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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
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9.定着先訪問

その後、シルフィーナは三日間眠った。

自身で自分を結界で包み、宙に浮きながら丸くなって眠った。

その周りを女神の神族たちが二つ目の結界を張り、その中でシルフィーナを見守っていた。

流石に四日目にアレクシウスが起こしに来たので、シルフィーナは一度目覚めたが、まだ朦朧としている様子で、結局、もう三日間シルフィーナは眠り続け、降臨してから1週間後にようやく目覚めた。

とは言え、すでに昼過ぎだったが兄に目覚めの挨拶をしたら呆れられた。

「そこまで無理をさせたつもりは無かったのだが、すまなかった」

「女官の体を借りたのが疲れたのかもしれません、今日は定着先を見に行ってきます」

執務室の兄の両脇に立っている神従たちが、ソワソワしているのでじっと見てみると目をそらされてしまった。

兄が笑い出し教えてくれた。

「シルフィーナ、疲れているところを悪いが俺の神従たちをお前に触れさせてもらえないか?この一週間こいつらずっとソワソワとお前の目覚めを待っていたんだ、女神の愛を頼めるか?」

シルフィーナは斜め後ろに立つアベルと反対側のルーカスの顔を見た。

取り立てて不服も承知したとの顔でもないが、シルフィーナには思う所がある。

「構いませんわ、今日のお務めが終わった今夜にでも」

兄の神従たちの顔が赤くなった。

何処から来たのか神使ジーンまでも顔を出し嬉しそうな表情だった。

「お話はそれだけですわね、では行ってまいります」

「ああ」


アレクシウスが紹介してくれたジャシス伯爵家はやはり王城の貴族の屋敷が立ち並ぶ一角にあった。

男ばかりの3人兄弟の子供が居るので元気な声が屋敷の外にまで聞こえていた。

その様子をニコニコと夫人がテラスから眺めている、夫人の笑顔からいい家庭だと判断できる。

家の雰囲気はご夫人を見ればすぐにわかるものだ。

アベル定着後にここへルーカスを定着させることを決めた。

「また男の子なのはちょっと気の毒な気もするけど・・・」


次にシルフィーナの定着予定先モリエール侯爵邸へ

主人のモリエール侯爵は不在、近衛騎士団団長なので城に居るのだろう、あとで見に行ってみよう。

夫人は居間で刺繡をしていた。

痩せ気味で大人しい雰囲気の女性だったが、とても優しそうなので安心した。

子供が居ないせいか静かで落ち着いた屋敷だったが、さすが侯爵家、質素ではなかった。


近衛騎士団の団長を見に行く

32歳と言うことだが、オジサン臭くなく鍛え上げた立派な美しい騎士だった。

この人をお父様と呼んでみたくなったが、お父様と言うより婚約者にしたいぐらいの美丈夫だった。

この見た目で不能なら遊びたい放題の気もするが、夫人一筋の愛妻家だと悟る。

侯爵に好印象を持ったため、シルフィーナの定着先に決めた。


早々に兄の元へ帰りつき、部屋で休む旨を伝えて引き取った。

夜は兄の神従が来るので、それまで自分の神従とじゃれ合うことにした、特にアベルはあと1週間で定着だ。


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