃんのせいにしないでよ……トモアキくんさようなら……」
ユリは泣いていた。
大粒の涙がユリの頬をつたい、唇を噛みしめていた。
(結局、俺は最後までユリちゃんを悲しませるのか……)
トモアキはギロチン台に乗せられ首を固定されてカウントダウンがはじまった。
「1、2、3……」
その時猛ダッシュで人影が走り近寄ってきた。
「と~も~あ~きーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ドンと大きな音が響き渡りギロチンは壊れてその刃は魔王の首めがけて飛んで行き首をはねた。
「魔王さまがやられたぞ!」
魔物たちはパニックに陥った。
「よもやあのババァは、伝説のスーパーババァか!?」
「この戦闘力間違いないでしょう……」
魔物たちが動揺する中でババァはトモアキに垂れ下がったパイでパチパチとほっぺをはたく。
我慢の限界に達したトモアキは、ババァを思いっきり殴り飛ばす。
「ババ!」
ババァは魔物たちの中に倒れこんだ。
「何、あの男スーパーババァを倒しただと!?」
更に混乱する魔物たちはババァから退いた。
「魔王さまもやられてしまったし我々に勝ち目はない逃げろ!」
魔物たちは一斉にどこかへ消えていった。
こうして異世界の平和を救ったババァたちは元の世界に戻ることができたのでした。
読了感謝!