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明日はピクニック

作者: 流杜

コメディーかも………

「あのさ、好きな食べ物ってなにかある?」


土曜日の朝。

学校に登校中、横を歩いていた彼女が唐突にそんなことを言った。


「? なんで?」


不思議そうに彼は聞き返す。


「いいから!なにが好きなの!?」


有無を言わさぬ彼女の態度に、彼は仕方なくう〜ん、と腕組みして考える。


そして。


「キャビア、フォアグラ、トリュフ」


言い切った。

数秒間硬直する彼女。


「あのさ、もう少し手頃な値段でなんかない?」


彼は再び考える。


「…………………もんじゃ焼き」


重い沈黙。


「う……………うん。確かに値段は手頃よね。でももっと持ち運びの出来るような物でなんかない?」


えー、と彼はめんどくさそうにまた考え始める。


「……………………りんご」


ひく、と彼女の顔の筋肉が引きつった。

でもなんとか我慢。


「そ……………そうそう。値段も手頃だし持ち運びも出来るんだけどさ、もっとこう………………作り甲斐があって、草原でわたしと一緒に食べたくなるような物は?」


ぐっ、と期待を込めた目で彼を見る。


そう。

明日は彼と二人でピクニックに行くのだ。

なので、初めての手作り弁当に挑戦しようとしている。


が、彼は自分に向けられた視線を怪訝そうに見返してから。



「……………………………ラーメン」


ぷちぃ。

何かが豪快にキレる。

同時に彼の顔面を拳がえぐった。


5メートル程吹っ飛んだ。


「だーかーらー!!わたしは明日のお弁当の具を聞いてるのになんだって珍味だの果物だのラーメンだの言うかなあんたは!?しかもラーメンなんか草原で食べるか!?」


「ごめんごめんごめんごめんなさい!謝る!謝るから!」


土下座だ土下座。

ペコペコと必死に謝る。

それを見てから、彼女は僅かに笑みをこぼした。

なんだかんだ言って、彼女は彼が好きなのだ。

でも恥ずかしいので表には出してやらない。


「それで、なにがいいのよ?」


ふん、と拗ねたように彼に訊く。

それを見て、彼は一つ頷き。



「月見うど─────うぎゃぁぁぁぁ!!!」


以下、彼が気を失うまでエンドレス。

感想頂けたら嬉しいです。

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