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ようやく気付いた想い…

成一がようやく自分の気持ちに気付きます

成一と美鈴は何時ものように教室に入った。



「おはよう」



優人が朝の挨拶をしてきた。


「おはよう」


「おはよう!」



成一は普通に、美鈴は笑顔で返した。



「優里ちゃんは?」



そう聞いたのは美鈴だ。



「あぁあいつなら」



優人はチラリと後ろから二番目の出口よりの席を見た。そこにはノートに何かを書いている優里の姿があった。



「勉強してるのかな?」



「あぁそうみたいだ」



「お前も少し見習った方が良いぞ、テスト前しか勉強しないからな」



テスト前でも勉強を忘れる事があるが。



「余計なお世話だ」



と言った会話をして各々の席に着いた、と言っても成一と美鈴は同じ席だ。



いつも通り窓際の席に座った。



この日も特に変わった事もなくいつもの通りだった。


下校時間までは…。



学校の帰り道



成一と美鈴がいつものように歩いている時だった。


「きゃ!」


「あぶねぇ!」


美鈴が段差に足を引っ掛けて転びそうになった。

間一髪成一が助けた。だがその表紙に美鈴を抱き締めてしまった。成一は当然顔を真っ赤にして慌てて離れた。



「だ…大丈夫か?」



「…うん」



その後気まずさと言うのは特になかった。と言うのも何度かこう言う事はあったからだ。



とは言え、成一は鼓動が早くなっていた。



(本当何なんだ?この感じは)


この感じが何なのか今だわからない。何故心臓が高速で脈を打つのだろうか。



「どうしたの?」


成一の様子がおかしいと思ったのか美鈴が聞いてきた。



「べ…別に何でもねーよ」



成一は慌ててそう言って誤魔化した。


この日の夜



成一は美鈴を抱き締めてしまった時の事を考えていた。


だがやっぱりわからない。


考えは同じところを行ったり来たりだ。


普通の人ならここで気付きそうな物だが成一はこの日もわからずに眠れない夜を過ごした。








次の日



成一はこの日何処か上の空だった。どうやら昨日考えていた事を引きずっているようだ。





夜以外、深く考えたりしないようにしていたが、昨日眠れなかった事も手伝い、考え込んだままになってしまっている。


優人がそれに気づき、聞いてきた。


「お前何か悩み有るだろ?」


優人に図星を刺された。だが驚きはしなかった。


「…別にねーよ」



と、返した物の悩みはある、こうしている今も美鈴の事を考えている。



「嘘つけ、顔に悩みって書いてあるぞ」



「…なぁ優人」



「どうした?」



「放課後、ちょっと良いか?」


「あぁ良いぜ」


同時に授業の鐘が鳴った。



「じゃ、放課後な」



と言って優人は席に戻った。成一も自分の席に戻る。


美鈴は既に席に着いている。優里と話していたようだ。




成一は優人に相談してみる事にした。自分で考えても埒が開かなそうだ。




放課後



「成一、そろそろ帰ろう!」



と笑顔で言ってきた。



「悪い、この後優人と約束があるんだ、今日は花山さんと2人で帰ってくれ」


そう言って成一は優人と帰った。



いや帰ったんじゃなく喫茶店に向かった。



喫茶店に着き、


「いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞ」



成一と優人は男性店員の言葉通りに席を選んだ。



2人は窓側の席に着いた。2人ともアイスコーヒーを注文した。



この喫茶店は落ち着いた感じで大きい窓ガラスが有るのが特徴だ。



成一と優人はその大きい窓ガラス側に座っている。


意外と広い喫茶店で高校からは徒歩数分程度と、距離も遠くない。



少しして男性店員がアイスコーヒーを持ってきた。



成一は早速話し始めた。


「優人にだから言うけどちょっと前から悩んでいたんだ」



「そうか、何に悩んでいたんだよ」



「美鈴の事なんだけど何でか美鈴に対してその…落ち着かなくなる事があるんだよ」



「…はぁ?」



優人は思わず間抜けな声を出してしまった。



「まぁ聞けよ、何かふとした仕草とか、後、昨日なんか美鈴が段差でつまずいたんだよ、それにいつも何でか美鈴の顔ばかり浮かぶし」



「あぁ」



優人は相づちをうって返事をしてくる。



成一は今まで自分が何でか美鈴に対して胸が高鳴ったり。



昨日は事故とはいえ美鈴を抱き締めた時、心臓が破裂しそうなほど鼓動が速くなった事を話した。



何でだろうなと成一が言うと優人はかなり呆れたような顔をした。


「何だよ?」



成一は優人に軽く睨んで言った。



「お前なぁ…いい加減気付けよ」



優人は心底呆れたと言いたげな表情で言った。


「それがわからないからお前に相談してんだろ」



成一は少しカチンと来る。優人を頼りにしたのは間違いだった科目しれないと成一が一瞬の間に思うと優人が意味深な言葉を言った。



「…今日何も否定しないで考えてみろよ」


「え?」


「気付きかけた時はないのかよ?」



成一は記憶を辿った。言われてみれば気付きかけた時はある。結局気付けなかった訳だが。



「まぁなくはないけど」



「わからなかったって訳か」


「あぁ」



「さっきも言ったけど何も否定しないで考えてみろよ、多分わかると思うから」



「何も否定しないで?」



「あぁ、お前無意識の内に否定してるんじゃねーかって思うんだよ、普通ならこんな簡単な事、直ぐに気付くはずだぜ?」



「何だよ、お前にはわかるのかよ?」



「まぁ、わからない事もないけど、オレが言ったら意味ないだろ」



「…」


成一は何も言い返す事はできなかった。



「オレに言えるのはこれぐらいだ、ゆっくり考えてみろ、じゃ、オレそろそろ行くからな」



と言って優人はアイスコーヒーを一気に飲み、代金を支払って喫茶店から出ていった。



多分、優人なりに気をつかって1人で考える時間をくれたんだろうと成一は思った。



そのあと優人が言った言葉通り成一は考えた。



何時もと違い、考えがスムーズに進む、



美鈴の顔を見ると胸が高鳴る。美鈴の事を考えるだけでドキッと心臓が跳ねる。これはただの幼なじみに感じる感情では無いのでは無いかと成一は考える。


前何処だで聞いた事がある気がする。確かこう言う風になるのは…恋。


(そんなわけねーだろ!)



成一は慌てて否定したがここで優人の言葉を思い出した。



何も否定しないで考えてみろよ、多分わかると思うから。



お前無意識の内に否定してるんじゃねーかって思うんだよ、普通ならこんな簡単な事、すぐに気付くはずだぜ?。




(そう言う…事なのか?)



成一はようやく気付いたようだ。



成一はもう一度よく考えてみたが間違い無さそうだった。

美鈴の事を一人の女性として見ている。

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