78.眠りの前に
フローリアにビシッと否定されたアレクシウスは
「分かった、お前に任せる」
と言うしかなかった。
「俺はそろそろ自分の城に戻る。シルフィーナにいつでもこちらに来てもらっても良いと言ってくれ」
フローリアは怪訝そうな眼付をしたが、神帝に普段の交流は許可されているので文句は言わなかった。
「そうね、伝えておくわ。どっちにしろアベルとルーカスはそっちの国に定着しているのだし、行かない理由は無いわね」
「では、またな」
と言ってアレクシウスは消えた。
「キア、変わりましょう」
フローリアの実体にはキアが入っていたので交代した。
「ふぅっ、これで一段落だわ」
「フローリア様、ご説明を頂いてよろしいでしょうか」
カイルが代表して言った。
「ええ、そうね」
とフローリアは自分の神族に事の子細を話して聞かせてあげた。
「当面、あの子たちを預かることになると思うので、キア、また様子を見に行ってあげてね。それとあの子はこれから少し長めの眠りに入るわ。ガイと話が終わったら、今度は本当の意味で回復の眠りよ。少し長引くと思うけど、もう心配ないわ」
「分かりました、お目覚めになったらケーキの準備ですね」
とセムスが楽しそうに言った。
「うふふ、そうね。やっと本来私が楽しみにしていたお茶会が出来るわ」
とフローリアも嬉しそうにしとやかに笑った。
ようやくガイが落ち着いてきたので、いつもの斜め抱っこにしてもらった。
ガイの涙を拭いてやりながら、話さなければならないことを話した。
「だいたいは神帝陛下から伺いました。もう大丈夫だからとおっしゃいました。それともう一度シルフィーナ様がお眠りになるともおっしゃっておられました」
「ええ、そうよ。度々の長めの眠りは探し物をしていたから全然休めてなかったの。でもお父様がそれを見つけて下さったから、もう探さなくて良くなったの。あとは回復の眠りだけ」
「はい、分かりました。どのくらいお眠りになるのでしょうか」
「さあ、分からないけど、寂しくなったら起こしてくれても良いわよ。でもアベルとルーカスが産まれるまでの長い時間分は必要ないわ。もっと短いと思う。次に起きたら普通にガイと一緒に起きて、ガイと一緒に眠るようになるわ」
にっこりと優しい笑顔を浮かべ、ガイは赤くなった。
「シルフィーナ様、お休みの間も抱っこしていてよろしいですか?」
「もちろんよ。私を守るのはガイの役目でしょ。よろしくね」
まだ何か言いたそうなガイを促した。
「あの、もうお休みになられますか?」
「何がしたいの?」
「あの、お起きになってからに、します!」
気にはなったが、早く寝れば早く起きれるので、眠ることにした。
「眠るわね。起きたらガイの大好きな悪戯をしてあげるわ。楽しみに抱っこしていてね」
「はい!」




