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銀色の風  作者: 紫音
~第1章~
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79.待ちに待った目覚め

アレクシウスは、フローリアの城から帰って、事の子細を神族に聞かせた。

処分については神族からの不満の声は上がらなかった。

「今後もこの城にシルフィーナは度々やってくることになるだろう。だが、お前たちから必要以上に近づくな。ガイを逆なでする行為はするな。あいつは俺の神族ではないが、あんな泣き方をされては、いたたまれない」

神従はガイが泣いたところを知らないが、ジーンはあのアレクシウスの寝室での嗚咽が耳に残っていた。

「私もあの嗚咽は忘れることはできないです」

神従のグイドとダーレンは顔を見合わせた。

「アレクシウス様、承知いたしました」

「シルフィーナ様にはフローリア様の城より、この城の方が過ごしやすいと言ってもらえるように致しましょう」

アレクシウスは神族を見渡して

「よろしく頼む」

と言った。


ラナダ王国の自室で眠るシルフィーナが、眠りについて一週間が経ったが、まだ起きる気配はない。

ガイはずっとシルフィーナを抱いたまま一緒に二重結界の中、空中をゆっくりと回転していた。

寂しくなったら起こしても良い、とシルフィーナに言われたが、今は何の心配もない眠りだとわかっているので辛くは無かった。

むしろ自分の腕の中に居る女神が、もう誰にも連れ去られないという安堵感の方が大きかった。

たまに寝返りを打とうとするシルフィーナを捉えて頬や唇に軽く接吻をする。

あまり動きを制約すると大切な眠りの障害になるのが怖いので、ほんの一瞬の楽しみである。

キアが様子を見に来てくれた時

「シルフィーナ様の寝顔って見える?とっても安心しきったお顔で眠っていらっしゃるわよ」

と言って手鏡を神力で出して見せてくれた。

角度的に手鏡でもあまりよく見えないが、口角が上がっているのが見えて嬉しくなった。

フローリア様が来てくださった時

「ふむ、まだもう少し眠りから覚めそうにないわね」

と額に手を当てて様子を見てくれた。

「嬉しそうな顔をしているわよ。ケーキの夢でも見ているのかしらね。ガイ、涎に注意よ」

とおっしゃられた。

そういえば肩のトーガが冷たいことがあった。

涙なのかと思って焦ったが、涎だったのかもしれないと思ったら、さすがシルフィーナ様、と安心した。

シルフィーナの暖かさと自分の肩の上から聞こえる心地よい安らかな寝息に寝落ちをする。

一緒に眠るとガイ自身前々から思っていたが、一柱で眠るよりよく眠れる。

この日もシルフィーナの心地よさに釣られ深く眠っていた。

ささやくような声のない声に、眠りの底から徐々に引き上げられていった。

「いつもシルフィーナ様の肩に顔を埋めているのですね、前と違って安心した顔をしてますよ、あの時は見ているのが辛くなるぐらい暗い顔でシルフィーナ様を抱っこしてましたよ、あ!」

目覚めたか目覚めないかの境でガイの首筋に唇がふれた、何度も何度も首筋に接吻が落とされた。

動けない、動いて目覚めたら、確認したら、まだ違ったら?だが、この感触は間違いない。

「お、お目覚め・・・ですか?」

「おはよう、ガイ。2週間眠っていたって今キアに教えてもらったわ。待たせたわね」


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