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勉強会

「二人ともおはよう!」



美鈴は優人と優里に元気良く朝の挨拶をした。



「おはよう美鈴ちゃん、早川君もおはよう」



「あぁおはよう…」



成一は優人をチラリと見た。



「……」



優里からの返事は有ったが優人からの返事はない。

普段から全く勉強しない優人が朝から黙々と勉強をしている。



「テスト前の勉強かな」



「多分な」



成一はため息を着きながら美鈴に同意した。

そう言えば次の日テストがある。


優人は普段から全くと言って良いほど勉強をしないが重要なテストの前になると人が変わったようにわき目もふらず猛勉強をする。



だがギリギリ赤点を免れる位だ。


多分この後優人は成一と美鈴に助けを求めに来るだろう。



成一はそれがわかっていたため自然に溜め息を着いた。

美鈴も同じこと思っているのか苦笑いをしている。


成一や美鈴、優里はクラスの中でも成績は結構良い方だ。



反対に優人は成績が悪く、成一や美鈴に助けてもらい何時もギリギリ赤点を免れている状態だ。



「さっきからずっとこの調子なのよ」



優里もわかっているのか苦笑いをしている。



「何時もの事だな」



3人とも同じ事を考えていると案の定、成一と美鈴が何時もの通り教室で昼食を食べていると。



「頼む!大ピンチなんだ!勉強に付き合ってくれ!」



優人が必死の血相で成一と美鈴に助けを求めてきた。毎度の事だ。


隣には優里もいる。必死の血相で言っている優人を何とも言えない様子で見ている。



「わかった、学校が終わったらな」


成一は何時もの事なので軽く了承した。内心溜め息ものだと言う事は内緒だ。



「よし、今日はこの4人で勉強会だな!」



優人は気合いが入っている。

この気合いがテストに活かされれるように成一は祈った。




放課後



成一達は美鈴の家の前にいる。美鈴の家は2階建てでクリーム色の家で屋根はライトグレーだ。美鈴は白い玄関を開けて成一達を入れた。




勉強会は美鈴の部屋でやることになった。



「お邪魔します」



優人と優里はそう言って家にあがった。



対する成一は我が家同然の態度で美鈴の家にあがる。


それに関して、美鈴は何も言わない。


美鈴自身も成一の家をあがる際、我が家同然の態度であがる。


長年の幼なじみというのもあって


成一と美鈴の間には遠慮と言うものが余りない。



成一、優人、優里は美鈴の部屋に座った。この家はアパートだ、部屋は3LDK。


美鈴の両親も海外に居るため。美鈴以外ほとんど誰もいない事が多い。美鈴の部屋には勉強用の机と雑誌がぎっしり入った本棚が置いてある。美鈴の部屋は、本棚以外は全体的に綺麗だ。



洋服とかは別の部屋に置いている。



「じゃあ早速始めようぜ、ここどうやって解くんだ?」



優人は美鈴の部屋に着くなり颯爽とべんきょうの用意をして成一に聞いてきた。その華麗な動作に驚きつつ成一は教えた。


優人は真剣な顔付き成一の話を聞いていた。優里や美鈴も所所で補足を入れてくれている。



ある程度時間が経った。



「そろそろ喉乾いたから麦茶淹れてくるね」



グットタイミング。成一もちょうど喉が乾いていた所だ。



「おう、頼む」



「ありがとう」



成一と優里は軽く礼を言ってから優人に続きを教え始める。

美鈴は飲み物をお盆で持ってきた。


「……」



美鈴に頼んで失敗した。大丈夫だろうか、びしょ濡れになるのは勘弁だ。成一は不安になりながら美鈴を見た。



「あ!」



「冷てぇ!」



不安は見事に的中。美鈴は手を滑らしお盆事飲み物を落としてしまった。しかも飲み物は全部成一にかかった。最悪だ。



「お前なぁ」



成一は思わずジト目で美鈴を見た。おかげでびしょ濡れだ。



「ごめん!」



美鈴は成一に謝る。別に怒っては居ないが溜め息が出た。

勉強に集中していた優人は騒ぎに気付き、成一を見るなり。



「あ〜あ」



と苦笑いしながら言っている。優里は唖然としている。

美鈴がかなりのおっちょこちょいなのを長年の幼なじみ故、知っているため、怒る気も起きない。まぁ幸い飲み物は麦茶だったためシミにはならなそうだ。



成一は着替えに一旦家に帰った。家は隣のアパートの為直ぐに戻れる。



成一が美鈴の部屋に戻ると、今度はちゃんと麦茶を用意してあった。こぼした麦茶は既に拭き取ってある。



「じゃあ仕切り直しだな」


優人は第2ラウンド開始だと言わんばかりの口調で言う。



「ああ」



「ごめんね」



「何時もの事だから気にしていませんよ」



思わず敬語になるほど、美鈴はそそっかしい。



その後何事もなく勉強会は続き、優人も再び真剣な顔をして勉強をした。先ほどと同じように成一が中心で教えて美鈴と優里が補足を入れる形で教えっていった。





勉強会から数日後。



成一は優人のテストの答案を見るなりホッとしたような愕然としたような気持ちになった。隣に居る美鈴も同じことを思ったのかホッとした表情と少し自分のがっかりした表情が混ざっていた。



「おい…何だよこれ」



成一は我慢ならず言葉を発した。



「何だよってテストの答案だぁ」



優人誤魔化したいのかはおちょくるように成一に言った。



「そうじゃねぇ!あんだけ勉強してまた赤点ギリギリかよ!」



成一は全力で優人にツッコミを入れた。努力の成果がこれでは悲しすぎる。



「ハハハ…悪い悪い…まぁまともに勉強した結果ってやつだ」



成一は優人の言葉に呆れた。美鈴や優里も呆れているようだ。溜め息を着いている。



「優人…普段からもう少し勉強した方が良いわよ」



優里は優人にそう言った。優人は誤魔化すように苦笑いをした。

結構ありがちな物語ですが読んでくださっている方、ありがとうございます。

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