83.神使失格
お茶会はあの後の微妙な空気も何のそので、本当に楽しく美味しく終わった。
あれ以降、カイルにも悪戯のことは何も言われなかったので、すっかり忘れてお茶菓子を完食し、大満足だった。
部屋に戻ると、ガイがベッドの縁に座り込んで肘を膝に付け、頭を抱えるようにして俯いていた。
「ガイ、大丈夫?」
「ああ、シルフィーナ様、お帰りなさいませ」
シルフィーナに声を掛けられようやく頭をあげたガイの横にシルフィーナは座った。
「気分はどう?」
「ぼうっとしてしまい、おそばに控えず、申し訳ございません」
ガイの横髪を撫でてあげたら、その手をつかまれ、頬摺りをされた。
「カイルとセムスが様子を見に来てくれたと思うけど、何か話をした?」
ガイはこちらを見て、え?と言う顔をしたが、また俯いた。
「・・・いえ、気が付きませんでした」
「そう」
「・・・私は神使失格ですね・・・」
「そう?」
「・・・はい・・・」
「気持ちよかった?」
これには答えず顔を赤くして頷くだけだった。
「良かった」
シルフィーナがホッとしたように言うとガイが驚いたようにこっちを見た。
「2週間もただ眠るだけの私を抱っこし続けてくれたのよ。少しぐらいガイの我儘を聞いたって良いじゃない?」
ガイの方を見たら目が合ったのでにっこり笑った。
「カイルとセムスはガイの様子を見て、私が何をしたのかは分かったみたいね。でもそのことについて2回連続はビックリしたみたいだけど、何も言わなかったわ。私は女神よ。ガイは私の神使よ。誰にも私とガイの関係に口を挟ませないわ」
「シルフィーナ様」
「さあ、ガイ、少し休みましょう。私、夜中に出かけたいところがあるの」
「あ、アベルとルーカスの所ですか?」
「ええ、私のかっこいいアベルと、私の素敵なルーカスを、私は、私の優しくて泣き虫なガイと様子を見に行くの」
「泣き虫は余計ですよ」
二柱で、ふふ、っと笑いあった。
「お茶会は楽しかったですか?」
「ええ、キアがカイルの体を借りて、私がセムスの体を借りて、お姉様と三柱でお茶会したの」
「へぇ、賑やかそうですね」
「ええ、たくさんお菓子を食べて、たくさんお喋りをして、たくさん笑ったわ。あ、そうだ!お姉様の婚約者が分かったの」
「え?」
「なんとアレクシウスお兄様なんですって!」
「ええ!」
「なんか不思議なことになっているわね、地上界って面白いわね」
「そうすると、スタニスラガ王国に神が三柱集うことになるのですね。それってちょっと異常じゃないですか?」
シルフィーナは、少し考えたが
「私が下りて二柱でも珍しいことだけど、お父様が何も言わなければ、良いんじゃないかしら?」




