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作者: 虹夏

朝、外を見ると雪が降っていた。心が躍った。僕は非日常でこそみられる、人の風景が好きだ。

だからこそ、僕はその風景にはなれない。なんら変わらないいつも通りの一日になるはずだった。

放課後、そこには、不器用に人に合わせ笑う君が正門に居たんだ。僕は君に声をかけ、歩き出す。

「雪っていいよな。」僕は言う。

互いの呼吸が交差する。君は答えなかった。

君は雪だるまを見つめた。君はほんの一瞬息を吸うと突然、鞄を道端になげ、走り出し、誰かが作った雪だるまの頭を蹴り飛ばした。君が壊した雪だるまは教室で演じる自分を思わせたのかもしれない。

君の顔は満足感に溢れていた。

そうか、違うんだね。君と僕の考え方は違うらしい。

迷いも葛藤もなかった。僕はさっきまでの僕を捨て、スタートが切られたように走り出し、君が蹴り飛ばした雪だるまを思いっきり踏み潰す。

君と僕の目線が初めて合う。

君は嬉しそうに僕を見て、笑う。僕も、君のように笑う。

ようやく、君と歩ける気がした。

「行こう。」僕はそう言って、君の手を引っ張り歩き出した。さくさくと心地のいい音が重なる。

僕達で全て無くして、僕達の痕跡だけを残そう。僕と君が一緒である為に。


二作目です。頑張った。

何千文字も書ける人ってすごいな

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― 新着の感想 ―
頭乙女チックな僕と割とバイオレンスな君の対比が雪の景色をバックに情景が浮かぶような綺麗な文だと思いました。 君ってどんな子なんだろうと思いを馳せて何度も読み返してしまいます。 わたしのそうぞうした君…
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