81.フローリアのお茶会
「お姉様、この度はお茶会にお招き頂き恐悦至極に存じます」
シルフィーナは午後のお茶会に出席し、主催者のフローリアに挨拶をした。
「シルフィーナ、良い目覚めですか?起きるのを楽しみに待っていましたよ」
「はい、お姉様、お陰様でさわやかな目覚めでした」
「お前の近衛騎士は?また喧嘩でもしたの?」
そう、フローリアのリビングに来たのはシルフィーナだけだった。
「あ~、ガイ?ガイは、・・・沈没させました」
とコロコロと笑った。
「また床にですか?」
と以前の沈没を知っているキアが口をはさんだ。
「さすがに床はかわいそうだから、ベッドをお借りしましたわ」
フローリアと神従は何のことかわからなくて顔を見合わせた。
「ま、ともかくお茶をしましょう、セムス、シルフィーナに体を貸してあげて」
「キアもお茶を一緒にしましょうよ」
とシルフィーナがわがままを言うとカイルがキアに体を貸してくれることになった。
三柱でお茶会を始めると
「私とセムスでガイの様子を見に行ってきます、ちょっと心配なので」
と言ってカイルとセムスが消えたのを見送ったフローリアが聞いた。
「シルフィーナ、いったいガイに何をしたの?」
「悪戯です。ガイがやたらと気に入っちゃって、寝起き一番のリクエストが悪戯だったのです」
「沈没するのに気に入ってるんですか?」
とキアが聞くのに頷くが、本当に気に入っているので仕方がない。
「お姉様、卵ときゅうりのサンドイッチ、これを食べたかったんです、嬉しいわ」
「うふふ、たくさんお上りなさい、セムスはいつもたくさん食べるからどんどん食べて問題ないわよ」
「シルフィーナ様、今日の紅茶はフローリア様のお勧めでセラーノ産のお茶です」
ふいにドアがノックされた。
女官か侍従か?
「お姉様、私が応対しても良くって?」
「いいけど、男の素振りと声を出さないとダメよ」
「はい、私はセムス!」
と低い声で言って、席を立ってドアを開けた。
ドアの向こうには少し年の行った黒いスーツ姿の男が頭を下げていた。
「フローリア様にお手紙が届きました」
「分かりました、お渡しします」
とセムスっぽく返したが、どうやら怪しまれなかったようだ。
ドアを閉めると小走りに姉の所に向かった。
「お姉様、上手くできたかしら?」
「良かったと思うわ」
可笑しくて可笑しくて三柱で大笑いをした。
「あ、姫様、お手紙が届きました」
と、さっき預かった手紙を差し出すと、またもや大爆笑になった。




