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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
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97.ガイの決心

「私は何と愚かなのでしょう。私の薄汚い嫉妬の所為でシルフィーナ様のお心を煩わせていたとは、全く考えが及ばずなんとお詫びを申し上げればよいのでしょう」

「詫びなどいりません。少しでも神族と会話をし、情報の交換をしなさい。少しでも信頼関係を結ぶのです。それがお前を孤独から救ってくれるでしょう。相手はお前を受け入れる気持ちが既にある。でなければ接吻の罰の相手などしてくれないでしょう」

「はい、シルフィーナ様、仰せの通り致します」

「アベルとルーカスが定着前3日間、私にべったりだったのを覚えていますか?」

「はい、覚えております」

「あれは約10か月間私に触れることが出来ないので女神の愛の不足が無いようにと神従達の決心を強くするためです。そう思うとお前は約2年間私にべったり出来るのね。神使で良かったわね」

「ふふ、そうかもしれませんね」

「やっと笑ったわね。罰をきちんとこなしたご褒美にお前の好きなことをしましょう。夜中までまだ時間はあるわ。何をする?」

「シルフィーナ様、たくさんの接吻をさせていただけますでしょうか?」

ガイの希望は逆悪戯だった。


たっぷり夜中まで逆悪戯をされたシルフィーナはキアに起こされた早起きもたたって少々疲れ気味だったが、アベルとルーカスの様子を見に行った。

アベルは1週間前に胸から上の神霊体をとることが出来たが、赤子のこと故、シルフィーナが訪ねて行っても眠っていることが多かった。

この日もアベルは眠っていて、数時間待ったが結局起きず、シルフィーナとガイはルーカスの元へ飛んだ

ルーカスはまだ神霊体をとったことが無く、待ち遠しいがアベル同様この日も眠っていた。

「ルーカス、今日もおねむのルーカス、素敵なルーカスにはいつ会えるのかしら?」

とブツブツつぶやきながら赤ちゃんルーカスの顔を飽きずに見ていた。

静かになったと思ったらシルフィーナが眠ってしまっていて、結局ガイが抱っこしてスタニスラガの王城まで運んだ。

王城に着いたら、フッとシルフィーナが目覚めた。

「ガイ、もう夜は明けた?」

「いえ、あと1時間ほどで夜明けだと思われます」

「そう、私、もう寝ちゃってもいい?」

「もちろんです」

「ガイは夜が明けたらお兄様と神族に昨日のお礼とお詫びを言いに行きなさい。私を置いて行って良いから。少しでも話をするきっかけを作るのよ。戻ってきたらいつものように抱っこして一緒に眠りましょう」

「はい、分かりました」

「ガイ、大好きよ。頑張れ、私の優しいガイ・・・」

腕の中で寝落ちしたシルフィーナをギュッと抱きしめた。

この腕の中で眠ってくれるのは、あと1年半しかない、ではなく、あと1年半もあるのだ。

シルフィーナの言葉で思い出したのはアベルとルーカスはたった3日間しかシルフィーナを抱いて眠れなかったのだ。

そのことを思うと自分は何と恵まれているのだろう。

例え実体をもらえることは無くても神霊体のままであれば人間を気にせずシルフィーナに触れることが出来るのだ。

シルフィーナの定着期間10か月の辛抱だと今日の話しで改めて分かった気がした。

まずはシルフィーナの望み通りアレクシウスとフローリアの神従と情報交換出来るようにしなければ、と思う。


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